Unistyle株式会社

Unistyle株式会社は、自社による情報サービス事業を展開するITベンチャー企業だ。人生を縦軸に見た時、受験や就職活動等のキャリアイベント毎に有用となる情報を配信するWebサイトを運営している。中でも、上位層大学生向けの新卒での就職活動を支援する情報サイト『unistyle』は、同社の主軸サービスだ。国内有力企業の採用条件や対策、内定を得た学生のエントリーシート公開等、ユーザ目線に立った独自性の高いコンテンツが大学生の間で評判を呼んでいる。

代表取締役の樋口 幸太郎氏は、慶応義塾大学法学部を卒業後に伊藤忠商事株式会社に入社した。金融保険部門に配属され、出向先で新規事業の立ち上げに従事する。
「実は就職活動の段階で、会社員に向いてないのでは？と思い始めました。起業も頭をよぎりましたね」（樋口氏）。

人が決めたルールに乗ることに抵抗を感じてしまうという樋口氏。それよりは、自分でルールを作って進めていきたいタイプだという。

しかし、いきなり起業すると言っても、ノウハウも知識もない。やはり、一度は会社勤めを経験しようと総合商社への就職を選んだ。中でも伊藤忠商事株式会社を選んだのには、理由があった。
「伊藤忠商事は、社内起業でIPOまでしている会社がある」（樋口氏）。
先を見据えた戦略性の高い選択に思えるが、樋口氏は「いやー、全然そんなことないんです。行き当たりばったりですよ」と笑う。

希望通り金融部門へ配属され新規事業に携わり経験を積む一方で、プライベートでは『商社マンと就職活動について考えるブログ』を立ち上げた。PV数が伸びていき、まとまった額のアフィリエイト収入を得られるようになる。会社員として順調に進んでいたものの、起業への情熱は消えていなかった。

大学の競技ダンス部の後輩であった杉山 翔氏と、何かをやろうと常に話をしていたという。
そんな折、杉山氏が転勤先の関西から帰京が決まった。また、樋口氏が金融保険部門から別部門へ異動することになった。
「運営していたブログもうまくいっていましたし、このタイミングだなと思いました」（樋口氏）。こうして、2011年にUnistyle株式会社を設立する。

就活を切り口にしたブログの収益化成功と、アフィリエイトに関連した新規事業立ち上げの経験をもとに、上位層の大学生を対象にした新卒就職サイト『unistyle』の運営会社として起業した。

設立当初は外注でサイトを作成して運営していたが、途中から樋口氏自身がプログラミングを行うようになる。
「外注だとどうしてもちょっと導線を変更する、ちょっとした機能を追加するってことにもお金がかかってしまいました。自分で自由にサイトをカスタマイズ出来るようにならないと、会社潰れると思ったんですよね」と、樋口氏は語る。まったくのゼロから Ruby on Rails を独学で学び、恐る恐る外注先から運用を巻き取りにいき、自社で開発・運用まで担うようになった。自身のアイディアを直接、かつスピーディーにサイトへ反映できるようになり、売上は倍増していった。

現在のunistyleにおけるビジネスは、上位層大学の学生に情報を発信したい国内企業への送客報酬と広告枠販売がメインだ。対象とする企業へ積極的にアプローチして、コンサルティング型の営業を行っている。同社は、有力企業に内定した学生から得た1万枚以上に及ぶエントリーシート公開という強力なコンテンツを持つ。”ユーザの為のコンテンツ”という基本姿勢を崩すことなく、今後もサイトの充実をはかっていく。

さらに、独自のデータ解析アルゴリズムを開発して、1万枚以上におよぶエントリーシートと1000本以上の記事コンテンツと個人の志向性を適合させる、ユーザと企業をマッチングする等、サイトの可能性を拡げる仕組みを作っていきたいという。
「そうなってくると、さすがに自分でやっていくのには限界があります。今後は、自社でエンジニアを持つ体制にして、新たな事業展開をしていく計画です」（樋口氏）。
樋口氏のアイディアは、留まることを知らず先へ先へと広がっている。

代表樋口氏のプロフィールを交えながら、会社設立までのいきさつと同社の主軸事業について紹介した。ここでは、今後参画する者の"やりがい"にフォーカスしつつ、働く環境に目を向ける。

設立以来順調に業績を伸ばしてきた同社は、5期目の2016年に大きな転換期を迎える。人材関連事業を広く展開し、特に営業やリアルな展開に強みを持つ株式会社ネオキャリアに株式譲渡を行い、子会社となったのだ。これは、ユーザー数は多いながらも営業人員が少なく売上を伸ばしきれていなかったUnistyle株式会社にとっては価値のある買収だと感じて参加に入った。

樋口氏が持つ「常に新しい事業を立ち上げていきたい」、「少ないメンバーで大きな売上を上げたい」という目標が、さらに実現しやすくなったといえよう。今後参画するメンバーは、この中へ飛び込むことになる。

現在の4人の雰囲気は、とてもアットホームだ。組織という枠に捉われずにそれぞれが自由に発言をし、スマートに仕事を進めている印象を受ける。小さな組織ゆえに、フレキシブルな勤務も可能になっている。

もちろん、群雄割拠の人材ビジネスの世界で突き進んでいく為には結果を出していく必要がある。だが、その厳しさも社員にとって大きな学びとなるだろう。
「ある程度、安定した環境の中で、組織づくりや事業を立ち上げることにチャレンジしたい人にとってはよい環境を提供できると思っています。会社のカルチャーがない状態ですから、そういった部分も一緒に作って欲しいですね！」（樋口氏）

専門分野に特化した業務に留まらず、新規事業立ち上げや運営等ビジネス全般に関わってみたいという方には、非常に魅力的な環境だろう。