株式会社グローバルサーチ

メディア事業とデジタルマーケティング事業を手がけている、株式会社グローバルサーチ。クライアントの半数以上を占める不動産領域に強みを発揮しているのが特長的だ。
まず、メディア事業においては、次の2サイトが主力である。
●「イエカレ」
不動産売却・個人間売買、リロケーション・サブリース、不動産管理、賃貸経営・駐車場経営、太陽光発電導入を考える不動産オーナー向けに、それぞれのサービス事業者の資料請求ができる不動産情報ポータルサイト。不動産売却・賃貸管理・土地活用・賃貸経営など様々な不動産カテゴリに関するコラムを随時配信。相談デスクにチャットで質問できる便利な機能も。
●「土地活用・賃貸経営ナビゲーション」
土地活用・賃貸経営を考えている不動産オーナー向けに、アパート経営・土地活用プランが完全無料で一括比較できるサイト。各事業者の賃貸住宅商品や管理サービスの情報が充実している上、専門家によるコラムも豊富に掲載。「土地活用サイト顧客満足度No.1」「賃貸経営・土地活用サイト安心度・使いやすさランキングNo.1」「参画企業社数、企業情報量第1位」を獲得した、名実ともに当該分野のNo.1サイトだ。
そのほか、結婚相談サービスやスクール、アルバイトなどの分野でも自社サイトを運営している。
次に、デジタルマーケティング事業。サービス内容は次のとおりだ。いずれも、前述の自社メディアにおける集客で実践・蓄積した成功ノウハウをリソースとしているところが強みである。
●コンサルティング
クライアントのWebマーケティング戦略の立案から実行段階まで、ワンストップでコンサルティング。クライアントのビジネスに最適なソリューションを提供するとともに、Webマーケティング効果を最大化する。
●Web広告
リスティング広告、ディスプレイ広告、DSPで集客の最大化を目指す。同社のコンサルタントは全員、Yahoo、Googleの認定資格を保有。
●クリエイティブ
Webサイト、ランディングページ、コンテンツ作成、バナー作成などを手がける。KPIにこだわり、集客したターゲットの離脱を抑え、1件でも多くのコンバージョンに繋げる“売れるサイト”を提供。
●オリジナル解析ツール
LPO、EFO、レポート作成の各オリジナルツールを提供。

デジタルマーケティング事業のクライアントの50％以上は、「イエカレ」「土地活用・賃貸経営ナビゲーション」の掲載企業をはじめとする不動産業界。それら自社メディアで磨いた集客ノウハウが競争優位性の高いサービスの核心だ。
「この分野で一般的な広告会社と競合しても、ほとんど負けることはありません」と代表取締役社長の宇根康弘氏は胸を張る。
人口減少社会に突入した日本においても、同社が地盤とする東京への一極集中は続き、人口は増加を続けている。2020年には東京オリンピックも開催される。
「向こうしばらく、関東エリアの不動産業界は順調に伸びていくと見ています。当社の経営基盤も堅実だと思います」と宇根氏は強調する。

2007年2月、独立系のインターネット広告代理店としてスタートした同社。創業メンバーに不動産分野のメディアの経験者がいたことから、翌年に「不動産売却ナビゲーション」「賃貸経営ナビゲーション」のWebメディア事業をスタートさせた。以来9年間、ほぼ右肩上がりの成長を続け、2015年度の売上高は9億円。
「今を“第二の成長期”ととらえ、2020年までに20億円超まで伸ばしていきたいと考えています」と宇根氏は意気込む。その“成長戦略”は、次のとおり3つの軸を定めている。
①従来の“メディア×デジタルマーケティング”戦略のさらなる強化
「メディアに掲載いただいたお客様の個別のデジタルマーケティング領域は、まだまだ余地があります。ここを引き続き強化していきます」（宇根氏）
②不動産領域の“深堀り”と“横展開”
「既存2サイトは資料請求機能に特化していますが、ダイレクトマッチングなどほかの機能も拡充し、送客力のさらなる向上を図ります。横展開は、現時点では公開できませんが、まだ未着手の領域を探り、広げていくというものです」（宇根氏）
③不動産以外の業界や領域への進出
「例えばECサイトなど、当社にとって新しい領域にも積極的にチャレンジしていきます。『これをやりたい』というアイデアをお持ちの方もぜひご応募ください！」と宇根氏は呼びかける。同社では毎週、これらの成長戦略を具体的に検討するミーティングを開き、実行に向けて取り組んでいるところだ。今後の展開が楽しみである。

2016年3月現在、社員数は20名。うち7名はプロパーの社員だ。この規模で新卒採用にも熱心に取り組み、2015年4月には4名が入社している。このため、平均年齢は26歳と若い。
「不動産に強く若いITベンチャーとして、ギラギラしたイメージを持たれるかもしれませんが、社内は落ち着いた雰囲気です。営業チームは活気がありますが、メディア運営やエンジニア、デザイナーなどの内勤も多いので、全体としては落ち着いていますね」と宇根氏。
しかし、受け身ではない。社員には自ら考えて自主的に行動することを求めている。
「3カ月ごとに人事評価を行っていますが、その定性的な目標に自発的・自主的行動をするという項目を取り入れて重視しています」（宇根氏）
人材育成面では、新人が多いこともあり、中長期的な視野でOJTを中心に取り組んでいる。そのほか、セミナー受講や書籍購入などを会社の費用で支援する制度も導入し、自己啓発を促進している。
なお、エンジニアやデザイナーにとっては、自社メディア運営とクライアントのデジタルマーケティング支援の両方に関われるメリットが大きいだろう。先進技術は自社メディアで試して実績を積んでからクライアントに提案できるからだ。「さらに、事業運営の視点と技術的な視点の両方を身に着けてキャリアを構築できる点もメリット」と宇根氏は指摘する。
社員間の親睦を図る場として、毎月、全員参加の飲み会を実施。その狙いについて宇根氏は次のように説明する。
「当社ほどの規模でも、メディアとデジタルマーケティングの事業に分かれると、普段両事業を超えての接点がない社員が出現します。そのため、全員のコミュニケーションを促進させるために全員参加としています。別にお酒を飲まなくても構いませんが、普段会話する機会がない人同士、おしゃべりしてほしいと思っています」
そのほか、BBQ大会や社員旅行も行っている。
「こういうイベントをやりたいという企画案を提案してくれれば、会社で費用負担の検討をします」（宇根氏）
そんな同社が求める人材は、素直で謙虚、前向きな人。
「ITや不動産の業界は動きが速いです。素直でなければその変化を受け止められず、取り残されてしまいます。最重要の資質ですね」と宇根氏。
強みのある領域に立脚し、2020年に向けて次なるステップへの成長を目指す同社。転職先として要チェックの存在といえるだろう。