第一生命テクノクロス株式会社は、どのような成長戦略を描いていますか?
かつて第一生命保険と当社は親会社と子会社の関係にありました。それが2024年のグループ組織再編により、親会社は第一生命ホールディングスとなり、当社は第一生命グループに属する事業会社の一社となりました。つまり立ち位置が「第一生命保険のシステムの安心を守る会社」から、「第一生命グループ全体のIT・DX推進をリードする会社」になったのです。 そうした背景から、当社も大きな変革期を迎えています。今後は第一生命保険だけではなく、第一生命グループ各社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中核子会社として、新たな価値創造にチャレンジしたいと考えています。 またビジネス環境のグローバル化を見据え、ITデリバリを担う開発拠点をインドに設置しました。今後は日本とインドを繋ぐブリッジ機能を強化し、IT企業としての競争力を強化していく予定です。
そうした成長戦略の実現に向け、現在どのような課題に直面していますか?
生命保険のシステム開発という観点では、当社にはこの道数十年の実力者が多く在籍しています。生命保険特有の複雑なサービスフローや業務プロセスを熟知し、ハンズオンでシステムを最適化する技術力は当社ならではの強みだと自負しています。しかし今後の成長戦略を考えると、「新しい技術への対応」という点で課題があると感じています。なぜなら、第一生命グループ全般のIT・DXをリードするためには、次々とスタートするプロジェクトによって、新しい技術・知識をキャッチアップすることが必要になってくるからです。 そうした理由から、技術領域・経験領域・国籍等、「いかに人財に多様性を持たせるか?」「いかに新しい技術を貪欲に学び続ける人財を増やすか?」が今後の成長を占うカギになると思っています。
現場とはどのようにコミュニケーションを取っていますか?
閉ざされた経営からは自由な意見・アイデア等は出てきません。定期的にタウンホールミーティングを開き、経営陣・社員を含めてディスカッションすることで、オープン&フラットな職場環境づくりに努めています。 また社長メッセージの動画を定期的に社内に発信する等、自分の考え方を分かりやすく伝えることも心掛けています。このほか、人事異動の権限も極力現場に委ねるようにしています。 こうしたコミュニケーションを地道に重ねた結果、様々な取り組みが現場発信になってきました。2024年からスタートした有益なサービス・機器を定額課金で提供していくサブスクリプション事業も、グループ会社への提案を見据えたチャレンジ。現場が主体となってプロジェクトを進めています。
IT・DXを推進する際に大切にしているモットーは何ですか?
私は当社の代表に就任する以前は、第一生命保険や第一フロンティア生命、第一生命ホールディングス等、第一生命グループ各社のIT推進担当としてグループの変革に深く関与してきました。その経験を通して学んだのは、より良い経営を語る上でシステムが欠かせないものであること。またDXは「ITインフラ」「業務プロセス」「人財」がセットで語られるべきものであり、システムで作業を効率化するだけがDXではないということです。 事業会社のトップとして各本部と対話をしたり、システム開発の現場で発生する課題に対応したり、事業の方針を策定したりする際にも、こうしたDXの本質を念頭に置きながら自分の考え方を伝えるようにしています。
これから入社する方に期待することは何ですか?
技術が日進月歩で進化する中、一人ひとりの探求心は事業成長を後押しする何よりの原動力になります。ITに懸ける思いやエンジニアとして入社後にチャレンジしてみたいこと、将来目指しているキャリア像等、何でも良いので「こうありたい」という情熱を持っている方に仲間になっていただけると嬉しいです。 またダイバーシティ経営を目指している当社では、例えば日本語堪能かつ技術力に優れオープンマインドを持った外国籍のエンジニアが増えている等、多様なバックグラウンドを持つ人財と接点を持てる環境があります。入社後は各々が担当するプロジェクトで強みを発揮し、時には自分にない強みを持つ周囲のエンジニアから刺激を受けながら、当社が目指すIT・DX推進事業に新しい風を吹き込んでいただきたいですね。