株式会社エンジニアのミカタ

株式会社エンジニアのミカタは、SES事業を通じて「エンジニアの生涯所得1億円アップ」を掲げる企業である。AIを活用した営業とマッチングの仕組み、高還元・単価連動型の給与体系、手厚いフォロー体制により、エンジニアが安心して働き続けられる環境を提供している。

創業者・田代正義氏は大学時代に起業を経験したものの、当時の事業は思うように進まず、いったん幕を引いた。ITエンジニアとして就職を考え始めていた田代氏は、エンジニアである父親から聞いたIT業界の構造的課題に衝撃を受けたという。
発注額から中間業者のマージンが重層的に差し引かれていく多重構造。その結果、スキルを持つエンジニアでさえ正当な報酬を得られず、離職してしまう現実があった。
田代氏は「このままでは日本全体の生産性が下がる」と強い危機感を抱くと同時に、「エンジニアが安心して働き続けられれば、本人にも社会にも大きなメリットがある」と確信した。旧態依然としたIT業界の構造を変え、日本の国際競争力を高めるためには「この状況を本当の意味で打開するSES会社が必要だ」と、2021年に一人でSES事業を立ち上げた。
社会的意義×自身の挑戦――その掛け算こそが、同社の原点だ。

創業当初はフリーランス支援を中心に展開していたが、2022年末から正社員雇用へと転換。エンジニアが安定して働き、長期的にキャリアを築ける環境を整備した。これを機に事業は急拡大し、営業・採用・DX等の複数部門を備えた組織へと成長を遂げる。
2023年には、会社の方向性を分かりやすく伝え、社内の共通言語にするために社名を「エンジニアのミカタ」に変更。エンジニアの価値を正当に評価し、共に成長していく姿勢を社名そのものに込めた。
2030年までに営業職250名体制を構築し、1万人規模の組織を目指している。そのスケールで、IT業界全体の待遇改善を牽引していく構想だ。

同社の展開するSES事業は、大手企業の業務系システム開発からスタートアップのフルスタック開発支援まで、幅広い分野に及ぶ。プロジェクトの規模は、数名単位の小規模チームから数十名規模の大型案件まで多岐にわたる。開発言語はJavaを中心に、DX推進やコンサルティング領域等、上流工程の案件も多く、エンジニアのスキルに応じた多様なキャリアパスが描ける。
「特にDXコンサル領域は単価が高く、エンジニアの年収アップに直結します。今後もこの領域を積極的に拡大していきたい」と田代氏は語る。

同社の最大の強みは、営業力とテクノロジーの融合にある。営業プロセス全体を自社でフルスクラッチ開発したシステムで管理し、AIを活用して全国のIT企業情報をリスト化。営業担当がそのリストを基に案件を開拓し、AIがエンジニアの職務経歴書やスキル情報を解析して最適な案件を抽出する。
「営業プロセスをDX化しているので、情報の抜け漏れがない。国内のIT企業の担当者をほぼ網羅できています」と田代氏は語る。
AIでマッチングの精度を高め、営業ごとの属人的なばらつきも減らしている。

一方で、エンジニアとの向き合い方は極めて人間的だ。
初回面談時に希望を丁寧にヒアリングし、年収アップの目標から逆算して案件を提案する。例えば「年収500万円から800万円に上げたい」という希望に対して、必要なスキル・案件内容・ステップを具体的に提示する。
さらに、アサイン後も1週間、1カ月と定期的にフォローを行い、キャリアの方向性を共有する。
「AIの良さと人間の良さをハイブリッドに生かす。キャリアの最適化とミスマッチ防止、その両方を徹底しています」と田代氏は言う。

さらに、同社の還元率83%という数値は、業界でも突出している。契約単価に応じた単価連動型の給与体系を採用しており、スキルや成果が正当に収入へ反映される仕組みだ。
「高還元を維持できる理由は、強固な資本基盤と業務DXによる間接経費の大幅カット、そして株主の紹介によって大手企業から直接案件を受注できる体制にあります」と田代氏は語る。
さらに、チーフやリーダー等のポジションごとに個別評価を行う制度も整備されており、スキルアップと収入アップを同時に実現できる環境が整っている。

AIで効率化を進めながらも、エンジニアとの関係づくりはあくまで人の力で。
還元率83%・単価連動型の明確な給与体系、AIによる最適な案件マッチング、そして、人が向き合う営業と手厚いサポート。この三本柱が同社の強さを支えている。

現在、同社は営業部・採用部・管理部の三部門で構成されている。
営業部がクライアント開拓と案件提案を、採用部がエンジニア採用を担い、管理部の下に設置されたDX推進チームが自社の営業システムや業務効率化ツールの開発を進めている。事業成長のスピードに合わせて組織を拡張し、それぞれが高い熱量を持って連携している。
社内に浸透するのは「目標から逆算して合理的に考える」という姿勢。合理性を軸にしながらも現場は活気に満ち、圧倒的なスピード感と情熱がみなぎる。

ワークライフバランスの面では、エンジニアと内勤スタッフの働き方を明確に分けている。
エンジニアの稼働はSES契約における1カ月の想定時間140～180時間を目安に設計しており、残業は月20時間以内を目標に、平均7時間程度に抑えられている。
一方、内勤スタッフは「エンジニアのミカタであるために」始業前や終業後の相談にも応じる体制を整えており、その熱量が組織全体の推進力になっている。

また、同社には決まった帰社日が存在しない。
「帰属意識は“なくてもいい”と考えています。エンジニアにとって大切なのは、自由に相談できる関係性です」と田代氏は語る。
チャットツール等を活用したオンラインでのやり取りを中心に、希望者向けの交流会やスキルアップ講座を定期的に開催する。自由に出入りできるコミュニティが、エンジニアの安心感を生んでいる。

さらに同社は、SES事業にとどまらず、AI時代を見据えた新たな挑戦にも踏み出している。
AI技術を活用したシステム開発を進めており、将来的にはAI×BPO事業や、AIドリブンのDXコンサルティング、BPaaS（Business Process as a Service）モデル等、新たな柱となる事業領域を構想している。
田代氏は次の展望を語る。「本気で生涯所得1億円アップというビジョンを実現するための施策を打っています。SESだけで完結するつもりはありません。株主とも連携しながら、AIと人の力を掛け合わせた新しいビジネスを次々と仕掛けていきます」
例えばAI×BPO事業の一環として計画を進めている数千人規模のAIコールセンターでは、AIが一次対応を担い、人が二次対応で価値を発揮する。そんなAIと人間が共創する新しいモデルを通じて、より多くのエンジニアが活躍できる舞台を広げていきたい考えだ。
エンジニアとしての市場価値を高めたい、または新規の事業領域に本気で挑戦したい。そんな思いを持つ人は、ぜひこの場所で希望を叶えてほしい。