株式会社ヴェクタント

IT/Web・通信・インターネット系

盛り上がる通信業界を「変えていく」企業(丸紅グループ)

企業について

AS 2519を取得した日本でも<br />歴史あるISPの一つです。<br />

「VECTANT」ブランドの下に展開する<br />IP-VPNサービス。<br />

営業本部　第二営業部　営業課<br />アカウントマネージャー　大庭好晴氏<br />

丸紅から生まれた戦略的通信･IT事業者

株式会社ヴェクタントは、総合商社丸紅の通信･IT関連企業数社を戦略的に統合して2000年に設立された。丸紅の持つ、日本を縦断する光ファイバー回線を利用し、インターネット、iDC（インターネット･データセンター）、ASPなど様々なソリューションを提供している。

同社の事業の特徴は、個人向けではなく法人向けのネットワークサービスに特化していること。また、ISPやCATV事業者にサービスのOEM提供を行っていることであり、一般に知名度が高くはないが、大手には出来ないサービスを次々と生み出すことで業界内での差別化を図り、設立より連続して増収増益を達成している。

小規模であることが競争力になる

同社の事業で筆頭に挙げられるのが、法人向けISPに対するインターネットアクセスサービスのOEM提供だ。国内主要IXと直結する光ファイバネットワークを有するとともに、230以上のピアを確保することでインターネットの効率的な利用を実現している。さらに、複数の海外トランジットとの接続により、障害時のリスク分散対策も施している。これが、同社が「安全性」「コスト」で競争優位に立つ理由となっている。

もう一つの事業が、IP-VPNサービス。企業専用の閉域バックボーンネットワークを構築し、インターネットを介さずにセキュアなネットワークを実現する。フレッツ、ACCAADSL、ACCA光、イーサネット専用線など、企業の用途やニーズに合う回線を選べるようにラインアップをそろえている。また、FUSION VoIP網との相互接続により、閉域でのセキュアなIP電話を利用可能としている。

大手競合が立ちはだかる業界だが、小規模であることは、かえって同社の競争力となっている。
サービスのきめ細かさ、レスポンスの速さ、柔軟なカスタマイズなどがそれだ。また、自社では賄いきれない部分についてはビジネスパートナーと提携。例えば顧客が最も心配する「アフターサポート」は大手保守会社との契約により、400拠点以上をカバーしている。

また、少数精鋭の風通しの良い組織では、若手の提案営業担当が客先で拾ってきたニーズをダイレクトに商品開発に結びつける。上司はそれを積極的にサポートする。こうして業界に存在しなかったサービスが、次のインターネットを作っていくのだ。

大手のライバルに真っ向対決していく気概のある同社。営業本部長小山氏は次のように語る。
「メディアへの露出で大手と張り合おうとしても無駄です。1対1の局地戦では絶対に負けないためのサービス展開に全社で取組んでいます。一番密にお客様と話をする営業担当が言うことに対して、我々は素早く決裁を行い、同行などのサポートをすることで、結果的に当社の競争力が増していると思います。」

例えば、同社の主力商品の一つであるクローズドIPネットワーク『Smart』は、若手が中心となって、ソリューションとしてこんなものがあったら良いという発想から企画・開発した。2007年にリリースしたばかりの「VECTANTセキュアモバイルアクセス」も同様だ。

「年に数回、合宿を行い事業計画の共有とその達成のための具体的な事業アイデア出しをするのです。そこで出たものを持ち帰ってプロジェクト化し、営業と技術が一緒になって開発します。小さな会社ですから、誰かが考えてくれるのを待っていてもだめです。自分達で考えて、新しいものを作るのです。」（小山氏）

お客様に喜ばれ、大きな達成感

27歳の時に大手OA複合機メーカーの営業職から転職した大庭氏。「強力なライバルが多くいる業界で、これから大きくなっていく勢いを感じて入社を決意した」と言う。同社の営業は、カタログで売るスタイルではない。顧客のニーズにフィットする構成を考えて作り出す「提案営業」だ。同氏は、「SEの技術力も極めて高く、営業とSEはお客様第一で仕事をする仲間。自分達でサービスを作り出せるので、お客様への提案もしやすく非常に楽しい。」と語る。

これまでで最も印象に残っているのは、大手写真用品店チェーン1500店舗に対する商談だという。適切なインターネットソリューションを確保できず困っていた顧客に対して提案したサービスは成功裏に導入され、大いに感謝されたと言う。

「部署、年齢に関係なく風通しの良い職場環境で、みんなで一つのことを目指す達成感がある」と同氏。もちろん、数字に対するコミットは厳しく求められるが、それを達成するための創意工夫に大きな楽しみを見出しているようだ。

盛り上がる通信業界を楽しみたい！

同社では、全員が中途入社だ。経験してきた業界も様々。業界知識は、短期間にキャッチアップが可能なため、やる気さえあれば問わないと企画・人事総務部部長幸氏は説明する。

「研修制度はこれから順次整えていくべく動いています。技術職に関しては、必要な研修を自己申告していただければ会社が補助をします。営業職に関しては、外部のセールス講習のほか、ベンダーが開催するコースに参加していただけます。」（幸氏）

フロアには、営業・開発・サポートセンターなどすべてが入居しており、壁もない。何かあればすぐ隣に聞ける人がいる。全体会議で、他部署が何をしているのかを理解し、部署間の交流も図りやすくなるように配慮もされている。

元気にこの環境を活かし、これからますます盛り上がるインターネット・通信業界での仕事を楽しみたい人に挑戦してほしい。