株式会社マングローブ

日本の99％の会社が中小企業だといわれている。<br />それは、中小企業こそが日本経済の根底を支えているということと同義だ。<br /><br />株式会社マングローブでは、こうした企業のことを尊敬の念を込めて“Beans Company（ビーンズ・カンパニー）”と呼んでいる。<br /><br />Beansには「豆」という意味のほかに「実がたくさん詰まった」という意味がある。つまり、中小企業がもつ様々な可能性と希望と性格を表しているのだ。<br /><br />同社は、組織人事のコンサルタント＆サービスという点から、こうした“Beans Company（ビーンズ・カンパニー）”に成長できる仕組みを提供したいと考えている。会社という豆、あるいはその中にたくさんある可能性という萌芽がどこまでも成長できるようなサポートをしたいと考えているのだ。

会社の成長を妨げる要因として、大きく二つのものがある。<br />一つは、経営陣と従業員を合わせた「チーム」が機能不全を起こしているということだ。<br />そしてもう一つが、経営者が社内のさまざまな管理的業務に力を割かれ、世の中へのサービスや商品の提供という本来の活動がおろそかになっているということである。<br /><br />マングローブ社は、こうした問題点を分析・抽出し、クライアントに合わせた解決方法を提示していく。ただのパッケージの投売りではなく、その会社特有の問題点を見出し、最善の方法でサポートしていこうとしているのである。<br /><br />この中で、同社ならではの特徴として挙げられるのが、「Beans Company STAR」という戦略である。<br /><br />同社は、人事には大きく五つの要素があると考えている。採用、育成、評価、リーダーシップ、チームワークである。この五つの要素が企業理念と組み合わさって初めて会社が円滑に動くというのだ。<br />多くの同業他社が、採用なら採用だけ、育成なら育成だけ、といったように専門的に事業展開をしている中で、同社は五つの要素をすべて網羅し、連動させることで、よりうまく会社が動いていく方法を提案するのである。

Beans Company STARの実現には様々な方法がある。<br />採用、育成、評価、リーダーシップ、チームワークという五つの要素を最初から任せてもらうこともある。<br />だが、多くの場合はどこか一つだけを担当する所からはじまるのが現実だ。ただ、同社の社員は、たとえ採用だけをやっていても、常に「Beans Company STAR」について考えている。五つの要素がうまく機能することを目指してプロジェクトを遂行し、次々に新しい提案をしていくのだ。<br /><br />「人には大なり小なり専門分野があります。採用に優れた人、育成に優れた人、管理に優れた人など様々です。これは人である以上仕方のないことでしょう。しかし、私たちには『TASKALL（タスカル）』という方針があります。TASK（課題）とALL（すべて）からつくった造語で、社員はすべての課題に挑戦するべきだという行動指針なのです。つまり、会社の専門外、自分の専門外のことであっても、自分の立場からできることを探してやっていく。そうした所に本当のプロフェッショナルのあるべき姿があると思いますし、それこそが『Beans Company STAR』を実現させる方法だと思うのです」<br /><br />ただし、それはあくまでもクライアントのニーズにあったものでなければならない。<br />そこで同社は企業の理念というものを大切にする。理念にそった形で企画、提案、実行していくことで、ブレることのないサポートが可能になると思うからだ。<br /><br />組織人事コンサルティング室の武田氏はこう言う。<br />「私たちは企業理念を大切にしています。企業がうまくいかない時は溝があるものです。経営者と社員の溝、実績と評価の溝、現実と夢の溝……私たちが勝手に方法論をでっち上げてもその溝は埋まりません。必要なのは企業理念を中心において溝を埋めようとする試みです。企業理念を大切にして、それに適応させる形で、お互いの溝を埋めていかなければ、長期的な意味でその会社のためにはならないのです」

実際に中途入社した人はこんな同社の特徴をどう思っているのだろう。<br />その疑問を組織人事コンサルティング室の神作氏に伺ってみた。氏は2005年の11月に中途で入社した。それまでは人材派遣会社等で採用に関する仕事をしていたのだという。<br /><br />「私がこの会社に入社したのは、採用以外のこともできるという点でした。これまでずっと採用をやってきました。だからこそ他のスキルにも挑戦してみたかったのです。当社ではBeans Company STARに代表されるように様々な分野を学び実践することができますから、それに挑戦してみたかったのです」<br /><br />では、実際に入社してどんな所に驚きを感じたのだろうか。同氏はこう語る。<br /><br />「会社が本当に自由だという印象がありました。会社としての利益目標はあるのですが、個人的なノルマが一切ないのです。だからこそ自分で会社の利益目標を達成するために何をどれぐらい必要かということを自己計画し、さらには自己実現していくことが要求されるのです。自由な分大変ですが、それだけやりがいもありますね」<br /><br />この自由な空気は、同社独自のものなのだろう。<br />同社のオフィスは『オフィスwatch』でも取り上げられたユニークな会社だ。エントランスを入ると、その裏に四つ会議室が並んでいる。一つ一つがとてもユニークなもので、和テイストの部屋、森をイメージした部屋などにわかれている。<br />このオフィスを見ていると、色んな趣の異なるものに興味を持ち、それをトータルに考え、提案できる人が社風に合うのかもしれないという気持ちになった。