近年にみられる石油・天然ガス需要の拡大に伴い、世界各地で深海と厳しい腐食環境での石油・天然ガスの開発が加速している。
過酷な作業環境の使用に耐えうる質の高い掘削工具の需要は増加の一途をたどり、これに対応するため、2005年に同社は生産加工子会社である日本石油鋼管株式会社ならびに中国市場に向けた生産加工子会社である PetroMaterials (Cangzhou) Co., Ltd. を設立した。
2008年には日本石油鋼管株式会社を吸収合併して和歌山事業所とし、Made In Japan を求める顧客に向けて、和歌山から世界各地へ製造を供給している。
顧客のニーズには柔軟に対応することでも定評がある同社。例えば、ドリルパイプであれば、管体のアプセットと熱処理までを和歌山で、手間のかかるツールジョイントの製造を中国で、と分業体制をとり一貫して自社工場で製造することによって、ニーズに細やかに応じながらも高品質、低価格、短納期を実現させている。
確かな製造設備と技術に裏付けされた高い品質と、そして迅速な納期対応により、同社は信頼を積み重ねてきたのだ。
和歌山事業所は、管端アプセッター、鋼管熱処理炉、摩擦圧接ライン、ねじ切りラインなどの加工設備が揃っており、ドリルパイプ、ヘビーウェイトドリルパイプの製造からケーシング、チュービングといった油井管の加工まで製造可能である。
中国河北省滄州市に位置する中国工場はツールジョイント(ドリルパイプの継ぎ手部分)のドリルパイプとドリルカラーの製造が可能である。ドリルパイプについては、2-3/8”から6-5/8”までのドリルパイプを年間7万本が製造可能である。また同工場では、丸鋼の全長熱処理炉、深孔加工マシン、長尺外削旋盤、NC旋盤等が導入されており、ドリルカラー、ヘビーウェイトドリルパイプなどを年間1万本製造できる。
海外に販路を開拓しながら、掘削工具の製造事業に乗り出した同社。信頼性の高い日本製の原材料、製造技術、品質管理システムをもって、高品質の製品を供給している。ケーシング、チュービングだけではなく、ドリルパイプ、ドリルカラー、ヘビーウェイトドリルパイプまでワン・ストップで提供できる体制こそ同社の強みといえる。