アドバンスド・ソリューション株式会社

『Microsoft 365』『Power Platform』『SharePoint』といったMicrosoft製品の高い技術を強みに、企業の業務効率向上やコミュニケーション活性化をサポートするアドバンスド・ソリューション株式会社（通称：ADS）。2012年に、代表の及川紘旭氏が中心となって創業した独立系SIerだ。

実は及川氏、2007年から15年にわたってMicrosoft社認定のMVPに選出されてきたという異例の功績を持つ。外資系企業を含めるSIerの4社を経験する中で、Microsoft製品に可能性を見出し、その技術を一心に追求してきたのだという。

及川氏に創業の経緯を尋ねると、このような答えが返ってきた。
「総じて言えば、自分が“ここだ！”と思えるような企業が他に見つからなかったからです」

一体どういうことだろうか？及川氏がキャリアを築く上で大事にしたことは二つある。

まず一つは、自身が成長を続けられる環境かということだ。専門領域におけるMVPを取り続けてきた及川氏だからこそ、自身のキャリアゴールから逆算し今現在置かれている環境の中で目標設定を行い自身の学びへ繋げられるかが重要であると話す。

もう一つはその技術力で、あらゆる悩みの解決に貢献できるかどうかだ。
「商売だからということは承知していますが、これまで在籍してきた会社は大手だったこともあり、ある程度大きな案件を優先して請け負うようなビジネスモデルが確立されていました。その中で私が担当するビジネス領域は比較的規模の小さな案件も多くありクライアントも大小さまざまで、なかなかビジネスとして成立させるのが難しい局面がありました。その状況を歯がゆく感じ、何とかできないものかと考えていました」（及川氏）。

自分達の技術力を誇り、1社でも多くの企業を支えたい。そんな思いのもと、同社は設立された。

だからこそ創業当初から目指したのは、プライム案件を多く獲得すること。そして、Microsoft製品を通じた支援に特化すること。必要以上の利害を気にせず、自分達の知見を存分に発揮できる道を探し当てたのだ。

「ありがたいことに名だたる大手企業とも直接取引し、上流工程から開発・導入・運用保守までワンストップで携われています。そして念願叶い、小さな規模の案件にも門戸を広げてサポートすることができています。少数精鋭規模でありながら、このビジネスモデルを確立できました。クライアントときちんと直接対話して、二人三脚で支援する。手応えを感じているメンバーは多いのではないでしょうか」と及川氏は語る。

現在は完全特化しているというわけではないが、「Microsoft関連のことならADSに相談しよう」というクライアントは非常に多い。その満足度も高く、8割程度が既存クライアントからのリピート依頼だ。

企業の業務効率向上やコミュニケーション活性化を支援するというミッションの下、クライアントの業種や規模も幅広い。大手自動車メーカーや大手通信事業者グループ、有名な弁護士事務所等も名を連ねる。

Microsoft製品がかなり普及している今、メンテナンスや機能拡張といった運用保守に携わることが多いが、『Microsoft 365』等といったクラウドサービスへの移行を支援する機会も増えている。

「当たり前ではありますが、Microsoft製品を導入・活用していただくことが目的ではありません。企業は、社内の様々なコミュニケーション課題に悩んでいらっしゃいます。その声をしっかりと直接ヒアリングし、課題やゴールをしっかり見極め、必要な製品や技術を通じて解決する。それが私達の仕事です」（及川氏）。

同社ではリモートワークがメインだが、案件スタート時の商談や打ち合わせは“現場主義”。たとえ北海道にクライアントの拠点があったとしても、極力足を運ぶ。企業がどんな悩みを抱えているか、そしてその原因がどこにあるのかは企業それぞれだからだ。

その中で、「ADSに相談すれば大丈夫」といった安心感も届けられているようだ。MVP常連者である及川氏をはじめとした同社の技術力には、かなりのブランド力がある。また一方でビジュアルデザインといった専門外の領域についても、依頼されたら断ることはほとんどない。専門知識を持つパートナー等と協力し、同社が窓口となって一気通貫でプロジェクトを遂行しているのだ。

