株式会社日本アドバンストシステム

五反田にオフィスを構える株式会社日本アドバンストシステムは、1978年の創業から、わずか219名の社員にして全国に4つの拠点を持ち、テレビ会議システムやインターネットを駆使して、システムコンサルティングやソフトウェア開発、SI、パッケージソフト開発、ASPサービスを提供する企業である。<br /><br />規模は小さくとも、同社は、外務省・富士通・TIS・ドコモシステムズなどのビッグカスタマーを抱える。これらの顧客とのリレーションの強さは、長きに渡り一貫して、基幹業務システムに携わり、共に成長を遂げてきたことによる。また、会社の規模の割に事業所は東京・静岡・名古屋・大阪・沖縄と4拠点にのぼり、地元に密着した営業活動を行っていることも同社の特徴である。<br /><br />そんな同社の事業の3本柱を成すのが、クレジットカードシステム、医療情報システムおよびWebアプリケーションシステム。中でもクレジットカードシステムは、日本における最大手のカード会社の会員管理サブシステム、商品管理サブシステム、請求管理サブシステムなどを創業以来約30年間一貫して手がけたことにより、豊富な経験と知識を蓄積しており、当該業務に強いアプリケーションエンジニアや優秀なプロジェクト・マネージャを多数輩出している。<br /><br />また、医療情報システムに関しては、全国各地の大規模病院において、診療情報データベースを中心に、UNIX、Windowsプラットフォームのクライアント・サーバ型システムを開発。処方箋オーダーおよび薬剤部門システム、食事オーダーおよび給食部門システム、検査オーダーおよび検査部門システムなど、多数の開発実績を持つ。

入社5年目、大阪支社でWebアプリケーションの開発を担当する吉田氏。「.net」による病院プログラムのWeb化を担当している。若手だが既に、プライム案件で設計段階から導入・教育・保守まで一貫して関わった経験を持つ。<br /><br />「設計部分は特に、なかなかやらせてもらえないところなので、とても勉強になり心に残っています。」とテレビ会議システムのスクリーンの向こうで語る。<br /><br />一方、入社11年目の野川氏は、同社での新しい組織体系である「ユニット」のマネージャとして７人の部下を抱え、大手携帯キャリアの社内データ解析Webツールと、某出版社の基幹システムの機能拡張・問い合わせ対応などに携わっている。<br /><br />若くして責任あるポジションを経験し、実力を伸ばしている両氏の活躍は、同社が早くから社員にチャンスを与える企業文化を持つことをあらわしている。<br /><br />また、同社では2005年より「クラスタードメイン」という組織体系を採用した。これは、「ユニット」と呼ばれる3人から10人の小集団を全国で20ほど形成し、それを単位とした顧客・売上管理を行うというもの。この体系では、「部・課」など縦割りの仕組みがないため、責任が明確化され、非常にフラットな組織となる。もともと大らかな雰囲気で、会長と入社数年目の社員が気軽に意見を交わしているそうだが、この組織体系により、なお風通しが良くなり、事業ごと・あるいは事業所ごとの魅力が最大限に引き出されていくことが期待されている。

同社では、インターネット回線とテレビ会議システムを最大限に活用することで、地方と東京との地理的格差を埋め、効率的に事業を展開してきた。別の観点から言うと、全国に4拠点を設けたのは、社員が働きたい場所で働けるように取り計らってきたからでもある。東京で10数年、顧客との信頼関係を築き、それを持ったまま、地元である静岡などに戻っていく。その後は、通信技術を用いて仕事を続けることで、特に支障なく業務を行っているという。<br /><br />また、ITアイランドとして注目を集め、代表取締役会長の重田氏の出身地でもある沖縄は、ニア・オフショア適地として事業を拡大するべく、人材を送りこんでいる。<br /><br />「職住設計がカルチャーとして保障されているところに、当社の働きやすさがあると思っています。」と語る同氏。会社が一方的に勤務地を決めないということも、同社の企業風土を表している。<br /><br />究極的にはSOHOスタイルでの勤務を視野に入れたコラボレーションシステム、ユニット制といった柔軟な改革の数々は、強い技術力に裏付けられた自信と、人材を大切にする企業理念に基づく。<br /><br />顧客とのリレーションを元に将来は地元で働きたいという方に最高のポジションであるが、当然、自分が仕事を作り出し管理していけなければ立ち行かない。バランス感覚があり、指示されなくても自分を管理していける方にぜひ来ていただきたいと、人事担当は語る。