和から株式会社

「数学にできることは、もっとたくさんあると思う。
数学の面白さをもっと多くのひとに知ってもらいたい―――」
これは大人のための数学塾・統計塾（個別指導・少人数講座）を運営している、和から株式会社の想いである。

同社では公式を覚えて無機的に解を導いていく数学ではなく、日常生活で役に立つ数学を、どうすれば問題が解けるのか考える力を様々な人に教えている。そのため、改めて数学を学びたいと思っている人、仕事で数字を扱うことになった人、苦手なものを克服したい人、子供から大人まであらゆる人が、和からを通じて数学に触れることができるような指導を行っている。

同社の代表取締役の堀口智之氏は、小さなころから数学が得意で、2010年1月に大人のための数学塾を始めた。

「学生時代、数学でなんでも解決できると思っていました。そんな偏った考え方だったので、周りにうまく溶け込めず、すべてがうまくいきませんでした。15種類以上の職を経験するも、何をやりたいかが分からず、みじめさを感じる毎日。何より、自分を認めてくれる場所がないことが辛かった。それで『一人一人が輝ける場所を創りたい』という想いから、大人のための数学教室を作りました。輝ける場所はどこでもよかった。それがたまたま得意な数学だったということ。だから、会社を大きくしたいというより、輝ける場所をたくさん作りたいと思っています」（堀口智之氏）

設立当初は20名だった月間利用者数は、3年で350名を超えた。現在は「数学」というフィールドから、新しく統計やデータ分析へと広がっている。
大人になってから数学をやり直したいと思っても、 社会人に合わせた授業を出来るところはほとんどない。そのニーズに応えることができる、数少ない事業を手がけている。

授業数は、年間で4000回以上実施。また個人授業を主流としながらも、企業研修や少人数講座を始めるなど、多方面へ拡大している。

「数学好きが、お客様の『分からない』にどこまでも寄り添う。目の前の方が分からないのは、自身の数学が不完全だからです。だから必死になって勉強し、どう説明したら目の前のこの人は世界を広げることができるのか考える。それが楽しみでもあるんです。営業、転職を目指している方、証券、経営者から、お医者様、大学の講師、この方を和からで教えるの？という実力者まで、和からの門をたたきます」（堀口智之氏）

社名の「和から」というのはユニークで、一度聞いたら忘れられない名前だろう。「“わから”ないを大切にする場所。どんな難しいことも、「和」から、つまり足し算から学ぶことができる。基礎の基礎から、その気持ちに寄り添って、学ぶことができる。「わからない」から、和から共に、和みながら学んでいこう」。
そんな想いが込められているという。

同社のサービスの特徴としては、生徒一人一人、あるいは企業一社一社に合った指導を行っているので、満足度が非常に高い点が挙げられる。講師には、数学に詳しい・専門性の高いメンバーをそろえている。
「塾では教えることの出来ない、楽しい数学を教えたい！」
この理念に共感していただいた先生方が、自然と集まり、なかには、「報酬なしでもお願いしたい」と言ってくれた方もいたそうだ。 心から楽しそうに数学を学ぶ生徒と、活き活きとする講師。どちらからも「ありがとう」「救われました」など、感謝の言葉がいただけるのも、この仕事の醍醐味だろう。

「数学を得意とする方は、コミュニケーションが苦手と言われますが、その中でも、お客様ときちんとコミュニケーションが取れる人材のみ採用しています。多業種の講師に在籍いただいているので、お客様の特殊な仕事分野まで対応できています。数学オリンピックメダリスト・数冊の書籍を出している先生など、数学に精通している講師が在籍しています。私たちは『数学界のコンシェルジュ』を目指しています。そのため『社会人として恥ずかしくないスタッフでいる』というプライドを持ちつつ、いつでも和やかに、お客さまが入ってきやすい雰囲気を保つようにしています。数学教室でありながら『なごむ』場所であることを心掛けています」と堀口氏は説明する。

また、企業の理念については、「普通の企業でやっていることをここではやらない」という思いを持っている。
「我々は、売上を飛躍的に伸ばし、上場したり、自社ビルをつくったりしたいわけではありません。目の前のお客様から教えていただく『和から』の魅力を存分に生かし、今まで誰も思いつかなかった手法でわいわい言いながら数学を広げていきたいのです」（堀口智之氏）

そのため、和から株式会社では、以下の4つの"やらないこと"を掲げている。

1.売上だけを目的とした成長　
2.短期的な利益を追究する
3.強みを生かさない分野への参入
4.成長しない　変化しない　傲慢な姿勢

企業風土としては、数学がわかる人でも、わからない人でも、お互いを尊重する雰囲気がある。組織もフラットで、上司・社長に提案・改善しやすい体制を整え、メンバーの特性を生かして柔軟に変更している。

同社は2011年の設立以来、少数精鋭での組織運営を行い、急速な成長を続けている。 キャリアアップ思考の方や企業のニーズの変化により、数学が改めて見直されていることもあり、お客様からのお問い合わせが増えているのだとか。そのため、今回和から株式会社に参加する新たなメンバーを迎えたいと考えている。

和からでは、以下のような資質を持った人を求めているという。

・「すべては自己責任」と考えることで、成長し続けることができる人
・広い視野を持って学び続けることが出来る人
・変化や成長のプロセスを楽しむことが出来る人
・多様な価値観を認めることが出来る、柔軟性が高い人
・出会うすべての人々に感謝していただけるような素晴らしい人間性を持つことができるよう努力し続けられる人

「事業を継続する上で儲けていくことは非常に大切なことは言うまでもありません。しかし、数学は二の次で、ビジネスの拡大のことしか考えない方、口出ししかしない方はいりません。数学を大切にしながら共にアイディアを出し合い一緒に手を動かしながら協力しながら楽しめる仲間を探しています。講師もスタッフも志が高い方ばかりです。この新しいビジネスモデルに果敢に挑む“楽しむ”好きが集まっていますので、やる気のある人にとって、やりがいと成長が見込める会社です」

最後に和から株式会社の今後について堀口智之氏聞いてみた。
「現在は、企業研修にしても、書籍の執筆についても、依頼された仕事が中心となっています。今後は数学ひいては教育全体の可能性を広げるため、現在の業態に固執することなく、新しいアイディアでこれからの新しい教育を創る。『考える教育』を作り上げていきます」