代表取締役社長　小杉 智（こすぎ　さとし）氏 1976年5月19日生まれ。2000年、慶應義塾大学総合政策学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に進学、データベース理論、マーケティング理論、データマイニング理論を研究。同在籍中に合資会社ネクストスケープを創業。2004年、有限会社ネクストスケープ設立。2005年、株式会社に組織変更。専門領域はデータベース設計およびプロジェクトマネジメント。冗談で場を和ませるユーモアを持ちながら、IT業界への問題意識と熱い心を持つ。

学生時代、データベースを中心としたシステム構築ビジネスに目をつけたのはなぜですか。

私は、学生時代に社会学を専攻していました。その中で、膨大な調査サンプルを解析する必要があり、そのためのツールとしてデータベースを作り始めました。慶應の総合政策学部では、政治経済、倫理哲学などを学んでいましたが、それらを使って世の中を変えようとしても、すぐには効果が出ないと思っていました。ところがデータベースという技術は、ダイレクトに手ごたえが感じられた。すぐにでも世の中を変えられるのではないかと思ったのです。ビジネスに直結した重要な存在でもあるこの技術をもとに、ITの世界で起業しようと決意しました。

御社で大切にされている「技術力」と「組織力」。小杉さんの考える組織力とはなんでしょうか。

「どういうときにどう動くか」というマニュアルに沿って動いていては、機動性も悪く多様なケースに対応し切れません。サッカーにたとえるなら、技術者同士がアイコンタクトで互いに理解しあい、キラーパスが来ることを先読みしてゴールに向けて飛び込む、そういった俊敏さと、柔軟に状況判断をして対応できる力が組織力だと思います。今、IT業界では大手を中心に、プロセスが細分化され、業務コンサルと仕様設計、開発、といった段階それぞれが別々のところに発注される構造になっています。細分化されるとそれぞれのプロセスを工業化せざるを得ないため、こういった組織力は発揮できないのが問題だと思っています。 当社でも、文化の違うところから集まった人達の会社ですから、最初は大変です。しかし、だんだんと組織力を身につけていただくために、私が率先して現場を指示して意思疎通を図るようにしています。

これからのエンジニアはどうあるべきでしょうか。

リスクをクライアントに押し付けるな、分かち合う姿勢を忘れるなと言いたいですね。そもそも社会全体が、リスクをとらない方向に動いていますが、ITの世界においても同じで、「お客さん、どうしますか、決めてくれればやります」というスタンスが大手を中心に普通に見られる。私達に言わせれば、それは本質ではないんです。お客さんと一緒に考えて悩んで答えを出していく、それが結果に結びついていくんです。私達はお客さんと相談した結果、「それならこうして行きましょう」という「答え」を必ず出すのは、そういう意識の下にあります。お客さんが儲からないシステムを作っておいて、お金をもらっていいんでしょうか、そんなわけはありませんよね。 それから、当社ではエンジニアにはものすごくたくさん勉強してもらいます。自分が勉強好きなものですから。研修制度は数多くありますし、課題図書は技術書からビジネス書、大脳生理学まで色々出しますよ。

これからどんな会社にしていきたいですか。

シリアルイノベーター®としてお客様に新たな価値を提供し続けます。 ネクストスケープは、未来の技術発展を予測し応用分野を拡げ、 新たな時代に即した価値を提供しつづけていきます。一方、不確実性が増す現代においては、お客様に対する技術的価値のご提供だけでは、充分な貢献が出来なくなっていくとことを危惧しています。 そのため、ネクストスケープではSIという言葉を「システムインテグレーター」から「シリアルイノベーター®」へと再定義し、お客様と一緒に新たな価値を継続的に生み出すパートナーであり続けるための活動をして参ります。 お客様にとってネクストスケープと協同することで得られる体験価値そのものが、 当社の主力商品となることを目指しています。