日本初のインターネット専業銀行が次のステージへ進むため、体制強化へ
株式会社ジャパンネット銀行は、2000年10月に開業した日本初のインターネット専業銀行。さまざまな銀行サービスを24時間365日インターネットで展開している、元祖FinTech企業として注目を集めている。2018年2月には、当時のヤフー株式会社(現Zホールディングス)の連結子会社となり、新経営体制へと移行。2021年4月には、PayPay銀行への社名変更も控えており、新たな時代へと足を踏み出している。まずは現在の状況を、人事部長の片岡 勝氏に伺った。
「社会のキャッシュレス化は避けて通れない流れですが、当社のようなインターネット専業銀行はもともとキャッシュレスに近い世界観でした。今後は、時代の流れを上手く取り入れ、さらにお客さまを増やしていきたいと考えています」(片岡氏)
そのため、組織力をより強固なものにしていこうとしている。
「新しいサービスや、よりよいサービス作りに向けて、システム関連部署を補強するために中途採用を考えています。当社はインターネット専業銀行ですので、システムの出来がサービスの善し悪しを決めるといっても過言ではありません。そのため、システム関連が重要な戦略部署なのです」(片岡氏)
一般的に、転職者の視点から見ると、銀行は敷居が高いイメージがあるかもしれない。しかし、同社は以前から中途採用で力を付けてきた歴史があり、採用にも積極的な姿勢を取っている。
「当社は2000年に開業した銀行ですが、新卒を採るようになったのは実は10年ほど前からです。それ以前は中途採用で人財を迎え入れていました。そのため、中途受け入れの経験値は豊富です。また、主要株主のZホールディングスや三井住友銀行から、出向や転籍してきたメンバーも多く、いろいろな背景を持つ人々が集っています。会社の中核にいる人はほぼ中途採用なので、多様性を受け入れる風土ができています」(片岡氏)
「お金」に関わる社会のスピード感が早まっているなか、同社はIT力をさらに高めて、サービスの開発やリリース 、改善のスピード化を目指していく。
現在新しいチャレンジをするために、採用活動に注力していると話してくれた。
最先端の銀行サービスを作っていくことに“やりがい”が感じられる!
株式会社ジャパンネット銀行では、外部ベンダーをコントロールしながら、内製開発も行うスタイルでサービスを構築している。
「勘定系システムやインフラはパートナーの大手システム会社が担っていますが、Webアプリやスマホアプリの開発は、リリーススピードを重視するため、自前で開発も行っています。」(片岡氏)
利用者がストレスなく使えるサービスを作ることに主眼をおいているという同社。入社前に、金融の知識はどのくらい必要になるのだろうか。
「欲を言えばあるに越したことはないのですが、実ははじめはそれほど必要ではありません。サービスに関わるお金の流れの理解がまずしっかりできていれば大丈夫です。とはいえ、一般のシステムに比べると、お金を扱っているだけに、厳格さやセキュリティ面での堅牢さが求められる面はありますね」(片岡氏)
同社はこれまでインターネット専業銀行として、業界を常にリードしてきた。多くの人々の「お金」と「決済」を支える仕事に携わっているため、社員はやりがいを感じて仕事に取り組んでいる。
「なかでも、システム・IT開発部門のメンバーは、あらゆる商品やサービスに関与していますし、最先端の銀行サービスを作っていくことにやりがいを感じていると思います。部署横断型のプロジェクトも多いです。部署横断でないと仕事が進まない面もあり、プロジェクトチームに参加することでモチベーションも上がっているようです」(片岡氏)
社内の雰囲気は、やわらかく明るくざっくばらんだという。さらに2018年、体制が変わったことで風向きも多少変わってきたそうだ。
「自律的に現場から提案してアイデアを出して、ボトムアップでやっていこうという雰囲気も育ってきました」(片岡氏)
体制の改革を経て、今、同社内には“新しいことをはじめよう”という空気が上下関係なく満ちあふれている。
新しい時代に、新しいことをやりたい人が集う、最先端のFinTech環境
現在、株式会社ジャパンネット銀行の社員数は400名を超える程度。これには、インターネット専業銀行特有の理由がある。
「一般の銀行は店舗がいっぱいあって、店舗に人がいるから社員数が多くなります。当社は実店舗がなく、すべてインターネット。開発部内や事業推進部内、本部スタッフやコールセンターに勤務する派遣社員を加えても700名に満たない程度です。」(片岡氏)
そのため、会社機能のほぼすべてが東京都新宿区に集約されており“地方転勤のない銀行”という顔もあわせ持っている。転勤がないことを魅力に感じている社員も多いという。さらに同社は、拠点が一つという利を活かして、働きやすい環境作りにも取り組んできた。
「有給休暇の取得も制度を作って奨励しています。また、当社では『時間休』制度を採用していて、時間単位で有給休暇を取れるようにしています。ちょっと立ち寄りの用事があっても対応できるようにしています」(片岡氏)
また、社内の風通しを良くするため、新しい人事施策の導入もはじめている。
「全社的に『1on1』を2018年11月から導入しました。これは、上司と部下が定期的に面談する制度です。15分、20分であっても、上司であるグループ長とメンバーが面談をします。こういう場を設定することで、上司と部下のコミュニケーションを良くしようとしています。担当者が一人で問題や悩みを抱え込んで困ってしまうことがない環境にしていきたいと考えています」(片岡氏)
片岡氏によれば、悩みの解消やコミュニケーションの円滑だけではなく、上下の交流を図ることで、新しいことをはじめようというボトムアップの流れを加速しようという狙いもあるようだ。
「当社には、ハード面、ソフト面から見て、とても働きやすい環境が整っていると思います。 “新しい時代に、新しいことをやりたい”という方と一緒に、「金融サービスを空気のように身近に」感じていただける銀行を目指して仕事をしたいですね」(片岡氏)
最先端のFinTechに触れながら、新しいサービスを開発してみたいという人にとって、社会的にも注目を集めるインターネット専業銀行は、最高の活躍の場となるに違いない。