グループのIT中核会社として
大手私鉄『東急電鉄』を子会社に持ち、さらには交通事業のほか不動産、生活サービス、ホテル・リゾートの4つの事業セグメントを展開する東急株式会社。その東急株式会社直系のシステムインテグレータが、東急テックソリューションズである。
同社が所属する東急グループは、国内・海外合わせ232社5法人。交通に留まらず様々な事業で相乗効果を発揮し、時代の先を見据えた持続可能な生活環境の創造を目指している企業集団だ。
東急テックソリューションズの起源は、1986年に遡る。東急グループ企業の情報システム関連事業を分離独立しスタート。IT部門としての機能や東急グループの一部顧客とグループ外案件を中心に展開を進めてきた背景がある。2015年以降は、東急グループのICT戦略をより強固にすべく、IT機能の『中核会社』として積極的にグループ各社の支援とその領域を広げてきた。
社歴は間もなく35年を迎えようとしている。しかし、30年間の実績に新しい風を吹き込んだのはなぜだろうか。
東急グループは千を超える様々なシステムが稼働している中で、一部 各社各事業部門ごとに各々でシステム導入、外部ベンダへの支援を活用してきた背景もがある。その外部ベンダを頼る傾向を改善していこうという想いもあったようだ。グループ内におけるITの専門家がグループ内の課題を自ら認識し、各社が幅広い多様な事業を推し進めていくなかで、リソースを共有したり、その知見を同社がハブとなって提供・支援していく構造に少しずつ変革していこうと進めてきたのが、東急テックソリューションズの直近の過去5年間である。
事業領域と2大事業部門
同社のプロジェクトは、5つの事業部門からなる。
その中でも、グループ各社のアプリケーション領域を担う開発ソリューション事業部とグループITインフラを提供するインフラソリューション事業部を紹介する。
ーー開発ソリューション事業部ーー
グループ各社における大小さまざまなシステム案件に対して、計画段階から導入・運用に至るまでは発注者側または発注者側の立場で関与しているのが、当部門であり特徴だ。ビジネス領域・業務側へ踏み込むケースや、グループ全体の事業・仕組みを捉え、各社の事業成長に上流工程から参画するなどグループとしても重要なポジションである。内外向けの基幹システムやそれら周辺システムのアプリケーション開発、保守、運用と各フェーズにおける活躍人材を募集している。
・各種システム導入や更改PJにおける企画業務支援・要件定義設計・ベンダー管理・開発保守運用
・急行券予約(有料座席指定)システム
・東急ポイント・クレジット関連システム
・グループ共通会計・グループウェアなどの業務アプリケーション
・座席管理(オフィス)システム
・マーケティング支援(SNS・キャッシュレス決済関連)
・業務支援端末(iOS) など
ーーインフラソリューション事業部ーー
グループ各社に対し、業務用PCをはじめ、グループウェア・ネットワーク・セキュリティ対策などインフラ環境の共同利用サービスを提供している。グループ事業環境の変化やワークスタイル変革に対応するインフラのロードマップを継続的に模索し提供するのが、当部門の役割である。
・SSO基盤/統合ID管理
・widowsPC更改PJ
・AWS基盤導入
・リモート環境整備
・グループネットワーク整備
・ITシェアードサービスの提供・運営 など
エンジニアが働きやすい環境を目指して
社名変更、それから落ち着きのあるデザインのオフィスに移転したのは2016年である。
会社として新しく生まれ変わる、という会社としての宣言と従業員とその家族への約束として、『変化』を決めたのだ。
グループの事業支援には従業員への意識改革だけでなく、人的リソースも明らかに不足していた。
当初は150名程度の規模であったが、各社が求めている課題解決に入り込むべく、外部からの新しいアイデアも吹き込ませるための人材確保、さらには関与するエンジニアの様々な業務工程(上流~運用・保守)への関与を目指してきた。固定ポジションではなく、業務ローテションを通し様々な経験によって新陳代謝を促進するような施策を打ってきた。2019年には人員増によるオフィス増床も果たし、従業員の労働環境の改善とさらなる体制強化を目指している。
ーー社内環境の改善施策(一部)ーー
・人事制度の見直し
・研修制度の充実
・社内交流・イベントの開催
・部門編成の改編
・オフィス移転/増床
・健康経営の促進
一部の取組みを紹介する。
■研修制度
働くエンジニアのバックアップの為に、新たに資格試験の受験料負担や資格取得者には合格一時金の支給を行っている。また、従業員のスキル・キャリアアップの一環として、外部研修機関と提携し、各種スキルアップセミナーの受講、eラーニング環境の提供など、エンジニアに必要な新技術の習得や上位ポジションへの昇格を目指すためのスキルアップに活用が可能である。
■全社イベントの実施■
同社従業員は本社勤務の他、各グループ会社勤務など様々なロケーションで業務へ従事していることから、
社員同士の交流やエンゲージメント向上施策を拡充してきた(コロナ禍により一時休止中)。
・全社懇親会(東急ホテルズなどで全社員を集めた懇親会や新入生歓迎会の開催)
・全社ボーリング大会と表彰式・立食会の開催(17年度/18年度/19年度開催)
・社内有志によるイベント開催など
・年始賀詞交歓会 ほか