株式会社インフォライズ

株式会社インフォライズは、日立情報システムズ社とインフォマート社の合弁で2010年1月に設立されたフード業界向けクラウド型サービスのベンチャー企業だ。

親会社であるインフォマート社は、フード業界企業間電子商取引プラットフォオーム「FOODS Info Mart」を携え、利用企業数20,000社、売上高29億円、営業利益7億円を実現し、世界的な不況においても成功している企業だ。同社が提供しているのは、「商談」「受発注」「規格書管理」「受注・営業」といった、企業の営業活動の各局面において、業務コスト削減・取引先の囲い込み・新規取引先の開拓などを実現するASPシステム群だ。現在までは特にフード業界に特化したシステムを開発しており、飲食店、食品卸売業者、食品メーカーといった業界関係者に多くの顧客を持っている。

食品メーカーの商品をデータベース化し、卸会社向けに効率的な販促ツールとしてシステムで利用させるという仕組みが、フード業界以外への展開において力を発揮するものと同社では考えている。「業界全体の情報流通の効率化サービス」を提供するのが、インフォライズのミッション。インフォライズは、インフォマートの今後の成長における重要な戦略的子会社として位置づけられているのだ。

インフォライズが提供するシステムは、「FOODS Info Rise販促システム」だ。食品メーカーは、このシステムを月々の使用料を支払うことで利用できる。画像データを含む販促用の商品情報や、販促に効果的なレシピ情報を登録し、効率的に商品情報を得意先の卸売業者に提供することができるようになる。また、欠品や終売、イベント等の情報通知などを行なったり、卸売業者がシステム上で利用したデータを把握することでニーズを察知する等のマーケティングに活用したりすることも可能である。

一方、卸売業者では、データベース上に存在する商品情報とレシピ情報を横断的に検索し、PDF形式で出力が可能なため、取引先の飲食店に正確でタイムリーな情報を提供し、提案力を高めることができる。また、飲食店では、メーカーの情報を閲覧することで最新のトレンドを把握し、メニュー開発に生かすことが可能だ。これらの卸売業者・飲食店は、システムを無料で利用できるため、導入が一気に広まり、メーカー側の参入・システム利用も促進される仕組みだ。

これまで、企業の情報流通においては、各企業の内部で基幹システムが構築され、それぞれが独立した仕組みとして稼動してきた。そのために、企業と企業の間での情報のやり取りの非効率さが残っており、さらに一層の成長を期するには、業界全体でシステムと業務を標準化しなければならないという危機感があると、同社では考えている。

同社のクラウド型プラットフォームにより、業界全体の情報流通の効率化と活性化が期待できるとして、同社では積極的に普及活動を行なっている最中である。

設立されたばかりの同社とはいえ、既に親会社の事業が確立され、顧客リストも潤沢だ。ひとつの企業のスタートとしては、有利なものだろう。しかし、親会社を含めたグループ全体で成長戦略を実現していくために、同社には重い責任が課せられている。このため、同社では誰もが士気を上げている。勢いに乗り、一気に事業を軌道に乗せるため、同社ではこれから広く採用を行なうつもりだ。

同社やインフォマートがゴールとしているのは、日本のフード業界だけではない。同社のミッションである他業界への展開のほか、世界への横展開も見据えており、既に中国に支社を設立した。

同社の壮大な事業計画にわくわくする気持ちを感じる人は、まず採用の第一関門を突破しているといえるだろう。さらに、新しい会社を立ち上げていくプロセスに興味がある人、自分の成長を会社の成長と重ねて考えられるマインドを持つ人が歓迎されることだろう。