株式会社ユルリカ

株式会社ユルリカは、「テクノロジーを全ての人に届ける。」というミッションを掲げ、Webコンサルティングおよび制作やシステム開発、地方創生をテーマにした開発支援事業等を展開している企業だ。2021年の設立以来、ITの力を活用し、企業や地域が抱える課題を解決に導くソリューションを提供している。

原点にあるのは、代表・小田幸治氏の「ものづくりが好き」という純粋な情熱だ。大学卒業後、Web関連企業で営業職やディレクター、プロジェクトマネージャーとして幅広い経験を積む中で、ものづくりを通じて成果が形となり世に出ることに喜びを感じていた。しかし同時に、会社員として与えられた枠組みの中で動く必要があり、お客様の本質的な課題に応えきれないジレンマも抱えていたという。
「会社員として働く以上、既存の仕組みに縛られる場面があります。それが、お客様の最適な解決策に向き合う障壁になることもありました」と小田氏。こうした経験を通じて、「クライアントにとっての最適解を提示するためには、既存の枠組みではなく、新しい仕組みを自ら作る必要がある」と確信する。ものづくりの力でお客様の課題を解決し、最適なソリューションを提供するために独立を決意したのだ。

設立後、同社が注力したのは、ノーコード技術を活用したWeb制作とシステム開発だ。これらの技術は、特に中小企業や地方企業が抱える「IT導入のハードル」を下げる効果がある。大手企業では容易に実現できるIT投資も、地方や中小企業にとっては高い壁となることが多い。同社はそうした現状を変えるべく地方企業への支援にも力を入れ、成果を上げている。

とはいえ、その道のりは決して平坦ではなかった。設立当初、小田氏は「人脈も顧客もゼロ」の状態からスタートし、事業を一人で進める日々が続いた。さらに、未経験者を育てるという採用方針を掲げたため、人材育成には労力を要した。それでも、ノーコードやローコード技術の「未経験でも短期間でスキルを身に付けられる」特性を生かし、少しずつ組織を形成していった。
「2期目以降に人材を増やし始め、ようやく会社としての形が整ってきました。今ではセクションごとにリーダーを配置し、チームとして成果を出す体制が整いつつあります」と小田氏は言う。こうした試行錯誤を経て、同社は着実に発展を遂げている。

同社が目指すのは、単にWebサイトやシステムを納品するだけではない。その先も伴走を続け、クライアントの成長を支援する包括的なデジタルソリューションを提供することだ。同社のビジョンである「テクノロジーを全ての人に届ける。」には、テクノロジーの恩恵を日本中へと広げ、誰もが平等にその価値を享受できる社会を実現したいという強い思いが込められている。

同社のビジョンにある「ゆるり化」という独特な言葉は、「自分や家族、そして組織をより良い状態に導く」という理念を表現したものだ。この言葉はユルリカという社名にも反映されており、同社の事業活動の核を成している。
具体的には業務の効率化や働き方の改革を通じて、企業をより柔軟で持続可能な状態へと導くことを目指す。システム導入やDXを推進することで、売上向上といった企業の成果を実現し、さらには給与の増加やリモートワークの推進等、従業員が働きやすい環境の整備に繋げていく。
こうした取り組みを通じて企業とその従業員、そして地域社会全体を「より良い状態」へと導くことが、同社の掲げる「ゆるり化」なのである。

この理念を体現した取り組みの一つに、鹿児島への注力がある。同社は2024年、鹿児島市に支社を開設し、地域経済の発展と雇用機会の創出を目指した立地協定を鹿児島市と締結した。この協定について小田氏は「鹿児島をDXの先進地域にすることで、地域の企業とそこで働く人々を支えたい」と意気込みを語る。同社はこうした活動を通じて、地方創生にも積極的に貢献しているのだ。同時に、鹿児島でテクノロジー&クリエイティブ企業としての存在感を高め、事業基盤をさらに強固にしたい狙いもある。同社にとって鹿児島は、地方創生と企業成長の両輪を実現するための重要なステージなのである。

