デロイトトーマツ テレワークセンター株式会社

デロイト トーマツ テレワークセンター株式会社は、BPO（Business Process Outsourcing）サービスを提供している。

BPOとは、業務の一部を切り取って外部へ任せる「アウトソーシング」とは異なり、業務の企画や設計・施策の実行・分析、改善の実行まで一括して任せ、本質的な業務改善を提供するサービス。単なる業務の請負ではなく、業務の最適化を実現する。

同社は、デロイト トーマツのグループ会社として、大手企業や官公庁を中心にBPOを提供している。デロイト トーマツ グループは、日本を代表するコンサルティングファームの一つであり、経営コンサルティングやリスクマネジメント、ファイナンシャルアドバイザリー等の分野で多くの実績を持つ。そのグループ各社と連携し、BPOサービスを提供している点が同社の大きな特徴と言える。

「当社はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社の子会社として、グループのクライアントへBPOサービスを提供しています。グループ各社と協業する案件も多く、BPOサービスの提供を通じて、クライアントの収益拡大、業務効率化や高品質化、コスト削減等の経営目標の実現を支援し、地域課題の解決にも取り組んでいます。クライアントは大手企業、省庁、地方自治体等の行政セクションが多く、社会の変革に貢献できるポジションで働いています」(伊藤氏)。

同社は、1994年設立の「株式会社いわきテレワークセンター」を源流に持つ。2021年5月、コールセンター事業を主軸としBPOサービスを提供していたいわきテレワークセンターの全株式をデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが取得。現在のデロイト トーマツ テレワークセンターがスタートした。

「事業継承相手を探していたいわきテレワークセンターと、BPOサービス事業に投資する戦略だったデロイト トーマツ グループの出会いが現在の当社の始まりです。いわきテレワークセンターの業務を引き継いだことで、クライアントの業務改善を行う中で必要となるアセットをグループ内に持つことができ、グループ各社のクライアントに質の高いBPOサービスの提供が可能となりました」(伊藤氏)。

同社の前身であるいわきテレワークセンターは、日本で最初の民間でのテレワークセンターを目指して設立された会社。当時はほとんど認知されていなかったテレワークという新しい働き方を中核に据えたビジネスモデルをいち早く構築し、ITを活用した多様なワークスタイルでの就業機会を提供してきた。社名の通り、福島県いわき市に本社を置き、福島市にも拠点を構え、I・U・Jターンを活用した地元雇用の担い手として機能してきた歴史がある。

2021年5月に同社へ移行後も、群馬県前橋市や沖縄県沖縄市に拠点を設け、さらに全国の都市で拠点を展開する計画が進行中だ。

「いわきテレワークセンターは地元の福島との結び付きが強い会社で、県内クライアントからの信頼も厚かったです。デロイト トーマツ テレワークセンターへ移行したことで、クライアントの範囲が全国規模に広がり、中央省庁の案件も増加しました。首都圏の大手企業や省庁の案件を地方の拠点で受ける仕組みを進める中で、さらなる拠点拡大を視野に入れています」(伊藤氏)。


「テクニカルセンターの立ち上げ経験を豊富に持つ人材を部長として迎え、『IT×BPO』サービスの展開に着手しました。IT部門のコンサルティングやサポート、ITシステムに関する業務改善の企画や実行といった役割を担うスタッフの増員を進め、案件の拡大にも取り組んでいます」(伊藤氏)。

同社のITサポート事業では、デロイト トーマツ グループのクライアントの現場でIT部門のサポート役を務める。この役割はITコンサルにも近い性質を持ち、ITシステムの開発や運用においてベンダーをコントロールする役割であったり、課題整理から新しい業務フロー構築、そしてシステムやツールの刷新を通じて、クライアントの業務効率化を図る役割を担っています。(伊藤氏)。

同社は、1994年設立のいわきテレワークセンターと、日本を代表するコンサルティングファームであるデロイト トーマツ グループが合流して誕生した企業。両社の特色が融合し、独自のカルチャーと社内制度が形成されている。

設立5期目ということもあり、事業はベンチャー企業のようなスピード感で成長している。特に、設立間もない「ITサポート事業部」では、メンバーの意見を積極的に取り入れながら、組織づくりが進行中だ。

「全社で約140名の社員が在籍していますが、各拠点が独自のカルチャーを形成しています。私自身は総合コンサルティング会社などを経てデロイト トーマツ グループに移籍しましたが、デロイト トーマツは個人の力を重視しながらもグループ全体で協調する社風があり、グループ全体としてコンプライアンスが徹底されており、働き方の管理・改革も進んできています」(伊藤氏)。

現在、同社は業績が右肩上がりで成長を続け、社員数も増加している。その中で、待遇面の改革も進められている。給与テーブルの見直しが行われ、既存メンバーと新入社員との間での待遇差を埋める努力がなされている。

「いわきテレワークセンターとデロイト トーマツ グループでは、待遇面で違いがあったのは事実です。そのため、現在はデロイト トーマツ テレワークセンターとして、経験豊富な中途入社者に対し、他社と比較して競争力のある条件を提示できるように改革を進めています。特にITエンジニアに関しては、IT業界の水準を参考にしつつ、他社に劣らない条件を整えるべく調整を進めています」(伊藤氏)。

設立間もない企業ながら、デロイト トーマツ グループの一員として、拡大する組織に合わせて管理職ポジションに就くチャンスがある。また、グループ各社と連動して取り組む案件はプロジェクト規模が大きく、挑戦しがいのある環境が魅力と言える。