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インタビュー画像代表取締役CEO 星野 亮介氏 2003年、自動車メーカーに新卒入社。グローバル・セールス&マーケティング部門で南米地域の顧客満足度向上活動を担当。2006年、証券会社へ転職。日本の自動車業界担当アナリストとして約10年間従事。2017年にヤマハ発動機株式会社へ移り、新規事業開発に携わる。2020年の株式会社eve autonomy設立にCFOとして参画。グループ関連会社で事業企画部長を務めた後、2023年3月、eve autonomy代表取締役CEOに就任。

現在の仕事をする中で、自動車メーカーでの経験が生きていると感じるのはどんなところですか?

自動車メーカーでは、グローバル・セールス&マーケティング部門で南米地域を担当しました。当時、海外では商社に任せっきりだった販売やマーケティングを自社でも見直し、世界各地でブランドや販売品質を高めていこうという動きが始まっていました。私は新人でしたが、そのプロジェクトに参加させてもらいました。 南米へ行っても、本社で会議をして終わりではありません。現地の販売店まで足を運びました。店舗がどのような状態になっているのか、勤務していた自動車メーカーがどう見えているのかを、自分の目で確認していく。入社したばかりの頃から、かなり現場に近い仕事が経験できました。 今の仕事も同じです。自動運転というと、高度なソフトウェアやAIセンサー等、最先端の技術そのものに目が向きがちですが、実際に価値が生まれる場所はお客様の現場です。工場へ行けば、路面の状態も違えば、人やフォークリフトの動きも違います。どういう荷物を、どこからどこまで運びたいのかも一社ずつ違う。 だから、資料やデータだけを見て答えを出すのではなく、まず現場を見る。この感覚は、自動車メーカーにいた頃から変わっていないと思います。現在も、開発する側がお客様やその先の現場まで見ることを大切にしています。

証券会社で培った経験は、現在の経営にどのように生きていますか?

証券アナリストの仕事は、企業の業績だけを分析していればいいわけではありません。ある国の景気や政治、為替がこれからどう動くのか。その変化によって、どのメーカーが伸びるのか。様々な情報を組み合わせながら、一つの投資判断を作っていきます。私にとっては、大きなパズルを解いていくような感覚でした。 そして、その判断を投資家へ提案します。お客様は世界の機関投資家ですから、当然、求められるレベルは非常に高い。何となく「この会社の株は上がると思います」では通用しません。なぜそう考えるのかを説明し、その判断に責任を持たなければならない。 それでも予想は外れます。大切なのは、外した時にどうするかです。なぜ予想と違ったのか。在庫なのか、需要なのか、生産なのか。事実をもう一度見直して、次の判断をする。金融の世界では、勝つこと以上に「負けをどうコントロールするか」が重要だと学びました。 当社が扱うのは自動運転です。新しい技術だからこそ挑戦は必要ですが、安全やお客様の生産に関わる以上、「まずやってみて、駄目だったら考えよう」では済みません。責任に関しては、グローバル金融と変わらないくらいシビアだと考えています。 『eve auto』はサブスクリプションで提供しているため、使い続けていただくことが重要です。できないことまで安請け合いせず、リスクを見極めた上で、お客様へ長くコミットする。その姿勢には、金融の世界で学んだことがかなり反映されていると思います。

金融業界から、再びメーカーであるヤマハ発動機へ移ろうと思ったのはなぜですか?