「クライアントからは『ADSにお願いして良かった』というありがたい言葉を頂くことがよくあります。例えば、長く取引している大手人材系企業様は、Microsoft製品におけるプロフェッショナル性の他、小回りの利く柔軟な対応も高く評価してくださいましたね」（及川氏）。

さらに、同社ではMicrosoft関連の自社プロダクトも開発している。例えばOutlookのアドインである『Smart Guard』はその第一弾。メールの誤送信を防ぎ、情報漏洩問題の解決・改善に寄与している製品だ。こちらは同社が主要クライアントから相談を受けて開発したもので、後に自社プロダクトとして広まっていったものだ。「現在もTeamsの機能を拡張するアドインや会議室予約に関するアドインの開発を進めています。」と及川氏は話す。

この先も、Microsoft製品を軸にした支援は変わらない。しかし繰り返しとなるが、あくまで手段であり、ゴールではない。クライアントの課題をあらゆる視点で解決するために、今後はAWSやGoogle関連製品、AI製品等、対応できる手段を増やしていくという。

「会社として一つ、目標があるんです。それはMicrosoftのベストアワードに選出してもらうこと。まずは日本国内の何かの分野で一番を取り、その後は世界での受賞を目指す予定です。――そのためにも、この組織を100名規模まで拡大させたいと考えています」と及川氏。

組織拡大を目指す上で、及川氏は創業当初の思いを忘れずに持っている。かつて自分が願ったように、「技術力を高めながら、活き活きと働ける場所」をメンバーにも提供しているのだ。

そのために、同社が構築してきたものは大きく二つ。

一つはスキルアップをあらゆる方法で支援し、その能力を正当に評価することだ。

社内では資格取得の費用補助や資格手当の他、同社らしいスキルアップ支援もある。

例えばMicrosoft社が開催する海外のイベントに社内の一部メンバーが参加できる機会を設け、旅費等は会社負担。「海外に行けるということで、日頃のご褒美も兼ねているんです」と及川氏は笑う。また、スピーカー支援制度という仕組みも導入。社外のIT業界関係者が集まる勉強会で登壇すると、会社から手当が出るというものだ。

このように資格や知見を積み上げていった先で、同社は一人ひとりの成果をしっかりと還元している。昇格の基準や給与体系といった評価制度が社内でオープンになっており、メンバーが自分のキャリアのために何をすべきかが明瞭なのだ。この制度に惹かれてジョインを決めたメンバーも多い。またテクニカル軸とマネジメント軸の両方があり、自分の適性や志向によってキャリアを選ぶこともできそうだ。

「結果的に時間はかかるかもしれませんが、評価の軸に年齢や社歴は関係ありません。求められる技術や能力があれば、それがそのままポジションや収入に反映されていきます」（及川氏）。

そしてもう一つ構築してきたのは、高い志を持つ人が“頑張り続ける”ための仕組みだ。

例えば、エンジニアのK氏は、他社で産育休から復帰した後、子育てとの両立に悩んでいたという。そのタイミングで同社へ転職。現在はリモートワークやフレックスタイム制を上手く活用し、チームリーダーとしてメンバーをまとめながら活躍している。

また社内では、介護と向き合っているメンバーも。及川氏は「育児とはまた異なる大変さがある」と認識し、新たなサポート体制が必要だと話す。

「今後、子育てや介護に奮闘する人のための評価制度も整えていきます。『働きたいのに思うように働けない』と悩む人達は、沢山いるはずです。こういった方々の活躍の場を一緒につくり出せば、みんなが報われますし、創業当時から掲げていた“日本のGDP向上”にも貢献できるのではないかと考えています」（及川氏）。

技術向上をバックアップし、成果を正当に評価し、頑張り続けるための環境もつくり上げる同社。「自分のエンジニア人生、こんな所じゃ終われない」――そう考える人が、自分の力を最大限に発揮して活躍できる場所だ。