長きに渡って自社の人材を見てこられたわけですが、どんな方が多いと感じていますか。
アイシングループは、グループとはいえ会社毎にカラーが違います。やっぱり「高丘向きの人」というものがあると思います。率直に言うと「元気がよくて、声が大きい人」。荒っぽい部分もある会社ですし、お互いに色々情報交換しながら仕事をする必要がありますので、内向的な方には働きづらいでしょう。一部、研究肌の社員もいますが、皆が考え込んでしまったら業務は止まってしまいますから、走りながら考えられる人が多いです。 また、「鋳造」というニッチな分野を手がけていますので、中途採用の方は例え鋳造の経験がなくても仕事内容を理解して来てくれているようです。
中途採用の方は、この会社にどんな魅力を感じて応募してくるのでしょう。また、具体的にどんな活躍をしている方がいますか。
鋳造というのは大きな炉で材料を溶かして型に流すというダイナミックな仕事です。その反面、温度や湿度で状態が常に変わるという繊細さも持ち合わせています。この奥深さを追求できる環境があることが魅力なのではないかと思います。 また、材料メーカーとしての強みもありますから、世界初の材料で世界初の部品を設計し、一気に市場占有率の高い商品を生み出すチャンスに恵まれているという面もあります。良いものは系列に関係なく売れます。削りやすい材料を開発するとか、鋳造の技術で加工面を減らすとか、公差の大きい鋳物において加工レスの鋳物を作る技術を開発するなど、活躍の余地はまだまだいくらでもあります。夢のある仕事だと思います。自分の力を試してみたいと思っている人が、思い切ってチャレンジする環境があるのは他社にはないところでしょう。 毎年定期で新卒の方を採用していますが、その人数はここ数年あまり変わっていません。事業拡大で人材補完が急務になっているところは、ほとんど中途採用でまかなっています。ですから、入社からほどなくして重要な仕事をお任せすることもありますし、現在活躍中の課長クラスの社員には中途入社組も多いです。最高では役員に就いている人もいます。色々な経験を持った人が活躍できる場でなければ、強い会社にはなれないと考えていますから、中途採用の方に対する期待は大きいです。
働きやすく、コミュニケーションが活発な企業風土だと聞きました。
社長自身が「壁を作らず距離を縮める」ということを強く意識しています。昨今、いろいろな企業で様々な問題が起きていますが、重要な情報が上まで上がって来ていないために問題が拡大しているケースも多いと感じています。現場の声や提案にトップも含めて耳を傾け、できるだけ距離を縮めることで社長や役員と社員の間に「負の力」が働かないようにしたいと思っています。 新入社員の入社式のような堅い行事もやり方を変えました。新入社員と社長を含む役員で円卓を囲み、ざっくばらんにお互いの話をする座談会スタイルで歓迎会をしています。こういうところからも、話しやすく相談しやすい雰囲気が生まれているのではないでしょうか。
向こう5年で国内工場の鋳造ラインをリニューアルする大規模計画がありますが、それにあたりどんな人材を採用したいと考えていますか。
現場のリニューアルには生産技術が当然必要になります。しかし、工場が変わり生産力が飛躍的に向上すれば、生産管理も新たな営業も必要です。経営企画も変わるでしょう。現在は男性の多い職場ですが、価値観の固定化を打破するために女性の積極的活用も考えたいと思っています。例えば「男の職場」のイメージが強い鋳造の現場に女性が入ることで、作業負荷の軽減が実現するかもしれません。 各部署とも、今回のリニューアルにかける期待はとても大きいです。長年のイメージの中で「変えたい」と思っていた部分を変える絶好のチャンスですから、場合によっては既存社員も経験していないチャレンジをすることになり、当然仕事は大変だと思います。しかし、自分たちで鋳造ラインを一から作り上げていける経験なんて、長く製造業に携わっていてもそうそうないことでしょう。出来上がったシステムの中で安穏とするのではなく、皆と一緒に企業を、工場を作っていきたいという熱い想いのある方に、是非来て欲しいと思います。