40歳を前に、「このままでいいのだろうか」と考えるようになったことがきっかけです。証券会社では、自動車業界担当のアナリストとして約10年間働きました。仕事を通じてトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、ヤマハ発動機等、様々なメーカーの方と接し、工場へ足を運ぶ機会もありました。 そこで改めて感じたのが、日本の自動車産業への誇りです。日本の自動車メーカーは、単に車を海外へ輸出しているだけではありません。海外の工場へ行くと、現地の方々が「5S」を実践している。ものづくりと一緒に、人材育成や仕事の文化まで世界に広げているんです。自動車メーカーでキャリアを始め、自動車業界に育ててもらいました。もう一度メーカーに入り、この人達と一緒に仕事をしたいと思うようになりました。 もう一つ印象に残っていたのが、メーカーで働く人達の姿です。金融の世界では、大きな成果を上げたことや厳しい競争を勝ち抜いたことが語られます。それに対して、私が知っているメーカーの先輩達は、自分の失敗談をよく話すんです。「若い頃にこんな失敗をした」と笑いながら、次の世代へ経験を渡していく。その姿がとても美しく見えました。「自分は将来、どういう人間になりたいのだろう」と考えた時、私はそちら側へ行きたいと思ったんです。 転職先として考えたのは、以前勤務していた自動車メーカーとヤマハ発動機でした。最終的に選んだのが、アナリスト時代からカルチャーに魅力を感じていたヤマハ発動機です。

ヤマハ発動機では、どのような新規事業に取り組みましたか?

ヤマハ発動機に入社した時は、まさか自分が新規事業を担当するとは思っていませんでした。金融の経験が長かったので、IRや財務のような仕事をするのかなと考えていたんです。ところが、「経験がなくてもいいから、新規事業をやってみなさい」と言ってもらい、ベンチャー投資やアグリテック等、様々なテーマに関わるようになりました。ティアフォーへの出資に携わったのも、入社して間もない頃です。 強く印象に残っているのが「グリーンスローモビリティ」のプロジェクトです。ヤマハ発動機が持っているゴルフカートを、過疎地域の移動手段として活用する取り組みです。実際に地域へ行き、高齢者の方々の話を聞きながら、どんな移動手段なら使ってもらえるのかを考えていきました。 当時、上司から言われた言葉が今でも印象に残っています。「ゆっくりでいい、ではなく、ゆっくりがいい。その価値を見つけるのが君の仕事だ」と。速く移動できることだけが価値ではない。オープンな車両だから会話が生まれたり、乗り降りしやすかったりする。 自動運転技術そのものを追いかけるのではなく、お客様の現場へ入り、何に困っているのかを見る。その課題に対して、自分達が持っている技術やアセットをどう使えば役に立てるのかを考える。ヤマハ発動機での新規事業開発を通じて、そういう事業の作り方を学んだと思います。

これからeve autonomyを、どのような会社にしていきたいですか?

今、会社は「eve autonomy 2.0」と呼べるフェーズに入っていると考えています。 これまでは、ヤマハ発動機のハードウェアとティアフォーの自動運転技術を組み合わせ、それをお客様の現場へ届けることで事業を成長させてきました。ティアフォーとの協業は、これからも当社にとって大切です。けれども、全国の様々な現場で『eve auto』が使われるようになり、私達自身にも工場や物流施設における自動運転の知見がかなり蓄積されてきました。 次は、積み上げた知見を自分達の開発へ戻していく段階です。これまでも、現場で車両を操作するためのUI等は自社で作ってきました。今後はFMS(フリートマネジメントシステム)のより根幹となる部分や、自動運転ソフトウェアそのものにも踏み込みたいと考えています。ティアフォーの技術や知見を生かしながら、お客様から届いた要求へ、より速く、より現実的なコストで応えられる会社にしていきたいですね。 車両の領域も広げます。現在のゴルフカートをベースとした車両だけでなく、空港のラゲッジハンドリング等、より大きな荷物を運ぶ領域にも挑戦しています。とはいえ、ラインアップを増やすこと自体が目的ではありません。お客様の現場に行き、「何を運びたいのか」「どこが困っているのか」を確認する。課題を解決するために大型車両が必要なら作る。フォークリフト等の他社技術と組み合わせた方がいいなら、一緒にやる。その結果として、対応できる領域が広がっていくのが理想です。 研究された自動運転技術を、実際の現場で働く技術へ変えていく。これまで以上に自分達で技術を持ち、現場から得た知見を次の製品へ戻していく会社へ進化させたいと思っています。

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売上数兆円規模の大企業と直接取引し、AI・データ活用を課題設定から実装まで支援するコンサルティング事業を主軸に、新規事業・プロダクトの創出にも取り組んでいます。
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