株式会社ラクサス

株式会社ラクサスは2008年設立のITベンチャー。社長である千葉氏が仲間と立ち上げた会社である。ECシステムのパッケージ販売を行う企業のエンジニアであった同氏は、自社サービスを開発し世に広めたいという目標に加え、エンジニアにとって働きやすい職場環境を作り提供したいという思いから起業に至ったという。現在、各種受託開発をはじめ、Webサービス・ECコンサルティング、システム構築・運用管理などを手がけている。

同社の理念は「ITで世の中を面白くする」こと。利便性はもちろんのこと、“楽しさ”や“驚き”といった実利だけに囚われない価値を付加したITの活用方法を提案すること、特に自社開発のサービスとして提供していくことが同社の目標だ。

官公庁関連と大手ECサイト関連の案件が同社の現在手がけるプロジェクトのメインである。

官公庁関連の案件である「災害支援システム」の構築は、ピーク時には100名規模のエンジニアが集結し、トータル2年を要したプロジェクト。バージョンアップが課題であった同プロジェクトでは、ユーザビリティの改善に加え、パフォーマンスを飛躍的に向上させたという。バージョンアップ前のシステムにおいて30分かかっていた処理時間を5分に短縮したという点から同社の技術力の高さが垣間見られる。

大手ECサイト関連の案件では、「決済システム」の構築や「ネットスーパーシステム」の構築を手がける。後者のプロジェクトが継続中であり、現在同社からメンバー3名が参画している。同プロジェクトでは、他企業の作ったシステムのソースコードをカスタマイズすることが同社のミッション。エンジニアのスキルやセンスが問われる業務だ。クライアント側の社員と同社のメンバーのみで同プロジェクトは進められており、クライアントからの信頼も厚い。

こうした受託開発に加えて、同社が力を入れているのが自社サービスの開発である。

1つが、「バーコードスキャンアプリ」。携帯に同アプリをダウンロードし、商品についているバーコードをスキャンすることで、商品情報をデータとして携帯に取り込めるというもの。例えば、一般ユーザがECサイトで商品を購入する際に、商品名を手打ちする煩わしさから解消されることがポイント。日用雑貨の購入といった頻繁な購買機会があるケースにおいてその利便性を発揮する。加えて、複数商品のバーコードを連続してスキャンし、商品情報をまとめて表示することが可能であるため、既存の他社アプリには無い利便性の高さを感じてもらえるはずだとシステム開発部の長倉氏は語る。

同製品のターゲットはECサイトを運営する企業。サイト運営企業が一般ユーザに対するサービスの一環として同アプリを導入することによって、一般ユーザの満足度のアップ、ひいては購買促進につながる、という筋書きだ。同じ機能である他社アプリもあるものの、一般ユーザの使用を前提としていないものや、一般ユーザ向けであっても機能と価格のバランスが取れていないものなど、顧客企業の導入ハードルをクリアしていないものが多いという。そのマーケットに切り込んだのが同社のアプリ。リリースしてからまだ日が浅いものの引き合いの声も多く、既に高い評価も得ているという。
もう1つが「リボマップアプリ」。携帯から写真や動画、位置情報、コメントをネット上の地図に簡単に投稿できる同社イチ押しのアプリだ。どこに何があるのか、どこで何が起きているのか、など一般ユーザが投稿したものが瞬時に地図上に反映され、共有することができる。災害時の情報共有やコミュニティにおける情報共有など様々な使用シーンが想定されるため、ターゲットも幅広い。これらのアプリについては今後の本格的な営業展開を練っている最中だ。

今後は受託開発も行いつつ、自社サービスの開発に重点的に取り組み、徐々に領域を拡大していくとのこと。前述のアプリが1人の社員の発想から開発まで至ったように、自ら考え、新しいサービスを生み出す意欲を同社は歓迎する。将来的には100人体制で100億円の売上高を達成するような技術力の高い社員が集まった会社を目指す。

同社は社員の自主性を何よりも重視する。

「仕事というものは『やらされている』感覚、受け身の感覚でやっていては意味が無いと思っています。能力を発揮する妨げにもなりますし。ですから、当社では受注においても利益以上にその内容を重視し、社員が納得して業務を行うことを優先的に考えています。営業で持ち帰った案件は必ず社員の意見を聞いてから受注の可否に関する最終判断をします。」（千葉氏）

社内の決め事に関しても社員の意見を聞く姿勢は一貫している。会社全体や社員に関係することは、独断で判断されることはまず、無い。「情報共有」とそれに伴う「理解」「納得」があるからこそエンジニアの働きやすい職場が成立しているに違いない。

技術力の高い中途社員に加えて2009年には新卒社員が入社し、会社としての体制の構築が着々と進む同社。さらなる成長を図るため、社員を、会社をリードしてくれる人材が必要だ。

「言われたこと、指示されたことをするだけのエンジニアの在り方に疑問を感じている方、もっと伸び伸びと、生き生きと働きたいと思っている方にぜひ応募してもらえればと思っています。当社に来れば、きっと『IT業界も捨てたもんじゃない』と感じていただけるのではないでしょうか」（千葉氏）

自社開発サービスの拡大など、未来に向けて意欲に満ちている同社。会社を育てていこうという気持ちのある方、会社の成長と自身の成長を関連づけて考えられる方にぜひ応募していただきたい。