この大ヒットコンテンツを日本で展開する事が、新たに誕生するCie Games Japan社の最初のミッションである。翻訳はもちろん、日本のユーザーに合わせたさまざまなカスタマイズを行う。リリースは2011年上旬を予定だ。決して余裕のあるスケジュールではないが、参入する企業が後を絶たず厳しい競争にさらされているSNSアプリ業界において、同社はすでに世界に認められているコンテンツと、大ヒットコンテンツを生み出した企業のノウハウという二つの非常に大きなアドバンテージを持ってスタートすることになる。
Managing Directorの徳山氏は、「SNSアプリ事業のノウハウを受け継ぎつつ、いずれ日本から世界に向けたコンテンツを発信したい。そのためにCie Games Japanをやるのです」このようにビジョンを語ってくれた。
デジタルコンテンツ制作会社としての新たな挑戦
Cie Games Japanの母体となるRAY of LIGHT社について説明するには、同社代表の菅氏の経歴をたどるのがわかりやすいだろう。
2000年に発売された『New Master of Flash』という世界中の「Flash クリエーター」の作品を集め、そのデザインとコンセプトをまとめたFlashのプロによるプロのための本がある。そこにクリエーターの中村勇吾氏と共に日本人として二人だけ掲載されているのが同氏である。
そして、そこに掲載されている同氏の作品のタイトルが『RAY of LIGHT』である。同氏はこの作品で世界中から注目を受けることになる。この作品に関しては、10年以上経過した今でも問い合わせがあるというのだから、その先進性がわかるだろう。この作品こそRAY of LIGHT社のルーツと言える。
その後、同氏はショックウェーブジャパンのフルフラッシュサイトや映画「Planet of Apes/猿の惑星」のオフィシャルサイトなどを手掛けたほか、数々のFlashコンテンツの制作に携わるなどずっとFlashの最先端を走り続けている。
株式会社RAY of LIGHTを設立したのは2008年のこと。社長となった今も現役のエンジニアとして最前線にいる。同社の得意分野は当然ながらFlashの制作であるが、3Dを取り入れたモーショングラフィックスも数多く手掛けている。
Cie Games Japanは、RAY of LIGHTの社長の菅氏以下スタッフ6名に、新たに募集するスタッフを加え9名程度のメンバーで最初のアプリリリースに向けスタートを切る。リリース後は、運用のスタッフも必要になるし、さらにその後はゼロからアプリを創り上げて行くために、まだまだマンパワーが不足している。