株式会社シニアライフクリエイト

ニーズのあるところに、新しい事業の形を創出することで、雇用を生み、社会に貢献したい。そんな思いから、高齢化社会にビジネスシーズを見出し、立ち上げられたのが株式会社エックスヴィンだ。同社は1999年に設立し、高齢化社会をにらんで宅配クック ワン･ツゥ･スリー事業を開始した。これは、高齢者向けの宅配弁当のフランチャイズ事業であり、翌年から加盟店を一斉に募集。一号店を大阪、北九州にオープンさせて以来、急速に加盟店を増やし、現在は全国に約320店舗を抱えるまでに成長した。170箇所以上の市町村行政から業務委託を受け、日々、高齢者の自宅まで、「美味しい」と喜ばれる健康的なお弁当を届けている。

10年間で徐々に事業の幅を広げ、現在は宅配弁当のほかに4つの授業を展開する同社。それらを紹介すると、高齢者施設に対して数百種類の食材を届ける卸売事業「特助くん」、毎日の食生活に「お母さんの味」を添える一般向け惣菜店「福み味」、高齢者の生きがいやライフプランをサポートするサービスおよびその環境を提供する高齢者コミュニティ施設「昭和浪漫倶楽部」、食事療法中の人を対象に、たんぱく質・カロリー・塩分などを規定量に抑え、レンジで温めるだけで簡単に美味しく食べられるお弁当を提供する「健楽ご膳」だ。

「高齢者の方々が夢と生きがいを持って暮らしていけるよう『食』を基本にトータルなアフターケアプランの事業展開を行なう」という事業方針のごとく、多彩に展開する事業の数々で、着実に成長を続けている。

同社の強みは、注目される「介護」の分野において、ニーズが確実に存在し増加しているにもかかわらず、未だ参入数が少ない「食」に関するサービスをいち早く提供してきたこと。実際、多数の市町村の業務委託を受けていることもあり、高齢者専門の宅配弁当において、トップシェアを占めているという。

宅配弁当で培ったノウハウを生かした高齢者向け食材供給サービスでは、高齢者施設の配膳に関する悩みを解消し、効率的な運営を支援することに成功し、全国300箇所の施設と契約を締結した。このように、次々に関連する事業を展開できる意思決定の速さとスマートな組織体制も強みといえるだろう。

直近では、「昭和浪漫倶楽部」の例のように、食の分野に限らない事業の立ち上げにも着手しており、ますます活動の場を広げると共に、事業間のシナジー効果を上げていくことが期待される。

これらすべての根底にあるのが、「高齢者市場の総合商社」というコンセプト。様々な角度から新しいビジネスを生み出し、高齢者に貢献する仕組みを提唱したいというのだ。そして、その究極の目標は、「すべての高齢者に無料で配食サービスを行なう」ということだという。

設立から10年目の2009年、一定の市場と評価を得た同社だが、目標を目指してまだまだやるべきことが残されている。そんな中、同社の社員達は、会社を成長させ、社会に貢献するのだという強い使命感の下に意欲的に日々の業務に取り組んでいる。自分の仕事だけにこだわるのではなく、お互いに切磋琢磨して協力し合うのが社風のようだ。

2009年現在、社員数は56名。大きな組織ではないが、だからこそスピーディーに市況に反応し、新しい挑戦をし続けることができる。ある程度基盤ができたところで、これからさらに社会に貢献する会社を創り上げていく過程に参画できるのも、この時期に入社する人の特権だろう。

社会的意義のある仕事をしたいと望んでいる人にとっては、素晴らしい挑戦の場になるといえるだろう。