ご略歴をお教えください。
高校時代から音楽とプログラミングが好きで、大学ではソフトウェア工学を専攻しました。曲やプロモーションビデオをプログラミングしてつくるといった活動をしていました。 2004年の卒業後はSIerに入社しましたが、1年半後に大学時代の先輩から「一緒に音楽配信サービスを立ち上げよう」と誘われて、会社の創業に参画しました。ガラケー時代の当時、音楽配信はまだほとんどありませんでした。しかしながら、なかなかグロースさせることができず、アプリやWebシステム開発で売り上げを立てるようになりました。その会社では、起業や技術について学び、経験を深めることができましたね。 そして、2011年にIoTデバイス開発会社を創業しました。PC上で扱う技術領域はやり尽くされている観があった中、現実世界の中で稼働するフィジカルなモノづくりをやりたいと思ったからです。具体的には、スマートロックや農業用の定点観測カメラ、ビーコン等を設計し、モノづくりの一大拠点である中国・深圳に行って工場と交渉して製造してもらうといった事業に取り組みました。 その後、2社目となるMira Robotics株式会社を設立しました。IoTは基本的に固定的なデバイスとしてその場はスマート化させることができるのですが、モノや状況は流れています。こうした流れの中で、人間がIoTの活用プロセス同士を繋いでいました。しかしながら、日本では労働人口が減少しています。そこで、“動くIoT”が求められるようになるだろうと考えて、ロボットに着目したわけです。
ugo株式会社をどんな会社にしていきたいと考えましたか?また、現在のテーマもお教えください。
会社設立当時、労働人口が減り続ける中で、一人ひとりの生産性をいかに高めるかが課題となっていました。そこで、人はどこにいてもリモート操作によって業務を効率的に行うことができる“アバターロボット”を提供しようと考えたのです。例えば、仕事がなかったり時間的に制約が大きい地方にいても、アバターロボットにログインすれば業務ができる。真のリモートワークが実現できます。 当初は、人不足の中で万人に共通する労働は何かと考え、家事に行きつきました。そこで家事代行ロボットをリリースしたのですが、toCとしてビジネスモデルを成立させることが難しく、toBとして警備や点検、案内といった領域にピボットしました。 2021年5月に、社名をMira Robotics株式会社からugo株式会社に変更しています。“融合”からそう名付けました。「人とロボットが融合し、社会のインフラになる」ことを目指すという意味を込めています。この年に、第1弾として人型ロボットの『ugo Pro』をリリースしました。 コロナ禍となって、一般のビジネスパーソンのリモートワークは進展しましたが、エッセンシャルワーカーと呼ばれる現場を支える方々はそれがままなりませんでした。事業者側の負荷も大きかったと思います。アバターロボットならば、それを解決させることが可能です。 現在のテーマとしては、ユーザーである事業会社等の自動化ニーズの高まりを受け、フィジカルAI技術を取り入れたリモートと自動化のハイブリッドに注力しています。AIが現実を捉え、そのデータを活用してスマートにロボットを操縦する。そんな技術を追求しています。
そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いをお聞かせください。
ロボティクスは、メカやエレクトロニクス、AI、クラウド等の様々な技術と、現場の知識が複合されている領域です。これを手掛けるエンジニアは、目的に向けてどのように実現させていくかを複眼的に考え、設計、実装していくことが求められます。したがって、ケイパビリティにリミットをかけないマインドと広い視野を期待したいと思っています。 人口減少社会にあって、ロボティクス業界は大きな注目を集めており、先進国では巨額の投資が行われています。技術は急速に進化していくでしょう。こうしたビッグウェーブに乗って追求していくことほど楽しいことはないと思います。ぜひ、そんなタイミングにあることを逃さずにチャレンジし、共に成功していきたいです。 求職者の方に対しては、フィジカルAI等も研究開発している当社は、ロボティクスに関わるあらゆる最先端技術に関わることができます。加えて、大手企業とのプロジェクトも沢山あり、エキサイティングな毎日が繰り広げられています。ぜひアクセスしていただきたいと願っています!
松井代表の仕事観をお聞かせください。
当社では6項目のValueを掲げていますが、その中に“社会実装ファースト”という項目があります。私自身もエンジニアとして技術が大好きなのですが、どれだけ最先端技術に触っていても、社会に実装できなければ自己満足でしかありません。技術は“使われてナンボ”のものだと思います。一方、世の中に使われるものづくりは、決して簡単なことではありません。けれども、そこにチャレンジしなければエンジニアとしての意義はないと思っています。それがエンジニアとしての仕事観ですね。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
事業のことを常に考えているので、オフという意識はあまりないのですが、週末は10kmずつランニングしています。リフレッシュと健康づくりが目的です。走っていると、デジタルの世界から離れて考えが整理でき、深く考えることができますから、貴重な時間になっています。 また、以前からプログラミングが大好きなのですが、会社では「社長はプログラミング等をせずに社長業に徹してほしい」等と言われるので、家で趣味としてAIを相手にバイブコーディングして楽しんでいます。
