大学院生、ポスドク、エンジニアなどの採用支援事業で業容を拡大
株式会社アカリクは、大学院生(修士、博士)、大学院出身の社会人(就業経験者、ポストドクター、社会人大学院生)、海外研究者、留学生など、自身の知的能力をビジネスのフィールドで発揮する意欲と力を持つ人材を「知的創造人材」と位置づけ、企業における採用を支援してきた会社だ。
現在では、対象を大学院生(修士、博士)やポストドクターから、エンジニア、研究者、知的財産、金融工学、データ解析、戦略(IT)コンサルタント、クリエイターなどのスペシャリスト人材に拡大し、転職支援事業も行なっている。
同社はもともと、創業者・林信長が大学院在学中の2002年に設立した広告会社である、株式会社D・F・Sを前身とする会社だ。D・F・S社で数々のベンチャー企業のブランディングに携わり、事業を軌道に乗せることに成功した林は、2006年、大学院生時代から温め続けた“大学院生に特化した人材採用コンサルティング事業”に着手。翌2007年4月にはフリーペーパー『アカリク』〔ACADEMY&RECRUIT〕を創刊し、続く2008年3月には『アカリクWEB』をスタートした。
さらに、2009年には大学院生の能力を求めるスカウト型就職イベントのサービスを本格的に開始するなど、大学院生と大学院生を積極的に採用したい企業が出会える機会と場を創出し、業容を拡大してきた。
登録理由の多数は先輩からの紹介。
大学院生と企業を結ぶ情報インフラの不在に着目し事業化
同事業のスタートに際し林が着目したのは、大学院生と企業を結ぶ情報インフラの不在である。
1990年代、「大学院重点化」によって大学院生の数が急激に増加。一方、1990年代以降のIT革命の余波を受け、日本の産業は労働集約型から知識集約型へと移行した。業種に限らず多くの企業が、大学院生が持つ知的な情報処理能力を必要とする時代となりつつある。各種コンサルティング、マーケティング、データ処理、ファイナンス、様々な分野で大学院生が活躍できるフィールドは確実に増え続けていた。
それに伴い、新たに大学院生の採用を検討する企業も増えていた。
だが、これまで日本には大学院生と企業を結ぶ情報インフラがなかった。
「社会に出て広く自分の能力を活かしてみたい」と考える大学院生やポストドクターが、能力を発揮できるフィールドを民間に見つけ出すことは、一部の企業の研究職を除けば極めて困難な状況であった。
林はそこに商機を見出したのである。
現時点では、大学院生やポストドクターに特化した採用支援を行なう会社としては同社がオンリーワンの存在だ。
それを背景に、有名国公立・私立大学、産業技術総合研究所といった独立行政法人との連携、大学研究室の一覧データベースの構築・活用、大学・大学院のことを熟知したスタッフによるきめ細かい人材サービスなどの強みも加わり、今後いっそうのサービスの拡充が予定されている。
自ら高いモチベーションを維持し、主体的・積極的に動ける人材に期待
“優秀な能力を持つ人材と、理念をもって成長し続ける企業をつなぐインフラの創出”
これが同社のビジョンである。この社会貢献性の高いビジョンの達成に向け、共に未来の社会を創造する人材が求められている。
同社が求める人物像は、社会全体にアンテナを張り、柔軟かつ臨機応変に仕事をする人材、そして社会貢献に価値を見出し、ビジネスとして成立させるために必要な行動力を持つ人材、フラットな組織の中で自ら高いモチベーションを維持し、主体的・積極的に動ける人材だ。
10年以上事業を継続することで、大手グローバル企業からベンチャー企業まで、3000社以上の信頼を得てきた同社。
ビジョンの更なる実現に向けて、同社の事業に共感を覚える新規メンバーの参画が待たれている。