クリーヴァ株式会社

クリーヴァ株式会社は、Web UI/UXデザイン、Webシステム開発、Webマーケティングのサービスを展開。受託開発だけでなく、月額制の開発チーム・レンタル『sucsak（サクサク）』というユニークなサービスを提供している。これは、クライアントが必要としているスキルセットに合わせて開発チームを組み、レンタルするというサービスだ。

特長といえるのが、システム開発だけに特化していない点。Web系開発では、デザインやマーケティング領域のスキルを持つ人材と組んで開発を進めなければ、クライアントの望むシステムやプロダクトを形にできないケースが少なくない。そこで、『sucsak』ではシステム開発に軸を置きつつも、クライアントの状況や要望に応じて、デザイナーやマーケターも含めたチームを組成し、提供している。チームアップにおいても、社員だけで構成することにこだわるのではなく、あくまでも“スキルセットを重視”し、最適なチームを組成するためにパートナーやフリーランス等を柔軟に組み合わせている点も特長的だ。

「SESなどでエンジニアを確保したものの、マネジメントできる人材がいないために、思ったような成果を出せず困っているお客様が少なくありません。そこで、チームマネジメントできる人材も含めたチームをレンタルすることで、プロダクトを形にすることに関する余計な手間暇や悩み事から解放し、お客様が本来注力すべきコアな業務、例えば、事業成長に向けた戦略立案や事業開発等に集中できる環境を提供していきたいと思っています」（代表取締役/CEO・宮崎達也氏）。

また、今の時代、Web系のシステム開発、プロダクト開発では、開発しただけで終わりということはほとんどないため、「事業成功というゴールを共に目指す並走パートナー」を目指していると宮崎氏は続ける。
「お客様からは企画の立ち上げ段階からご相談いただくことが多く、アイデアの壁打ちやニーズ調査に係るインタビューのお手伝いといったマーケティング領域をサポートすることも。プロダクトのリリースまで開発を担った後も、運用保守、リリース後の改良、改善まで一貫して並走し続けます。そのため、当社の事業内容を説明するときは、単なるシステム開発ではなく、Webコンサルティングだといっています」

同社の成長戦略は、二段階構想になっている。

まず事業の柱である伴走型開発支援サービス『sucsak（サクサク）』をはじめとした、クライアントワークによって収益の基盤強化を進め、その基盤を土台として自社プロダクト・サービス開発にチャレンジするというのが、その戦略だ。

「最初から新規事業開発１本でチャレンジしてしまうと、それがうまくいかなかったとき社員に給与を支払えなくなってしまいます。そのため、まずはクライアントワーク事業においてお客様との信頼関係、会社としての信用度をしっかりと高めていき、安定的に収益を確保できる土台を固めていきます。」（宮崎氏）。

とはいえ、新規事業開発のほうもすでに動き出している。1つ目は、クリエイターエコノミー領域のサービス「SparC（スパーク）」、2つ目が建築・建設現場向け現場管理オールインワンツール「AirQuest（エアクエスト）」だ。

「どの新規事業開発もまだ検討段階であり、今後、どこに注力していくのか、新たなプロダクト開発に乗り出すのかについては、実現可能性や成長性等を見極めながら判断していきます。メタバースも今のところバズワードに過ぎず、どこまで広がるかは未知数ですからね。つまり、これから当社に入るメンバーにも、新規事業の方向性を決めることが可能というわけです」（宮崎氏）。

同社が最も大切にしているキーワードは、“共に創り、共に前へ”、つまり共創だ。クライアントと伴走する、事業開発・プロダクト開発のパートナーとして、お客様の成功を一緒につくりあげることを意識して仕事をすることを大切にしている。同時に、社員と一緒にお客様の満足を追い求め、会社も社員自身もチャレンジを通じて成長していくこと、パートナーとも“よい仕事”を通じて信頼関係を育みながら一緒に歩んでいくことなど、関わった人たちと“共に”前へ進んでいくことを非常に重視しているわけだ。

「実は、設立当初、“共創”というキーワードはありませんでした。当時掲げていたのは、“価値創造”です。でも、一人からスタートした当社に少しずつ社員が増え、協力してくれるパートナーやフリーランスが増え、お客様との関係性も深まっていく中で、単なる受発注の関係ではなく、それぞれの成功を実現するために、肩を並べて並走するパートナーでありたい、新たなものを共に生み出し、前へ進む関係でありたいと考えるようになり、このキーワードが生まれました」（宮崎氏）。

共創を実現するためには、まずコミュニケーションが重要になる。クライアントが望むことを的確に汲み取るには、会話を重ね、その裏にある思いまでイメージできなければならない。クライアントが口にしたことをそのまま形にするだけでは不十分だと宮崎氏はいう。
「お客様がシステム開発に詳しいとは限りません。そのため、お客様が目指しているゴールへ向かうために最善と思えるシステムと、お客様が“欲しい”といっているシステムが一致しているとは限らないわけです。そのため、まずはお客様が必要としているシステムとは何かを、自分事化して考えていくことが重要です。ただ、コミュニケーションが不十分では、そのために必要な情報を集めることもままなりません」

また、自分一人でクライアントが満足するものを形にするのは難しいため、当然、一緒に取り組むメンバーたちと意思疎通を図りながら業務にあたらなければならない。
「他の人との協力体制を構築するには、ある程度自分の考えをオープンにすることが欠かせません。また、モノを形にしていく上では、難しい局面に直面することもあるでしょう。そこで立ち止まり、諦めるのではなく、“やってみよう”とチャレンジできる精神も大切です。このような思考を持ち、当社の考え方に共感してくれる方を求めています」（宮崎氏）。