取締役　峰﨑 尚高氏

ご略歴をお教えください。

1987年に大学を卒業し、大手総合商社に入社しました。発電所以外のインフラプロジェクトを扱う部門に配属され、旧ソ連および東ヨーロッパ地域を担当する営業を、足掛け38年間手掛けました。その間、モスクワに4回赴任し、最後はカザフスタンのアルマトイに赴任し、2025年3月に帰国して定年で退職した形です。 定年までサラリーマンをやり切った感がありました。けれども、まだ気力も体力もあり、次は純粋に社会貢献に身を投じたいと思ったのです。そこで、退職後は日本で気候変動問題かヘルスケア領域のどちらかに関わりたいと考え、アルマトイで悩みながらも情報収集していたのですが、人づてで当社にポストがあることを知りました。当社ならば、願っていた社会貢献性の高い仕事ができると考え、応募したという次第です。

現在のミッションをお教えください。

経営ボードの一員として、主に人事管理系を管掌する立場ですが、前職経験を生かせる営業もカバーしています。特に、ヨーロッパ市場に当社の製品を売り込むミッションを担っています。 当社が力を入れて販売していく携帯型遺伝子検出システム『GenPad』は、先行してヨーロッパで医療機器としての承認を取得しています。この製品を取り扱ってもらうべく、当地の代理店ルートを探して営業しているという状況です。 海外での営業を40年近く経験してきたとはいえ、インフラと医療機器では全く異なります。特に当社の製品は“Point of Care”と呼ばれる、その場で感染症を検査・判断し、治療に繋げるためのニッチな市場で、専門性の高い代理店を見つけ出さなければなりません。もちろん日本とは時差もあり、そう簡単には進められません。 しかしながら、この製品は人を感染症から救う社会貢献性が極めて高いものであり、それを世の中に広めることに大きな意義を感じています。相手はヨーロッパでもアフリカでも同じです。どこであろうが早く出して、価値を発揮させることを楽しみに取り組むことができています。 一方、主管である人事領域では、専門性の高い分野における技術系社員の採用と定着が最大のミッションであり、そのための課題解決に取り組んでいるところです。

株式会社ダナフォームをどんな会社にしていきたいと考えていますか？また、そのために社員に対して期待することや、どう活躍してほしいかといった思いをお聞かせください。

つい最近、コロナウイルスがパンデミックを引き起こしたことは記憶に新しいですが、世の中には130種類ほどの感染症があると言われています。医学界等と連携を取りながら、撲滅すべき感染症の優先順位を決め、その病原体の検出や診断を速やかに行える製品を開発し、社会に提供していくことが当社の最大の使命ではないでしょうか。 そのために、会社としての目標に向かって各自がそれぞれの持ち場で最大限できることを追求してほしいと思っています。ただし、縦割り的に自分のミッションだけに取り組めばいいわけではなく、会社を一つのチームとして情報を共有し、相互に連携し助け合いながら進めることが重要です。 そして、開発・提供した製品が世の中に貢献している状況をぜひ身近に感じ取って、意義や価値を実感してほしいと思います。そんな仕事が人生を豊かなものにすると確信できるからです。 求職者の方へのメッセージとしては、当社の環境を利用してスキルアップ、ステップアップを果たしていただきたいということです。理化学研究所発ベンチャーとして、世界最先端とも言える遺伝子解析領域を手掛ける当社は、まさしくトップレベルの知見やスキルを得るチャンスがあります。当社で市場価値を高められれば、キャリアビジョンも広がるのではないでしょうか。そんな観点ででも、ぜひアクセスしていただきたいと願っています。

峰崎さんの仕事観をお聞かせください。

サラリーマン時代は、担当地域のニーズを把握し、それに応えるべく提案を行い、採用され、プロジェクトを通じて貢献できることが喜びでした。一方、そうした仕事を通じて評価され、待遇や地位が上がっていくことが大きなモチベーションにもなりました。 しかし、サラリーマンとしての仕事をやり尽くした今は、そうした思いはありません。今の仕事は、すなわち社会貢献であると思えています。社会に貢献できることそのものが最大の喜びとなっていますね。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

16歳になるメスの柴犬が家族の一員です。この犬は、モスクワに赴任した際も一緒でした。それが人間でいえば110歳を超える高齢となり、目が見えずやっと歩ける状態で、おむつをしています。私が在宅の時は、もっぱらこの犬の世話をして過ごしています。16年も一緒にいて癒してくれたことの感謝の気持ちで一杯です。 それ以外は、健康づくりを兼ねて、趣味のランニングをしています。