株式会社ミクセンス

企業の業務システムの開発を手がけている、株式会社ミクセンス。2014年8月に設立されたばかりの新鋭である。「5年以内に自社サービスを開発する」というビジョンに向けて取り組みをスタートさせたところだ。
同社を創業したのは、代表取締役の星野淳一氏と取締役の菊池悠也氏のコンビ。
星野氏は、システム会社にエンジニアとして3年間勤めた後、2006年にフリーランスのエンジニアとして独立する。

「フリーでやっていくには、技術力や信頼性などが人一倍勝っていなければ仕事を獲得できません。その点、意欲的に取り組み、末端のプログラマーからスタートして、8年間で数十名ほどの混成チームのプロジェクトマネージャーの位置までステップアップしてきました」とこれまでの歩みを説明する。

菊池氏は、同社創業前は2社のシステム開発会社でエンジニアとして勤務。不動産、金融、空港、医療サービスなどさまざまな業界の業務システム開発に携わった。
「特に力を発揮できたと思っているのは、炎上しているプロジェクトに助っ人として入り、体制を立て直して完遂させるというミッションです。経験は豊富ではないかと自負しています」と菊池氏。そして、オリジナルの面白いサービスをつくろうとフリーランスとして独立し、アプリの開発などを手がけた。

そんな2人は、ある開発現場で知り合い、同い年ということもあって意気投合する。
「星野から『一緒に面白いことをやらないか？』と誘われて合意しました。自分一人では限界があると感じていたからです。その開発現場で、僕は星野の評判を、星野は僕の評判を聞いていて、お互いに信頼できる相手と思っていたことが大きかったですね」と菊池氏は同社創業の経緯を説明する。

現在は、7名のメンバーで①大手通信キャリアのマスター管理システム、②中古車輸出企業の海外向けECサイトの構築および社内基幹システムの構築という2つの現場を手がけている。

①は、星野氏が同社設立前から13年、②は菊池氏が15年間にわたって、それぞれ携わってきたプロジェクトである。いずれも、立場は会社員⇒フリーランス⇒自社設立と変われど、クライアントから引き続き参画を要請されてのことである。
「大手企業のプロジェクトなどをこれだけ長きにわたって依頼され続けているということが、我々の信頼性をよく表しているのではないかと思っています」と菊池氏は胸を張る。
これらのほか、いくつかの案件の引き合いが入っており、エンジニアの増強が急務の情勢だ。

そして、星野氏らは現在の客先常駐から、持ち帰りでの受託開発、そして自社独自サービスの開発運営というステップアップを計画している。自社サービスは5年以内には第1弾をリリースしたい考えだ。
このために、定期的に自社サービスを考えるミーティングを開いている。
「ITという枠を設けると、できる・できないという技術論に陥ってしまいがちになるので、あえてITサービスという枠をも設けず、各自がやってみたいと思うサービスのアイデアを出し合って検討しています。いろいろ面白いアイデアが出ていますね。実は、“ミクセンス”という社名は、全員の思いや考えを合わせて会社を一つにしていく“Mix-Sense”というコンセプトから名づけました。このミーティングは、そんな当社の象徴的な場になっています」と星野氏は力を込める。

自社サービスを通じて、何を実現したいのか。星野氏は次のように言う。
「例えば、“世の中を変える”ということは、一人ひとりのエンジニアの自己実現が集積した結果だと思うのです。一人ひとりが、『こんなことができたら便利だ』『自分はこれがやりたい』という思いを実現させることで、結果的に世の中に貢献できると思います。当社は、エンジニアがそんな思いを実現させるプラットフォームにしていければ、と考えています」

星野氏、菊池氏とも開発プロジェクトの経験が豊富で、マネジメントの実績もある。若手が入社しても、既存プロジェクトメンバーの一員として加わり、OJTで学び経験を積んでいくことができる。

また、その経験を活かし、現在、星野氏自ら指揮を執り、
一つ目の自社サービスについて開発段階に進んでいます。

前述のとおり、同社は“全員参加”が運営ポリシー。「会社の売り上げなどの目標設定や進捗状況、さまざまな対策などのほか、福利厚生などの諸制度も全員で話し合って共有していきたい」と星野氏は言う。現に、自社サービスだけでなく、こうした諸制度も話し合うミーティングも開いている。

社員の親睦を深めることも、会社が一つになるために不可欠だ。このため、設立してすぐみんなでフットサルのチームをつくり、月1回は楽しんでいるという。
「たまたまサッカーが好きなメンバーが多かったからです。フットサルだけでなく、ボウリングやダーツなど、みんながやりたいというプログラムを考えて積極的に楽しんでいきたいですね。飲み会だけでは飽きてしまうので」と星野氏は笑う。
そんな同社が求めているのは、若くてバイタリティに溢れる人材。能動的に動ければ、大抵のことはクリアしていけるからだ。また、“Mix-Sense”がコンセプトであるので、“自分らしさ”や“個性”を発揮したいと考えている人。

「こんなことがやりたいという思いを一つ持って、ぜひ当社にアプローチしていただきたいと願っています」と星野氏は期待を寄せる。
大手SIerや古い体質のシステム会社で、やりたいことができずにくすぶっていると感じている有為の人材は少なくない。そんな人にとって、これから会社をつくっていく段階の同社は、思う存分やりたいことを実現させていけるチャンスがあるといえるだろう。