DXYZ株式会社

DXYZ（ディクシーズ）株式会社が開発提供する「FreeiD」は鍵・財布・スマホを持たずに、“顔ダケで”自由に駆け出せる世界を実現する、『顔ダケで、世界がつながる。』顔認証プラットフォームです。これまで利用シーンごとに顔登録が必要であった、暮らしの様々な場面における「入退」「本人確認」「決済」の顔認証サービスを、分断させることなく、「1度、顔を登録するだけで」利用可能にすることができる。

従来の顔認証システムでは、サービスごとに顔認証AIエンジンが異なることからアプリケーションやシステムを必要とするケースが多く、個々で顔の登録が必要だった。しかし、同社のビジネスの特徴は「顔の登録」に特化し、個別の顔認証AIエンジンに依存することのないプラットフォームとしてのサービス開発に注力することにより、ユーザーにデバイスフリーのメリットを提供している点にある。同社の創業メンバーである執行役員・木村晋太郎氏は、当時の思いを交えながら、自社のビジネスの強みを次のように説明してくれた。

「元々、日本という国を大きく変えるようなビジネスを手掛けたいと思い、私は三井物産からの独立を決意しました。新しい技術である顔認証システムに取り組むことには大きな意味があると思いましたが、独自のエンジンを使った認証システムを一つリリースしただけでは、国内のマーケットを動かすには十分ではないとも感じていました。そこから、デバイスに縛られず、様々なサービスを一つのプラットフォーム上で繋げるような顔認証システムに可能性を感じました。
その結果、画面より人と向き合う時間が長くなり、人と人が深く温もりある世界を作るために、このサービスをデファクトスタンダードとするためのビジネス展開にチャレンジすることにしたんです」（木村氏）。

『FreeiD』のサービスは2021年1月にローンチ。現在では、国内初の鍵が一切いらないオール顔認証マンションサービスを導入し、その他にもオフィス・工事現場・テーマパーク・保育園・ゴルフ場等の様々な場所で顔認証サービスを提供。現在は、顔認証決済サービスやマイナンバーカード連携も実現しながらユーザー数を飛躍的に伸ばしている。サービス登録者数は約3.5万人に達し、また顔認証システムを導入したマンションや住宅は約200棟超となっており、今後の竣工を控える物件も含め300超になると木村氏は語っている。

「自社で顔認証サービスも提供しておりますが、顔認証サービスを展開する他の企業様ともFreeiDを連携し、FreeiDに登録した顔で他社サービスを利用することも実現しており、今後、様々な顔認証事業者様がパートナーになり得ると考えています。その意味では、プラットフォーマーとしての競合他社は存在せず、そのことが業界における当社の強みになっていると思います」（木村氏）。

サービスのローンチから3年を経て、ユーザー数や導入物件数を増やし続けている『FreeiD』だが、同プロダクトに関する今後の課題はどのようなものなのか。木村氏は次のような見解を示している。

「一つは、マンションに導入されている『FreeiD』の機能拡充で、入居者だけではなく物件管理会社やデベロッパーにもその利便性を感じてもらえるようなものへと進化させていきたいと思っています。また、最近の動きとしてマイナンバーカードや決済サービスとの連携も進んできているので、入退室や本人確認、決済で顔認証を活用できる場所やビジネスモデルをさらにブラッシュアップしていく必要があると、当社では考えています」（木村氏）。

顔認証に関して個別のサービスに限定されない有用性と同時に、同社のプラットフォームサービスにはマイクロサービスアーキテクチャを採用しているという大きな特徴がある。複数の機能を個別に開発、管理できるマイクロサービスのアプローチで開発することで、顔認証サービスにおける「登録」「保存」「配信」等の個別機能を部分的に取り入れたいという顧客ニーズにも対応できる。その柔軟性を生かすことでさらなる事業成長を目指す上では、自社開発のセキュリティシステムのさらなる充実化も大きな課題だと、木村氏は考えている。それらのチャレンジを成功させるために、テクノロジーの根幹を担うCTOを支え、システム全体の進化を実現する技術者の増強が、現在の同社では必要になっているのだ。

「暮らしに関するビジネスの領域で、数年の間に顔認証をデファクトスタンダードにすることが当社の目標。そのために街中でのユースケースを増やしていきたいと考えていて、マイナンバーカードや決済システムとの連携もそのコンセプトの一環として私達は取り組んでいます。今後は、交通機関のインフラとの連携等も実現しながら、ユーザーの暮らしをより便利に、生活をより豊かにしていきたいと考えています」（木村氏）。

その同社で開発業務に携わることで、プロダクトがオフラインの世界で実際に使われる姿を目にできると木村氏は語る。便利なサービスが喜びを生み、生活が豊かになることを実感できることこそ、同社の仕事で感じられる最大の魅力と言えるだろう。

スマートフォンをかざす必要もなく、施錠や解錠、入退室、決済が可能になり、日常の活動を手ぶらにする顔認証システム。その仕組みを広く世に浸透させるためにデバイスやアプリケーションの垣根を取り払い、これまでにない技術の組み合わせによって実現するプラットフォームサービスを展開しているのが、同社の現在の姿である。その事業展開の根底には、同社のメンバーが共有している企業ミッションが大きく影響していると、木村氏は語ってくれた。

「当社で掲げているミッションは、“デジタルで、目に映る世界をより豊かに。”です。”デジタル”は人と人の深く、温もりをもったつながりを作るためのツールとして使い、自分の目に映る世界＝手の届く範囲にいる人から少しずつ、物心共に豊かにしていきたいという願いが、このミッションには込められています。そして、鍵や財布、スマートフォンなどの手元を見ずに、顔を上げることによって、日常のありふれた生活の中からも新しい発見や心も前向きになると考えています。
また、顔ダケでリアルな世界が繋がることによって、より気楽に出かけて五感を伴った環境で人と出会い、人と人の縁を紡いでいくことを顔認証によって築いていきたいと想っています。」（木村氏）。

常に顔を上げ、前向きに物事に向き合う。そして人間同士の関係を大切にしながら、豊かな生活を形づくるためのサポートをする。それこそが、同社の事業に対する姿勢だ。そしてその思いは、社内で共に業務に取り組むメンバー同士の関係性にも良い影響を生み出しているという。

「仕事に取り組む上でも、やはり人と人との繋がりを大事にし、お互いに尊敬し合いながら共に努力していく姿勢が重要です。当社では、“1の恩を受けて、100の恩を返す”というバリューも共有しています。ユーザー、お客様、そして社内のメンバーとの結び付きを大切に、信頼を重視した取り組みで世の中を変えていきたいと、私は考えています」（木村氏）。

最後に、木村氏に転職者に向けたメッセージを送ってもらった。
「本気で世の中を変えようと思っているメンバーが集まっている当社で、これから入社する方にもその熱量を感じていただきたい。そして、ご自身の熱量を最大限に発揮し、自由と責任を重視する当社の環境で能動的に挑戦していただきたい。それが私の願いです。大きな発展の可能性を秘めた顔認証プラットフォームを手掛ける当社で、一緒に新しい文化をつくっていきましょう」