株式会社Cloud Navi

株式会社Cloud Naviは、メガクラウドのリセールおよびクラウド導入のコンサルティングや移行、移行後の技術支援までを手掛けるMSP（Managed Service Provider）のスタートアップである。

同社が取り扱うのは、Alibaba Cloudを主体に、Tencent CloudやAWS、GCP等のメガクラウド。特に売り上げの80％を占めるAlibaba Cloudにおいては、日本においてわずか2社、世界でも数十社しかない最高位パートナーの1社である。
「それだけ日本市場にAlibaba Cloudを広める貢献をしているとともに、MSPとしての豊富な経験と高度な技術力が評価されてのことだと自負しています」と代表取締役社長の朱・珏瓔（シュ・カクエイ）氏は胸を張る。

Alibaba Cloudの強みは、AWSやAzureなどの米国系メガクラウドと機能や安定性において見劣りしない上に、価格が70％程度というコストパフォーマンスの高さ。さらに、最高位パートナーの同社はAlibabaから10％ほどのディスカウントを受けられるメリットが享受でき、ユーザーにはAWSなどの60％ほどの料金で提供できている。

同社としての強みは、Alibaba Cloudの最上位パートナーとしての豊富な実績に加え、10年以上に渡ってクラウドを手掛けてきた同社エンジニアチームの技術力と、24時間365日体制でリアルタイムに技術支援を提供し、特に重大な技術的問題が発生した際は15分以内に対応するというサービス体制、およびゲーム業界に対しては、性能テストやユーザーアカウント統合などの周辺サービスも提供する対応力にある。さらに、Alibaba Cloud本体のエンジニアによる最高ランクのアフターサービスを提供できることも強みだ。

こうした強みを発揮し、国内ゲームメーカーのグローバルリリースRPGや、メタバースを運営する顧客のサービスプラットフォームのAWSからの移行といった実績を持つ。
クライアントは、多くのエンドユーザーを持ち、サービスの安定運用が至上命題のゲーム会社やWebサービス企業が多く、2025年4月現在で30社以上を擁する。
売上高の推移としては、2022年12月の設立以来、200％以上の勢いで成長しているところだ。

朱氏は、アメリカ大手テック企業のシアトル本社で5年間、サブスクリプションサービスの市場戦略策定およびロンドンと北京での戦略実行を手掛けた後、Alibabaに転じてAlibaba Cloudの国際チームに配属となり、中国の日系企業を担当。2020年に日本法人のセールスリーダーとしてアサインされ、3年間でトップの営業成績を挙げるという活躍をする。そして、2022年12月に独立してCloud Naviを創業した。その経緯について、朱氏は次のように説明する。

「日本に来てすぐに、日本市場のポテンシャルの大きさを強く感じたのです。というのも、Alibaba Cloudは中国ではトップシェアでしたが、日本ではあまり認知されていなかったからです。パートナーの数も非常に少なかったので、ビジネスチャンスが大きいと感じました。そして、コストパフォーマンスの良いAlibaba Cloudを提供することで、日本企業の収益拡大に貢献できると確信できたことが、大きな動機になりました」

そこで、同社が掲げた企業理念は【技術選定は収益化戦略そのものである】というもの。「良いソリューションとサービスは、企業に直接的な収益をもたらし、企業を強化することができると信じている」と朱氏はその思いを語る。

そんな同社が目指す企業像は、“顧客を感動させるMSPになる”ことだ。
「技術力やサービス対応力をさらに磨いて、新しいことにチャレンジするお客様に対し、そのご期待を上回って安心して仕事を任せていただけるMSPを目指しています」と朱氏は力を込める。

なお、当面の数値的な目標としては、2027年3月末までに売上高15億円を達成し、日本におけるNo.1のAlibaba CloudのMSPとなること。
「現在のNo.1は、10億円ほどの実績を挙げている大手通信キャリアですが、この目標数値を達成すれば上回れると見ています」と朱氏は話す。

さらに、独自の商品開発・提供にも力を入れていく。現在計画しているのは、クロスプラットフォームゲーム開発のSDK。サードパーティープラットフォームのSDKにワンストップで連携し、ユーザー管理から決済フローまで対応するという便利なツールだ。
「統一されたUIを提供し、開発者はシンプルな操作で複数のプラットフォームと連携できる利便性を提供したいと思っています」と朱氏は意気込む。

2025年4月現在、同社のメンバーは6名（うち2名は在中国のエンジニア）。そのカルチャーづくりについて、朱氏は次のように話す。
「“顧客第一”がテーマなので、社内の組織運営はできるだけシンプルにしていきます。少数なので、意思決定スピードも非常に速いです。また、お客様のためになることであれば、一メンバーでも社長とケンカできるぐらいのフラットさをキープしたいと思っています」

そのためにも、社内コミュニケーションは緊密さを重視。「メンバーのプライベートを重視し、意向を確認した上で、チームビルディングのためによくメンバーと食事を共にする機会を設けている」と朱氏。

人事考課においても、顧客満足度と技術支援の成功度合、およびメンバー全員の意見も聞いて朱氏が評価を行っている。
人材育成の観点では、Alibaba Cloudの新機能リリースの際などはベンダー主催の勉強会に最優先で参加できるなど、最新技術を吸収できる機会が設けられている。前述のとおり、同社にはクラウドに習熟したエンジニアが3名在籍しており（2025年4月現在）、社内においても身近で技術を学べる環境が整っていると言える。
「お客様に対しても、エンジニアがハンズオンで技術的なサポートを提供する機会が豊富にあります」（朱氏）。

働き方としては、顧客が同社に訪問しての商談や技術サポートを行う場合はオフィスワークとなるが、それ以外はリモートワークが可能だ。勤務時間もその顧客対応以外はフレックスで、柔軟に働くことができる。

なお、エンゲージメントを高める意味でも、会社の株式を1％メンバーに供与していることは、IPOを視野に入れている企業として将来の資産形成の上で大きなポイントだろう。さらに、会社に入社してから5年目以降は配当も受け取れるようになっており、長期的なインセンティブとして機能している。

そんな同社が求める人材像は、スキルアップやグローバルで活躍することなどにポジティブで、向上心やハングリー精神があること。
「当社は2022年設立のスタートアップですが、毎年売上規模が倍増している成長性の高い企業で、2027年3月までにアリババクラウドの日本で一番大きい技術パートナーになります。社長の私がセールスとマーケティングに強いので、その右腕となるクラウドエンジニアの仲間を探しています。成長・成功意欲が高く、スキルアップしたい、実践経験の場数を増やしたい、グローバルに仕事をしたいと思っているエンジニアはぜひご応募ください！」と朱氏は呼びかける。