規制緩和による手数料の自由化や、ネット証券など競合企業の参入で、急激に変化しつつある証券業界。変化が常態化し、過去の成功モデルをそのまま当てはめてもうまくいかぬ、たとえ優良企業であっても優良で居続けられるかどうかが問われてくる時代。そんな中、ひとつの「思い」を全社員が共有し、この新時代に立ち向かおうとしている証券会社がある。<br /><br />取締役社長 森山 治彦氏の率いる、コスモ証券株式会社。いわゆる「失われた10年」を経て、企業論理を中心に社会が動いていた時代は去った。これからは「お客様に軸足をおく」ことをすべての基礎とすること、これを流行り言葉ではなく「本気でやる」ことをコミットする。<br /><br />同社もこの「失われた10年」の間に大規模なリストラを行い、苦渋を味わってきた。森山氏は、2003年6月の就任以来、「未来永劫成長し続け、社会に認められる会社になる。そのためには経営者だけが経営するのではなく、社員一人一人が主役の会社でなければならない。新しい時代の幕開けに、お客様から選ばれる証券会社になる」とのメッセージを社員の家族に手紙で伝えた後、全国全ての部署を自ら周り、社員と言葉を直接交わして語りかけている。これにより、全社で意識改革が成されたと、人事 奥田 恭三氏は語る。