サイバーイメージング株式会社

サイバーイメージングは、2003年1月の設立以来、プリンタのプリントヘッドとして使われるサーマルヘッド技術を基盤に、サーマルヘッドを用いた各種プリンタ製品の開発・販売や、同技術のライセンス供与を中核ビジネスとして展開している。
サーマルヘッドは、レシートやファックス、「プリクラ」や「フォトキオスクプリンタ」などの昇華転写プリント、各種ポイントカード、鉄道の乗車券・SuicaやPASMOに代表されるICカードなどのプリントを支える技術として使われている。しかし、従来のサーマルヘッド技術は、印字した履歴データから推測計算によって次の印字制御を行う「履歴制御方式」を用いるため、これ以上高速・高精度なプリントを行うのは難しいと見られていた。

そこで同社は、サーマルヘッドの発熱素子自身の温度をリアルタイムに直接検知し、その内容を印字に対してフィードバックして制御する「積算エネルギーフィードバック技術」（Intelligent Thermal Technology）を開発。現在の履歴制御方式では実現することのできない、高速印字、低電力、安定した印字性能、長寿命などの特長をもたせることに成功した。

「創業者である福島格は、前職のNEC時代から一貫してサーマルヘッド技術の研究開発に取り組んでおり、その道の第一人者として国内外で認知されています。福島は、サーマルプリンタはこれまでメインだった文字だけの印字用途のみならず、画像を高速・高精度にプリントする技術を備えることで、さらに可能性を広げることができると考えていました。そこで当社を設立して、従来の履歴制御方式の弱点を克服できる新しい方式を生み出そうとしたのです」と池田氏。

その成果は、すでに具体的な形として表れつつある。たとえば大型店舗などに設置されるフォトキオスクに内蔵されるプリンタは、他社の一般的なプリンタが15秒／枚のプリント時間がかかるところを、新技術を用いた同社プリンタは世界で初めてプリンタに搭載される水冷技術の効果もあり1．5秒／枚の速度でプリントできる。また、ポイントカード用のリライタブルプリンタ（繰り返し印字、消字を行うプリンタ）は、既存品に比べてサイズ、消費電力とも半分に抑えたタイプを開発。さらに、同社技術を用いた応用機器は、消費電力を最大90％削減できることも確認されている。

こうした効果は、業界で広く認知されており、すでに同社技術の使用を希望する複数の大手プリンタメーカーとアライアンス契約を締結。さらに、省エネ効果などが認められ経済産業省、NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）、RITE（地球環境産業技術研究機構）の各政府系機関から技術開発の補助金交付を受けている。
「会社設立以来、徹底的に技術を磨きつつ、業界内で当社技術の認知度を高めるための『種まき』に取り組んできました。その結果、多くの方に認めていただける技術が確立され、いよいよ本格的な製品・技術の販売に乗り出す『収穫の時期』が来たと感じています。将来的な株式公開も視界に入ってきました」（池田氏）

同社の仕事を特長づけるもの---それは、技術に対する並々ならぬこだわりである。
「会社設立から比較的早い時期でも、製品や技術を世に送り出すチャンスは何度かありました。しかし、他社と明確に差別化できる、極限まで完成度を高めた技術を確立するために、これまでの月日を開発と検証の繰り返しに費やしてきたのです」（池田氏）

通常、多くの企業は、画期的な技術を生み出すと、先を急いで製品化して、バージョンアップにより少しずつ技術レベルを上げていく。しかし、同社は決して安易な道を選択することはない。
「社長の福島はCTO（最高技術責任者）も兼務しており、サーマルヘッド技術の第一人者として妥協することなく日々技術追求しています。こうした経営トップに刺激を受け、当社のメンバー一人ひとりについても技術にこだわる姿勢が浸透しているのです」（池田氏）

技術に対するこだわりは、時には社長の福島氏を交えた技術者同士の激しい議論に発展する。技術者にとっては自分のアイデアを余すことなくぶつけられる一方で、常に厳しい評価にさらされる環境でもある。それでもメンバーが活力を失わないのは、自社の技術に絶対の自信をもっており、その技術を世界中に広めたいと願っているからだ。

「自分の技術領域や考え方に必要以上に固執する人は、当社の仕事には向いていないと思います。なぜなら、たとえばプリンタを作る場合でも、『メカ』『エレキ』『ソフト』といった各分野の技術を融合しなければなりません。お互いが意見を交わして総合力を発揮するプロセスが不可欠であり、自分の意見を大切にしつつ他者の意見を聞くことが仕事を進める上での大前提になると思います」（池田氏）

創業以来、磨き上げてきたサーマルヘッド技術を確立し、これから本格的な製品・技術の販売を目指す同社では、在籍しているメンバーとともに成長を推し進める中核メンバーを求めている。
池田氏は求める人材の姿についてこのように語る。
「マインドの面では、目標達成のために努力と時間を惜しまず、ベンチャー企業の苦楽を共有できる前向きな姿勢が必須。当社では、大企業のように『歯車』になる必要がないものの、コンパクトな人員がゆえに時には自分の専門領域を越えて仕事をしなければならないケースがあります。また、我々の優れた技術を世界中に広めていくためには、もう一段も二段も質・量とも高めた仕事を行う必要がある。そのような過程を前向きに捉えて仕事ができる人材が理想ですね」

さらに、具体的なスキルに関しては次のように説明する。
「技術系については、『メカ』『エレキ』『ソフト』のいずれかの分野での開発経験があれば、必ずしもプリンタ業界の経験は問いません。特に弱電分野での経験や、携帯オーディオプレイヤーなどエレクトロニクス製品の小型化に取り組んできた人はプラスに働くと思います。また、営業系については法人営業、技術営業、企画営業などの経験があって、単にものを売るだけでなく、新しい開発案件自体を受注できるぐらいの力があれば言うことはありません」（池田氏）

ビジネスの拡大が見込まれる同社では、今後の展開次第で事業部制の導入などを視野に入れており、マネジメント職も増える見込み。通常の企業に比べて早い段階で部長クラスにステップアップするチャンスも生まれそうだ。また、年俸制の報酬についても、これまでの実績ではダウン提示はなく、最大20％以上アップした社員もいるという。コンパクトな体制をとっているため成果が見逃されることなく、正当な評価を受けられる環境にある。

「当社が展開する独自のサーマルヘッド技術は、世界で唯一の存在であり、毎日が新しい仕事や発見で満ち溢れています。将来的にはサーマルヘッド技術にとどまらず、『総合エンジニアリングカンパニー』を目指す青写真もあるんですよ。技術者にとっては自分のアイデアをぶつけられる魅力的な環境がありますし、営業マンもすでに市場に認められた商品を自信をもって売りこむことができると思います。チームとして成功することに力を尽し、その中で自らも成長を遂げることを望まれる方は、ぜひ当社の扉を叩いてみてください」（池田氏）