株式会社ジェネシス

株式会社ジェネシスは、システムコンサルティングやシステムインテグレーション、アプリ開発等を手掛ける、従業員数は約40名の会社だ。だが、その実績を見ると、規模感からはイメージしにくい程、大規模なプロジェクトが並んでいる。

例えば、某官公庁向けの文書照会システムや機械翻訳システム等、原子力発電所向けの設備保全管理システムや補修作業支援システム等、社会インフラに関わるダム・河川監視システムや道路監視システム等、多数手掛けているのだ。

しかも、その多くで提案、要件定義、設計といった上流工程から携わり、プロジェクトの基幹部分を任されていると代表取締役・坡山浩二氏は語る。

「設立以来、高い技術力と強い責任感で一つひとつのプロジェクトに真摯に取り組み、実績と信頼を積み重ねてきた結果、ジェネシスであれば、と話をいただけるようになっています。最近では、当社がこれまであまり取り組んだことのないようなシステム開発、例えば、AI等の先端技術を取り入れた開発案件についても、声をかけていただいています。現在も、機械翻訳技術を活用するシステムの開発案件に、提案段階から参画しているところです。ただ、現状では人的リソースが足りず、やむを得ずお断りしている案件が少なくないのも事実なので、新たな戦力を必要としているのです」

同社がどのくらいクライアントから信頼されているかは、案件の多くを一括受注し、自社内開発していることからも窺い知ることができる。

「社内に知見を蓄積するには、自社内開発を行うのが最も効果的な方法です。そのため設立時から可能な限りこだわってきました。当然ながら、案件によってはセキュリティの問題等からお客様先へ常駐することもあります。しかし、できるだけ交渉を重ねて自社内開発を了承いただき、プロジェクトに参画している各社で当社だけが自社内開発というケースであっても、高いクオリティを維持できることを証明してきました。これが許されるのも、設立から20年以上かけてお客様との間で築き上げた信頼のおかげだと思っています」（坡山氏）

株式会社ジェネシスの主要取引先は、大手SIerである。ただ、現状は多くの引き合いに応えるだけの人的リソースが不足しているため、まずは社員数を50名まで増員して、クライアントの要望に対応できる体制づくりを進めていくという。同時に、手掛けるプロジェクトの幅も広げていく予定だと、専務取締役の永瀬朋之氏は説明する。

「例えば、原子力発電所の設備保全管理システムで培った技術は、様々なプラントの設備保全管理に応用できます。この分野ではIoTを使ってビックデータ化し、それをAIで解析するケースが増えています。弊社強みでもある保有技術とIoTやAIという新しい技術が合わさることで、より一層弊社強みが増し、新たなチャンスが生まれると考えています。」（永瀬氏）

「また、近年、インフラ導入提案・設計・構築、運用設計・保守にも力を入れております。システム開発では、ソフトウェアだけでなく、それが動作する装置やミドルウェアに関する知識や技術も不可欠です。また、エンドユーザーの運用が円滑に回ること、障害発生時の対応が迅速かつ適切に行われる仕組みを構築することも非常に重要です（当然のことですが、、）。エンドユーザーが本当に必要としているシステムの提案～運用までをワンストップで対応できる企業に成長すること、それが目標と考えています。」（永瀬氏）

その体制を整えるには、社員の増員と共に技術レベルの研鑽も不可欠な要素となる。その点においても自社内開発が有効だと坡山氏が続ける。

「経験のある人材と一緒に開発に携わることができる自社内開発だからこそ、属人的になりやすい技術を会社の資産として共有することが可能になります。当社は非常にフラットな環境で、上下関係なく質問しやすい雰囲気があるので、学ぼうという意欲さえあれば、成長できる機会はたくさんあると自負しています」（坡山氏）

また、新しい技術に前向きなのも、同社の特徴の一つだろう。なにしろ代表自らが新たな技術の吸収に貪欲で、これまでにも、産学連携等による様々な応用技術研究開発を行ってきたからだ。例えば、高速動画処理ライブラリ開発やチューナブル光学フィルタ制御技術研究開発、ウェーブレット応用技術の研究、USBを利用した計測器制御インターフェースの企画・開発、国際規格への提言等、その内容は幅広く、古くから積極的に取り組んできたことがうかがえる。

「なかば私の趣味のような側面もありますが、エンジニアであるからには、好奇心は大切な資質だと思っています。ですので、社員の好奇心も大事にしたいと思っていますし、新しいことに挑戦する気持ちは尊重します」（坡山氏）

上流工程の経験値を積んで、PLやPMを目指したいと思うエンジニアにとって、株式会社ジェネシスは魅力的な環境だ。手掛ける案件の多くが提案や要件定義の段階からというだけでなく、クライアントである大手SIerとの間には強い信頼関係があるため、エンドユーザーとの打ち合わせや提案の場にも参画できるからである。この環境を活かして、「エンジニアとして一つでも上を目指したい人に来てほしい」と永瀬氏は強調する。

「新しいことに挑戦したい、新しい技術を身に付けたい、いちエンジニアとしてだけではなく、プロジェクトマネジメント・スキルを培いたい、磨きをかけたい――そんな前向きさのある人であれば、当社の環境を楽しめると思うからです」（永瀬氏）

ただし、エンドユーザーと直接対話する場面があるからこそ、ビジネス・コミュニケーション力も不可欠だと坡山氏が補足する。

「クオリティの高いアウトプットを出すためには、時に専門家としてお客様にNOと言わなければならないことがあります。お客様の言うがままつくることが、お客様が満足できるシステム構築につながるとは限らないからです。満足してもらえなかった時、『あの時、そう言ったではないですか』等と後から言い訳するのではなく、上流の段階からしっかりとコミュニケーションを重ねて、顕在的・潜在的に関わらず、お客様が求めていることを掘り下げ、それを形にすべく、方法を追求する。そんな人がいいですね。それができる人は、経験上、何事にも好奇心を持って自ら知ろうとする人だと思っています」（坡山氏）

「当社は小さい会社です。しかし、扱うプロジェクトは大規模なものが多く、基幹部分というやりがいあるパートを任せてもらってもいます。とはいえ、現状に満足しているわけではなく、新しい技術を利用したシステム開発にもどんどんチャレンジしていきたいと考えてます。新しい仲間達も加えて、より一層会社として成長していきたいと考えています。この想いに共感し、一緒に汗を流してもらえる人をお待ちしています」（永瀬氏）