株式会社ロードマップ

SEOにおいて確かな技術力を持ち、急成長中の注目企業である株式会社ロードマップ。代表取締役の石川真実氏は元々放射線技師として働いていたが、アフェリエイトの経験から、インターネット業界に興味を持ち7年前にSEO技術者に転身した。業界大手のSEO会社を3社経て経験を積み、2012年8月にロードマップを設立した。

同社が急成長を遂げている背景には、「口コミ集客」の多さがある。

「実際に取引をさせてもらったお客様から、『知り合いを紹介したい』と言われて話を聞きにいくことが多いですね。また、口コミなどの情報をきっかけに、自社サイトに直接お問い合わせをいただくケースも増えています。現在は代表の私が会社運営をしながら、営業やクライアントとの交渉・見積もり作成、技術面でのサポートやフォローなども行っているので、とても追いついていない状況なんです」。

そう語る代表の石川氏。上場企業とも直取引をしており、口コミや紹介の比率が高いことからも、その技術力の高さがお分かりいただけるだろう。そして、その技術力の高さは売り上げにも如実に表れていて、設立2年目は1年目の倍増となっている。しかも社員数は変わらずでだ。

「多くのSEO会社が成果報酬から固定報酬の仕組みに変わっていく中、弊社は完全成果報酬型で、検索ワードで10位以内に入らない限り費用は一切無料という、成功報酬制のSEO対策プランをご提供しています。弊社の上位表示力を実際に見てもらい、それを評価していただいたからこそ、継続取引に繋がっているのだと自負しています」（石川氏）。

現在の取引先は約70社。上場企業など大手企業も多く、業界を問わず幅広く取引を行っている。にもかかわらず、社員は全部で4人。デザインと被リンク対策を担当するスタッフのみということで、少数精鋭の集団である。

そんなロードマップの強みについて、石川氏は以下のように語っている。

「現在、我々は自社サイトも含めて約500のサイトを管理しています。それぞれのサイトをよく見て、上位表示できたサイト群、できなかったサイト群、変わらなかったサイト群の3つに分けて個別に細かく検証しているんです。実際の動きをもとに、なぜ下がったのか・どうすれば上がるのかを検証し、様々な対処に取り組む。これによって、『机上の空論』ではない、最適な提案が可能となっています。また、少数で運営してることによりそのあたりの動きの速さ、リカバリーのスピードも強みかもしれません」（石川氏）。

また、技術者として経験を積んだ石川氏が自らクライアントへのヒアリングを行う点も、強みの一つといえそうだ。

「上がるサイトと上がらないサイトは、事前にある程度分かります。我々は『上がるはずなのに上がらない、いいサイト』を見極め、確実に結果を出すことで、成果報酬につなげています」。

検索エンジンの精度が上がる中、従来のやり方は日に日に通用しなくなっている。より”中身のコンテンツが充実して、いいサイト”を上位表示させることが、検索エンジンそのものの価値を上げることにおいても意味があり、ユーザーにとっても有意義なのは間違いない。それを踏まえたうえで、クライアントとロードマップが力を合わせ、真剣に取り組むことでお互いの利益を上げていこうというのが、同社の理念の根底に流れる「ロードマップ（目標を達成するための図表）」なのだ。

さらに加えるならば、多くの他社が安い海外サーバを使用しているなか、ロードマップは国内IP分散サーバーの使用にもこだわっている。海外サーバだと動きが遅かったり、不具合も多いためだ。また、当然SEO施策は全て自社内で行っている。現在保有するドメイン数も、1万5000を超えている。

今後の事業展開については、石川氏はかなり具体的に構想をまとめている。

「多くの場合、SEOは上げたら終わり、もしくは、見込み顧客を集めたら彼らをどこかに紹介するだけでしょう。その中で我々は、ロードマップが持つ集客テクニックを生かして集めた見込み顧客を、業務提携先の事業の発展につなげていくことを考えています。その第一弾として予定しているのが、保険代理店との提携です」（石川氏）。

具体的には、保険の相談をしたい人をウェブを通じて集め、彼らを提携先の保険代理店とマッチングさせ、ＦＰなどの専門家に直接相談できるという、ネットとリアルを融合させた仕組みだ。保険会社の営業が苦戦する見込み顧客の集客を、ウェブを使って容易に実現できるからこそ、ビジネスチャンスは大きく、売り上げ予測も立てやすい。

「実は、我々が重視しているのは、より深い検証ができるのではないかということです。提携先と連携することで、アクセス数や売上への影響といったコンバージョン率や、どのようなキーワードを使って検索したかの解析など、あらゆる検証が可能です。SEOのみならず、リスティングやアフィリエイトなどの広告展開もしていきたい。こうしたウェブマーケットについていろいろと試せる面白さはあるでしょうね」（石川氏）。

まずは1年で保険分野で実績を作り、軌道に乗せたら、その後は住宅のリフォームや車の販売など、次の分野に応用していく予定だ。

このように事業の幅を広げていこうと考えている石川氏だが、「ロードマップ単体については、むやみに人数を増やして拡大化させるつもりはない」と言う。具体的には、少数精鋭のメンバーを固めたら、規模を大きくするビジネスではなく、「仕組みを作り、それをうまく使っていくビジネス」で勝負していこうと考えている。

「少人数でいく分、社員教育にはしっかり力を入れていきたい」と石川氏。

既にクライアントの協力のもと、専門家を講師に呼んで勉強会を実施したり、取引先の手伝いといったかたちで社員研修を行うなど、幅広い知識を現場で教われるようなプログラムを取り入れている。また、本人の希望に添うかたちで、外部セミナーが受講できたり、本や雑誌などの専門書の購入も会社が費用負担している。

「社員のレベルが上がっていけば、会社の成長にもつながっていくというのが私の考え方。学びたいのであれば、積極的に協力します」（石川氏）

その他、サポートという点では、会社負担によるオフィスコンビニの充実、毎月行う交流会も。1年目から社員旅行を実施するなど、社員に対する思いは強い。「会社が成長したら、その分はきちんと社員にも還元したい」と語る石川氏の言葉が印象的だ。

高い技術を要するSEOという分野の第一線で成長できる面白さはもちろん、得た知識を元に事象を分析し、新しいビジネスモデルにつなげていく面白さは他では味わえないものだろう。少数精鋭の一員になれるチャンスを、逃してはいけない。