セボンに入社するまでのキャリアは?
韓国の大学で学んでいた頃、熊本県にある大学に交換留学生として1年間滞在したのが、私にとって初めての来日でした。その間、日本語を学びながら日本の文化にも触れ、帰国後は韓国のタイヤメーカーに新卒で入社。海外営業部門に配属され、約4年間、アメリカやヨーロッパ等での勤務も経験しました。大学時代に習得した英語や日本語のスキルを生かして、グローバルなキャリアを築いていきたいと考えていました。ただ、タイヤ業界は成熟した市場であり、将来的な成長性に限界を感じるようになりました。もっと成長力のある業界で、自分のスキルを活かしながら挑戦したいという思いが強くなっていきました。 日本留学中に知り合った女性と結婚し、韓国で暮らしていましたが、子供が生まれたことをきっかけに、日本への移住を決断しました。子育てには周囲のサポートが欠かせません。韓国語が堪能ではない妻にとって、日本で子育てをする方が安心できる環境だと判断し、家族で日本に移り住むことになりました。もちろん、私自身も日本で新たなキャリアを築くことを決意しました。
セボンに入社してから、どんな仕事をしてきましたか?
日本で働く決断をした際、知人の社長からセボンという企業を紹介していただきました。セボンは、ちょうど日本の半導体製造装置メーカーをターゲットに顧客開拓を進めようとしていたタイミングで、日本で営業責任者を担える人材を探していました。私自身、日本語が話せること、そして家庭の事情で日本への移住を検討していたこともあり、まさに絶好のタイミングでセボンと出会うことができました。 日本支店を東京・大田区に立ち上げた当初は、韓国から来た私と日本人メンバーの二人だけ。取引先はもちろん、日本での実績も知名度もゼロの状態でした。インターネットで当社製品を必要としそうな企業を探し、電話でアポイントを取り、話を聞いてくれる会社があれば全国どこへでも足を運びました。 しかし、最初の2年間は取引先が全く見つからず、非常に苦しい時期が続きました。営業経験には自信がありましたが、半導体業界の知識がないまま飛び込んだこともあり、毎日が挫折の連続でした。それでも、諦めずに多くのお客様と直接お会いし、現場の声から製品や業界の知識を吸収することを心掛けました。
セボンジャパンが設立された背景は?
2018年、世界最大手のマテリアルハンドリングメーカーが当社の話を聞いてくださることになり、セボン日本支店にとって大きな転機が訪れました。当時、当社ではドイツ製のパワーサプライを主力製品として取り扱っていました。これは世界シェアNo.1を誇る製品で、長寿命かつ高性能な点が特長です。 そのマテリアルハンドリングメーカーは、半導体工場向けの自動搬送装置を製造しており、自社工場で使用するために製品のカスタマイズを希望されました。私は韓国本社に掛け合い、ドイツのメーカーとも連携を取りながら、そのお客様専用のカスタマイズ製品を新たに開発。これまで他社では実現できなかった要望を叶えたことで、正式な取引がスタートしました。 この成功を機に、2019年にはセボンジャパンを設立し、本社を名古屋に移転しました。お客様の工場が滋賀県にあり、法人の代表を務めてくださる方が愛知県豊田市在住だったこともあり、両地点の中間に当たる現在の立地に本社を構えることになりました。近隣には高速道路のジャンクションもあり、アクセスの良さも決め手となりました。
仕事をする上で大切にしていることは?
個人の成長と会社の成長をリンクさせることです。私自身、まだまだ成長したいという思いがありますし、会社もさらに大きくしていきたい。そして何より、社員一人ひとりが成長を通じて幸せになってほしいと願っています。 そのためには、製品や業界の知識を深めるだけでなく、ビジネスパーソンとしての基本スキルを磨き、経済や金融の動向にもアンテナを張り、時代の流れを先読みして次の一手を考える力が必要です。そうした姿勢が、個人としても企業としても、長く活躍し続けるための土台になると信じています。 半導体業界は、現代社会において最も注目されている分野の一つです。時価総額の大きなグローバル企業の多くが半導体を製造しており、NVIDIAは言うまでもなく、Microsoftはインテルのファブを使って半導体を製造していますし、GAFAやテスラも皆、独自に半導体を作っています。この業界で働いていると、グローバルエコノミーの最前線の情報に触れることができ、それは個人の投資活動にも生かせますし、ビジネスパーソンとしてのレベルアップにも繋がります。今後も、変化の激しいこの業界で、社員と共に学び、挑戦し続けながら、セボンジャパンをより強く、しなやかな組織へと育てていきたいと考えています。
セボンはどんな企業カルチャーの会社ですか?
社名「世奉(セボン)」には、「世の中に奉仕する」という思いが込められています。韓国本社では、チャリティー活動にも力を入れており、社会貢献を企業活動の一部として位置付けています。セボンジャパンでは、まだチャリティー活動を行う余力はありませんが、「世に奉仕する」という企業理念はしっかりと受け継ぎ、日々の仕事の中でその精神を体現していきたいと考えています。 韓国のセボンとセボンジャパンでは、取り扱う製品も異なり、セボンジャパンはかなり独立した形で、自分達で考え、動いています。韓国の企業カルチャーの良い部分は残しつつ、日本の商習慣や働き方を積極的に取り入れ、社員が働きやすく、成長できる環境づくりを進めています。 最近では、神奈川に新たな営業所を開設し、大手機器メーカーで社長を務めた経験を持つ方を責任者としてお迎えしました。経験豊富で人脈も広く、営業所の全てを彼に任せています。現在、神奈川営業所では、彼と共に組織づくりから参加してくださるビジネスパーソンを募集しています。また、名古屋や九州でもセールス人材を常時募集しており、これまでの営業経験を生かして半導体業界で挑戦したい方がいらっしゃれば、ぜひ一度お話しさせていただきたいです。 セボンジャパンは、挑戦を歓迎する会社です。個人の成長と会社の成長をリンクさせながら、共に未来を切り開いていける仲間との出会いを楽しみにしています。
