コマース活動にあそびを!プラットフォーム事業「ネクストエンジン」で国内シェアNo.1
Hameeは2016年7月に東京証券取引所マザーズ市場から市場第一部に市場変更したECベンチャー。国内NO.1シェアのECバックヤードプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供や店舗運営の主力事業を始め、世界中のEC事業者をターゲットにした新規事業・サービスを次々と開発・展開している。
同社の設立は1998年。設立直後から、20万点以上の商品が揃うモバイルアクセサリー専門店「Hameeストラップヤ」をはじめ、楽天市場などの各モールや自社ドメインサイトなど30店舗以上の店舗運営を行ってきた。そこで培ったネットショップ運営のノウハウをもとに、一層の業務効率を実現するために開発されたのが「ネクストエンジン」だ。人事執行役員の豊田佳生氏に聞いた。
「売上は販売スキル・ノウハウの蓄積や店舗数の拡大により増加しました。しかし、在庫を管理し、受注を受けてから発送を完了するまでのバックオフィス業務は、楽天様、yahoo様、DeNA様などの各モールごとのシステムを使うのが一般的だったため、それぞれのやり方に個別対応しないといけませんでした。商品が売れれば売れるほど作業が膨大になるため、EC事業者としては効率よく済ませたい部分なのですが、当時はそれが実現できるシステムやサービスがなかった。ならば自社開発しようということで、2007年に誕生したのがネクストエンジンなのです」
ポイントは、現役のネットショップが開発し運営するシステムだという点。現場目線でピンポイントな課題にも迅速に対応し続けており、ECシステムとして常に進化を続けている。EC事業者はバックオフィス業務が効率化されることで、本来打ち込むべき「売り方」の部分に注力できる。主に在庫管理の部分でのミスも減り、少ない人数での運営が可能となることで、全体的な業務の効率化もはかれる。
その「ネクストエンジン」は、現在は次のフェーズへ。2013年にはAPIを公開したことで、ユーザー企業様ごとに求めるメイン機能にはない機能をアプリとして提供できるようになった。まさに「システムからプラットフォームへ」が実現した形だ。
「従来のメイン機能に加え、たとえば楽天市場の順位をチェックできる機能や、Amazon独自のFBAという販売方法に対応する機能など、必要なものを我々だけでなくパートナーと呼ばれる他社開発企業様やユーザー自身がつくって販売することが可能となりました。また、元々お客様が持っている業務基幹システムとのつなぎ込みがスムーズに行えるようになり、大手企業など、対象顧客の幅を広げることにも成功しました」(豊田氏)
また最近は、ネクストエンジンに商品のデータを登録するだけに自動的にヤフオクやBASEなどのショップに自動的に出店できる機能が追加されました。ネクストエンジンがカバーできる範囲は着々と広がっている。現在の取引社数は約4000社、登録店舗数は29,376店を超える業界No.1の受注・在庫一現管理システムとなっている。(2020年6月3日現在)
現役のネットショップが運営するEC向けシステム「ネクストエンジン」は現場目線で課題に対応し続け、常に進化を続けているという
同社のメンバーがその企画・開発を支えている。
企業Missionは「クリエイティブ魂に火をつける」
創業以来取り組んできたモバイルアクセサリーのネット・モバイル販売を行う「コマース事業」も順調だ。主要チャネルはECと実店舗への卸販売。そこに加えて自社企画商品の製造・販売も行っている。iFace等の自社ブランド商品は、特に人気が高いそうだ。
「うちの一番の特徴は、商品の企画から小売りの部分までの一通りのサプライチェーンを知っているところです。企画・卸とネット販売の両方を自社で行えるところは、実はほとんどないんですよ」(豊田氏)
現在、売り上げで見ると、プラットフォーム事業が2割、コマース事業が8割となっている。一方で、利益率で見るとプラットフォーム事業が3割、コマース事業が7割ということで、ここに同社の今後の事業展開のカギがある。
