株式会社お問合せポータル

国内最大級のビジネスマッチングサイト「お問合せポータル」を運営する株式会社お問合せポータル。
同社はインターネットサービス事業を手掛ける株式会社ランクスから分社化し、2008年に5月に設立された。代表取締役社長の野坂透氏は、米国の大学を卒業後、SCM（サプライ・チェーン・マネジメント）ソリューションのリーディングカンパニーであるi2テクノロジーズ・ジャパン社に入社。営業本部長など要職を歴任した後、株式会社ランクスに入社した。ランクス社では、取締役営業本部長として2007年からお問合せポータル事業に従事。今回の分社化を機に、代表取締役社長に就任した。

同社の手掛けるビジネスマッチングサイトとは、例えば「新商品のプロモーションを行いたい」、また「オフィスを移転したい」など様々な問題を抱え、外注先を探している企業の担当者に対し、最適なサービス提供企業を提案し、商談のかけ橋となることを目的とするB to Bサイトである。
ユーザー企業はこのビジネスマッチングサイトを活用することで、ネット上で容易に複数の業者を検索・比較し、一括見積依頼を送ることができるというメリットが、また、サービス提供企業にとっては自社情報を掲載することにより、新しい顧客からの問い合わせが増え、ビジネスチャンスが広がるなどのメリットがある。

現在、大手企業を中心に500社を超える企業をサービス提供企業として掲載し、400業種を超えるカテゴリーで情報を提供している同社。ユーザーからの相談数は月間1,500件を超え、業界トップ（同社調べ）の規模を誇る。

サービス開始から2年というスピードでここまでの実績を積み上げてきた「お問合せポータル」。実は、他社のビジネスマッチングサイトと大きく異なる点がある。それは、同サービス最大の特徴である「コンシェルジュ」の存在である

フランス語で「案内人」の意味をもつ「コンシェルジュ」。元々はホテルにおいて、宿泊客のどのような要望にも応える「よろず相談承り係」を示す言葉として使われてきた。しかし、顧客ニーズが多様化している現在、様々な業種で「コンシェルジュ」の存在が求められてきている。

実は、ネット上で業者の比較・一括見積もり依頼を行うビジネスマッチングサイトは多数存在しているが、ユーザーにとっては簡単に情報を検索できる一方、大量の情報の中から自社の要望に合ったサービスにたどり着くまでには、多くの労力が強いられる。しかも、「新商品のプロモーションをしたい」といった場合、営業代行会社、テレマーケティング会社、Webマーケティング会社と多種多様な業種の中から、どの業者に何をお願いすれば良いのかわからない、ということも決して珍しくはない。

同社では、「コンシェルジュ」というプロの相談員が、電話で顧客の希望内容や予算を確認しながら、無料でアドバイスを行い、同社認定の企業の中から最適な製品やサービスを提案している。例えば、上記のような「新商品のプロモーションをしたいが、どこに委託したらよいかわからない」といった相談に対しても、内容を細かくヒアリングした上で最適な手法を絞り込み、要望に合う企業を数社選択して情報を提供。その後、サービス提供会社から顧客に直接見積もりの連絡がいくよう、一括手配を行うというサービスを行っている。

これにより、顧客は適切なサービスを短時間で探し当てることが可能になる。一方で、サービス提供企業にとっても、第三者である同社のコンシェルジュが本当に商談の可能性があるものだけを引き継いでくれるので、成約の精度が非常に高くなり、大量の問い合わせに対応するなどの無駄な業務が省けるという利点があるという。

サービス開始当初は、社内リソースの限られている中小企業中心のサービスになるだろうと予想していたという同社。しかし実際は、都市銀行、一部上場のメーカー、大手外資系企業、官公庁、ベンチャー企業など様々な企業から依頼を受け、多くの商談が成約に結び付くと共に、継続的な取引へと発展し、発注側また受注側企業双方から多くの喜びの声をもらっているという。

モノや情報が溢れる現在、中立的な立場で真の価値を判断し、情報を提供してくれる「コンシェルジュ」の存在は、更に重要になることは間違いないだろう。「ビジネスなんでも無料相談所」というキャッチコピーが示しているように、「コンサルタント」とは異なり、報酬が発生せず「よき相談相手」を全うすることのできる「コンシェルジュ」という立場だからこそ提供できる付加価値があると確信する同社。
今後は更にカテゴリーを拡大し、サービス内容を充実させるとともに、新しいビジネスコンシェルジュの形を求め、真摯な取り組みを続ける構えである。

自由な発想で、世の中の役に立つサービスを生み出し続けている同社。社会貢献活動にも非常に積極的で、「お問合せポータル」への相談をきっかけに、1本買うごとに10円が日本財団の「夢の貯金箱」へ寄付されるという「夢の自動販売機」を発案。企業の社会的責任（CSR）が重視されている今、無料で社内に「夢の自動販売機」を設置、または置き換えるだけで社会貢献活動ができるという気軽さから注目を浴び、また、各種メディアにも取り上げられることで、設置台数も着実に増え続けているという。ちなみに「夢の自動販売機」から集まった寄付金は、全額NPOに寄付され、「ホスピス活動支援」「ハンセン病回復者支援」「犯罪被害者支援」「アジア最貧地域での学校建設」などに活用されている。

設立間もなく、まだ社員数も20名という少数精鋭の同社の雰囲気は非常に自由でフラット。チャレンジして失敗する分には全く問題ないという。サービスとしてはもちろん、組織としての「お問い合せポータル」も、決して今の状態が完成形ではないので、社員には常に「本当に今がベストの状態なのか？より進化するにはどうしたら良いのか？」という気持ちをもち、変化を恐れることなく、積極的な姿勢で仕事に取り組んでほしいと考えている。実際に、社内では社員のアイデアが生かされ、新たなサービスに結び付くことが多々あるという。

インターネットビジネスの最大の魅力は、スピード感をもってトライアンドエラーを繰り返しながら、最良のものを探し出せること。同社は、是非この魅力を十分に味わいながら、様々なことにチャレンジして、新しいスキームを作りだしてくれるような人材に参画してほしいと願っている。