株式会社東機貿

製造・メーカー系

「生命力」を輝かせるために。医療機器の輸入メーカー

グローバルに活動

企業について

医師としてではなく、患者を救う道を選ぶ

株式会社東機貿は、世界から優れた医療機器を輸入・販売するほか、海外にある子会社メーカーでの自社製医療製品の開発・製造を手がける企業だ。同社は1955年、医学博士だった佐多保之氏により設立された。佐多氏は、戦後の貧しい日本に戦地から帰還して医学の道についた。まもなく米国から送られてきた手術用麻酔器のカタログにショックを受けたことが、同社設立のきっかけになる。日本では手術が原因でなくなる人も多かった時代に、米国では麻酔学が大きな発達を遂げ、人々の命を救っていた。医師として患者を診ることだけが患者を助けるのではない、アメリカの医療機器を輸入する仕事も、患者のため、日本のためになると、創業を決意したのだ。

それから約55年間、同社は「生命力を発揮する手伝いをする」という理念の下に、海外製の高度な医療機器の輸入・販売を通して、日本の患者達の命を救う仕事に懸命に取り組んできた。その結果、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡、鹿児島など全国の主要都市に支店を設け、海外にも広くグループ企業のネットワークを持つインターナショナルカンパニーに成長し、多くの医療機関から頼られる存在となった。

「驚かれることでしょうが、日本が世界に誇れる医療機器の会社というのは実に少ないし、今海外から医療機器が入ってこなくなったら日本はその日から大変困ることになるでしょう」と同社の代表取締役社長　佐多保彦氏は語っている。海外では当たり前のように使われている医療機器が、日本では厳格な法律や関連手続きの煩雑さから導入を阻まれ、病気に苦しむ人たちをどうにもできないままでいるというのだ。同社では、医師や看護師といった人たちとは違った角度から、しかし同じぐらい尊い仕事として、誇りを持ってこの事業を推進している。

命に関わる製品群。世界の同僚達と共に日本に届ける

同社では、人工呼吸器をはじめとし、患者モニター、麻酔用呼吸回路など、ICU、救急、麻酔で使われるクリティカルケア製品、手術用無影灯やストレッチャーなどの病院設備製品、その他脳神経外科・外科関連、産婦人科関連、整形外科関連、在宅ケア関連の様々な製品をラインナップしている。特徴として、命に直接関わるものが多く、医療現場において強く必要とされている製品ばかりだ。

同社の製品は、全国の大学病院、入院施設を備えた大型病院などに納入されている。マーケティング担当、営業担当、技術サポート担当が密接に連携し合いながら、顧客である病院に対して提案活動やサポート活動を行なっている。また、同社とグループ会社、取引先のすべてがISO9001およびEN46001を取得しており、国際標準に則った高いクオリティレベルを保って業務を行なっているため、病院からの信頼もあついという。このような同社の活動の結果は、米国商務長官から過去4回にわたって感謝状が贈られたという事実にも表れている。

東京都港区および品川区にある同社の本社とロジスティクスセンターには、輸入・販売・管理部門が置かれており、商品企画、製品を日本に輸入する一連の手続きや薬事申請、保守契約・定期点検による保全などが行なわれている。また、セミナールームが設置され、医師や看護師、臨床工学技師、救急救命士などに対して定期的にセミナーを実施。製品の正しい情報を伝えている。

研究・開発に関しては、アメリカにあるNEWPORT MEDICAL INSTRUMENTS. Inc.で、同社がこれまでに蓄積した知識や技術を基に、多機能で高品質な人工呼吸器を開発･製造している。また、フランスにあるSOPYSA S.Aでは、水頭症の治療に用いられる圧可変型バルブを専門的に開発・製造。スイスにあるTKB医療技術研究所においては、人工呼吸器を中心とした医療機器の研究を行なっている。グループ全体としては、国内に約300人、海外に約250人の社員が在籍し、これらの事業を支えている。

さらに同社では、人間は「身体」と「心」から成り立っていると考え、身体に働きかけるこれらの「ハードウェア」を届ける仕事のほかに、心をケアする「ソフトウェア」をも充実させるとして、フォトギャラリーやリゾートホテルの経営を行なっている。

フォトギャラリーでは、国内外の優れた写真家の作品を紹介し、ホテル事業ではフランスのブルゴーニュ地方にある城を再生して宿泊とゴルフを楽しめる施設として提供している。

アットホームで温かい社風

「ハード」と「ソフト」の両面を大切に、命に関わる仕事に携わる同社の社員達の思いは、やはり経営理念「生命力」に集約されているようだ。人々が心と身体の調和の取れた生活を送り、生命力を十分に発揮できるようにサポートすることをミッションとして、日々の仕事に向き合っている。

社内の雰囲気は、医療系の会社に想像される堅いものではなく、むしろアットホームで親切な人が多く、風通しが良いようだ。チームの連携が強く、お互いに協力する姿勢を惜しまない。分からないことがあって困っている人がいれば、おせっかいなくらいに手を差し伸べてくれる。慣れていない人でも、遠慮なく分からないことをたずねることができる雰囲気だ。また、そんな社風を、社員達自身も気に入っているようだ。

仕事によっては、海外に短期・長期の出張をしたり、現地で1年間の研修を受けるといったこともある。海外拠点においても、TOKIBOグループは家庭的な雰囲気を持ち、一丸となって仕事を行なっている。佐多氏の指揮の下、アットホームで温かい雰囲気を誇る会社である。

企業情報

会社名

株式会社東機貿

業界

製造・メーカー系 > 医薬品・医療機器

企業の特徴

グローバルに活動

資本金

9,180万円

設立年月

1955年06月

代表者氏名

代表取締役社長佐多保彦

事業内容

医療機器の輸入販売

■集中治療(ICU)、救急、麻酔関連製品
人工呼吸器、各種モニター、検査機器、麻酔、救急関連製品など
■病院設備関連製品
手術用無影燈、ICUベット、ストレッチャー、空気清浄機など
■脳神経外科及び外科関連製品
埋め込み式薬剤投与、水頭症治療用のシャントバルブ、ICPモニタリングなど
■産婦人科関連製品
組織培養液、インキュベーター、カテーテル、頚管拡張器など
■整形外科関連製品
脊椎インプラント、人工関節等、セメントなど
■在宅用呼吸器関連製品
在宅人工呼吸療法(HMV)用人工呼吸器、加温加湿器、NPPV用マスクなど
■睡眠ケア関連製品
CPAP装置、CPAP用マスクなど

株式公開（証券取引所）

非上場

主要取引先

国・公・私立大学病院、国・公立病院、各種団体・法人・病院、各種健康管理センター他

従業員数

550人

本社住所

東京都港区東麻布2-3-4