「ネクストエンジンはプラットフォーム化の影響もあり契約数が順調に伸びています。今後は、プラットフォーム事業を成長させていくことで会社全体の利益を上げていきたい。当然、コマース事業もしっかり伸ばしていきますし、そのうえでどちらの事業も膨大なビッグデータの活用により、顧客体験価値の最大化を目指していきます。」(豊田氏)
ネクストエンジンの機能拡張により対象顧客が拡大し、アプローチできる幅が広がったことで、複数のプラットフォームに跨る膨大な独自ビッグデータを所有できている。データを基にした新規事業として、滞留在庫の流通を目指す「RUKAMO」等、顧客体験価値の最大化に向けた足場はすでに固まりつつある。
「我々のMissionは『クリエイティブ魂に火をつける』。この追求のために、データを活用したユーザーと繋がりのあるビジネスモデルを追求していきたい。」(豊田氏)
Hameeにもたらす価値や成果を、行動等Value、スキル等のPerformanceの二つ観点から評価する人事制度
HameeのDomainは「happy mobileX, enjoy commerceX.」元々は社名の由来にもなっていた。
そんな同社に合う人財像について、豊田氏は次のように語ってくれた。
「組織や事業に共鳴しながら、積極的にチャレンジしていく方です。まさに携帯ストラップの販売からスマートフォンアクセサリの販売・プラットフォーム事業に軸を移していく時がそうだったように、新しいことをどんどんやっていこう、いいものは受け入れて進めていこうという企業文化こそがHameeらしさ。既成概念にとらわれず、チャレンジし続けている人がHameeを支えています」
現在の平均年齢は33歳。創業23期目を迎えてもまだまだ若い会社で、社内は活気に溢れ、元気いっぱいだ。
「一方でまだまだ未熟な部分もたくさんありますが、そこは社員同士の横のつながりでしっかりとカバーしていくんだという思いでやっています。社内においては、人の交流がとにかく盛んなんです。それはリモート可能な勤務体系となった今も変わりません。」(豊田氏)
同社では、リモートワークを可能とする働き方をいち早く取り入れた上で、リアルでのコミュニケーションも大切にしている。オフィスで実際に顔を合わせて、熱い想いをぶつけ合うことが、Missionの実現や事業成長につながっていくと考えているからだ。
そうしたリアルなコミュニケーションを促進するための施策として、本社の位置する小田原市周辺に居住する社員に手当金を支給する「小田原手当」制度や、都内などの遠方に住む社員もオフィスに気軽に出社できる制度として、「いざ!小田原」制度を用意している。まさにニューノーマルな働き方を促進している企業といえよう。
「これからのテレワーク時代、オフィスの役割は「職場」ではなく社員が集まるための「集場」へと変化していくと考えています。当社はそこでしか生まれないリアルなコミュニケーションを大切にしながら、より一体感のある組織づくりを図ってまいります。また、地元である小田原市と一緒にワークショップを行い、皆で市をよくするためにできる施策について考えたこともあります。こうした地域や外部の方々とのコラボレートにも力を入れていこうと考えています」
最後に、特徴的な同社の評価制度を紹介しておこう。それは、全社員がHameeにもたらす価値成果に基づき、絶対評価で個別の昇給上限無く、レベルアップを実感できる制度だ。全社員にフレックスタイム制を取り入れ、エンジニア等の専門職には専門業務型裁量労働制を取り入れる等、より個人の働き方に合わせて選択できるようになっているわけだ。「評価の仕方も、多様性に合わせてチャレンジしていきたい」と豊田氏。
「創業から23年目を迎え、人数は増えてきていますが、みんなにいつも話すのは『毎日がスタートアップベンチャーの気持ちでいこう』ということです。この会社をよくしたいという思いを誰もが持つことができ、それを実現できる会社でありたい。だから、『少しでも良くしたい、何かを変えてみたい』というマインドの人に、ぜひチャレンジしてもらいたいです」(豊田氏)
※取材時時点の内容となります。
Hamee 株式会社の社員の声

30代後半
2005年08月入社

30代前半
2008年11月入社

20代前半
2015年04月入社
私はシステムエンジ...続きを読む