支援事例として、鹿児島のサッカークラブ「鹿児島ユナイテッドFC」のDXプロジェクトがある。このプロジェクトでは紙で管理されていた会報をWeb化し、スポンサー企業や会員が会員専用サイトで情報を閲覧できる仕組みを構築。さらに、ポイントシステムをはじめとする来場者数の増加を目指した施策も提案し、クラブの運営効率化とファンの利便性向上を実現した。「予算が限られる中、鹿児島市のDX補助金の活用を提案し、コストを抑えながらもリッチなシステムを構築できたことが成功の鍵でした」と小田氏は語る。
同社の強みである、クライアントに寄り添った柔軟な提案力が生きた事例の一つである。

またその他、システム納品のみで終わらない「成果に向けた伴走型支援」のスタイルも特徴だ。例えば、Webサイトの制作後も運用データを基に改善提案を行い、顧客のマーケティング活動を強化する等、継続して目標達成にコミットする。「つくるだけではなく、その先まで一緒に進む。それが私達の仕事の本質です」と小田氏は強調する。
こうした取り組みの結果、現在の案件の7～8割はリピート契約や口コミ紹介によるものであり、高い顧客満足度がうかがえる。同社のノーコードを筆頭とする技術への知見と、顧客を理解し寄り添う姿勢が、企業のDXを支える大きな力となっている。

同社の社内カルチャーは、柔らかなコミュニケーションとものづくりへの熱意が調和した雰囲気を持つ。
「優しい雰囲気を持った人が多く、トゲのある言葉が飛び交うことはありません」と小田氏。一方で、進行のスピード感と高品質のアウトプットにこだわる。業務に対して高いコミットメントを重視する姿勢が特徴だ。

未経験からスタートした社員が半数を超える中で、挑戦を歓迎する文化が根付いており、「やりたい」と手を挙げた人に新しい機会を与える風土でもある。個々の意欲を尊重し、スキル向上を促す環境が整っている。
同社が次のステージに進むためには、若手のスピード感を生かしつつ、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントの経験を持つ幹部候補、あるいはWeb領域に精通した専門性の高い人材の参入が必要だ。
こうした多様なバックグラウンドを持つ人材が力を発揮できるよう、同社では公平で透明性のある評価制度を採用している。年2回の360度評価制度によって、社員自身だけでなく同僚からのフィードバックを反映することで、公平なキャリアアップの機会を提供している。この仕組みにより成果が給与に反映されやすく、実際に月給が平均で3万5,000円、中には10万円以上アップした社員もいる。

日々の業務は開発やデザイン、マーケティングと各セクションのリーダーを中心に進行する。社員の得意分野や興味を尊重したプロジェクト編成が行われ、ディレクター、デザイナー、エンジニアが連携して顧客の期待を超えるものづくりを追求している。さらに、基本は週5日の出社を前提としながらも、体調や家庭事情に応じて週2日のリモート勤務が可能な制度も整備され、柔軟な働き方を実現している。

採用面では、地域や職種ごとにターゲットを明確化している。鹿児島ではUターンやIターンを希望する郷土愛の強い人材を歓迎し、東京ではITやWeb業界で経験を積んだPMやマネージャー層を積極的に採用している。経験を生かして能動的に動いていきたい人材にとって、同社は新しい可能性を広げる場となるだろう。

最後に、小田氏は応募を検討する方に向けて、「お客様の最適な解決策を考え、能動的に施策を打っていける方と一緒に働きたい。アグレッシブに仕事へ向き合ってくれる方にジョインしていただけたら嬉しいです」と呼びかける。
同社の環境は、挑戦を歓迎し能力を引き出すものだ。ビジョンやカルチャーに共感し、共に未来を切り開いていく仲間の参加を心待ちにしている。