株式会社BRAVO

フィールドプロモーションや新製品発表会、コンベンション、ショー、消費者キャンペーンなどのイベントを中心に、ポスターなどのデザインやプレミアムグッズの手配を含めた総合セールスプロモーションの企画・制作を手がけている、株式会社BRAVO。大きな話題を呼ぶような、斬新でユニークなプロジェクトを得意としている。主な実績は次のとおりだ。

●MTG×Cristiano Ronaldo
クリスティアーノ・ロナウド選手が頬に美容ローラーをコロコロさせた記者会見が話題となった。美容器具メーカー・MTGの新ブランドの広告キャラクターとして起用された同選手がプロモーションのため来日した際、その新商品発表記者会見をアレンジ。
●UNIQLO FASHION FES
ユニクロが表参道ヒルズで開催した初のファッションショーの企画から実施までを手がける。ファッション雑誌10誌とともに表参道ヒルズを3日間ジャックし、延べ9万5000人を動員。
●ポカリスエット「ルナドリームプロジェクト」
メッセージを詰めた缶をロケットに乗せて月に届けるという同プロジェクトの出展ブース（六本木ヒルズ・テレビ朝日内）づくりや運営を担う。
●パイオニアSmart Loop「トカチの地上絵」
北海道・十勝地区浦幌町の牧草地に、幅1kmに渡って「Smart Loop」のロゴの地上絵による“世界最長の広告”を作成。衛星写真も撮影する。同時に、同町の住民約1000人を招いて町おこしイベントも開催。
●ネスレ　エアロスケートリンク
丸ビル（東京・丸の内）のイベント空間「マルキューブ」にスケートリンクを開設し、浅田真央選手を招いて「ネスレ エアロ」とのコラボレーションイベントを実施。以来、赤坂サカスやミッドタウンなどでリンクが開設される走りとなった。

これら数多くのプロモーションイベントのほか、2008年のF1世界選手権の日本グランプリの制作・運営や、東京オリンピック招致活動のIOC運営委員会に対するサイトビジット運営、FIFAワールドカップのパブリックビューイベントなどのスポーツ系イベントも手がける。

さらに、国土交通省が運営する「住宅エコポイント」の立ち上げから関わり、事務局の運営業務を受託。“一発勝負”の広告プロモーションだけでなく、安定継続的な事業の柱も確保している。

同社の受託先は、主に株式会社電通、株式会社アサツー ディ・ケイ（ADK）および両社が対等出資して設立した株式会社ドリル。依頼を受け、アイデア実現の裏取りをして企画書にまとめあげ、受注後に実現させるまでを担うのが、BRAVOの主な役割だ。

「最初にそういった企画をなんとかカタチにしてから、次々にその手の企画を頼まれるようになり、いつの間にか得意になっていました（笑）。突飛なアイデアを実際のカタチにするのは簡単なことではないので、重宝されているという感じですね」と2007年に同社を創業した代表取締役の田中守氏は言う。

同業を経て独立、35歳でBRAVOを設立する。それまでの間に、現在の受託先である電通やADK、ドリルのメンバーと人的ネットワークを構築。創業以来、これを財産に事業を展開し順調に成長を続けている。

「いろいろなクリエイターなどが集まるような場づくりを手がけたいと思っています」と田中氏は意気込む。

同社の社員は約20名で、受託先からの依頼は田中氏を含め5名のプロデューサーが受けている。それを残りのメンバーを適宜アサインしてプロジェクトチームを構成し、業務を進めるという運営スタイルだ。全プロジェクトの進行状況や予算などの管理は田中氏が担っているが、それ以上に組織化し管理することは一切、考えていない。スケジュールやクオリティの管理は、すべて個々のディレクターに任せている。その理由について、田中氏は次のように説明する。

「過去経験した2社で、組織化の弊害をいやというほど見てきたからです。この業界は、経験を積むと仕事は個人に付くようになります。そこを組織化すると、社内対立や分裂、離反の原因になります。ですから当社では、それぞれが実力を最大限発揮できるよう、自由に業務を手がける“個人商店の集まり”的なゆるい集合体にしているのです。そして、むしろ独立を奨励したいと思っています。出資にも応じて、ホールディングス的にゆるやかな企業グループを広げていければいいですね」

その対象はセールスプロモーション業務に限らない。今後展開していく予定の音楽スタジオや飲食店も含まれる。
「例えば社員が何かのショップを出したいというのであれば、資金を出して一緒にやれればいいと思っています。ですから、新たに入社する人には、やってみたいことを共有し、本業のかたわら夢の実現に少しでも協力していきたいと考えています」（田中氏）

そんな同社が求めるのは、独立志向があるような自立型の人材。経験は問わない。
いずれ独立することを考えている人とは、ぜひ夢を共有しいっしょに実現を目指したいと思っています。ぜひ一度話をしに来てください」と田中氏は呼びかける。