アサヌマコーポレーション株式会社

日本および外国の大手化粧品メーカー各社に対して、様々なメーキャップアイテムをOEM・ODM販売するアサヌマコーポレーション。<br />日本で初めて「鉛筆型眉墨」を発売したというエピソードも持つ同社だが、OEMというビジネスモデル上、その社名が一般消費者の目に触れることは少ない。しかし、化粧品業界においてはひときわ大きな存在感を持つ企業だ。そのクライアントの名前を聞けば、国内メーカー・海外メーカーとも、誰もが知っている超大手ばかり。同社は特に、ベースメーク（ファンデーション等）と「色物」と呼ばれるポイントメーク（ネイル、リップ、アイライナー等）に強みを持つ。<br /><br />会社創業60周年にあたる2007年、同社は「グローバル企業への挑戦」を掲げ、上海麻沼化粧品有限公司を皮切りに積極的な海外展開をスタートする。同時に、独自の研究開発ラボを中心に、オリジナリティーを発揮した製品作りを推進し、さらに一歩抜きん出て市場のプレゼンスを高めようと革新のための模索を続けていく。

国内外のトップの化粧品メーカーから支持され続けるのは、同社が常に新しい技術に挑戦し、高品質な製品を製造するのに十分な体制を保ち続けているから。最近では、某国内大手メーカーの一ブランドを全面的に提供した実績がある。OEM先のメーカー各社では、研究開発コストを削減して、一定の注力製品やマーケティングに資源を集中し、その他の製品ラインアップについては同社のようなOEM供給者に委ねる傾向にあるという。したがって、同社が企画開発から製造まですべてを行える体制を持つことは大きなアドバンテージとなる。<br /><br />同社が評価を受けてきたポイントはそれだけではない。営業担当がクライアントのニーズや市場動向をしっかりと吸い上げ、それを新製品の研究開発に活かしてきたこと、さらに品質管理部門を設けて品質に対する厳しいチェックを行ってきたことも挙げられる。逆に、大手クライアントとの付き合いを通して品質やコスト、デリバリー、企業体力まですべてにおいて同社が磨かれてきた面もあると、取締役営業部長　麻沼氏は語る。<br />その結果、「国内の化粧品OEM企業の中ではベスト5に入る。」という実力を持つに至ったのだ。<br /><br />また近年は、化粧品の「容器」の需要も伸びており、オリジナル容器の新規開発を積極的に推進して各メーカーからの採用を狙っている。同社では容器のデザイン部門を新設し、化粧品と容器をトータルで提供する機能を備えた。<br /><br />このような磐石な国内市場への供給体制を基に、今後はアジアを中心とした海外進出を進めて行く。その最初となる上海工場は、2009年春の竣工に向けて着々と準備が進められているという。<br /><br />ベースメーク、ポイントメーク、容器の3本柱でトータルな化粧品のOEM提供を行い、それを国内外の大手クライアントに向けて展開していくのが同社の戦略。ここ4年間、順調に成長を続けている売上も、今後3ヵ年で80億円に伸ばす計画だ。

例えば研究所のグループ長は30代で占められているなど、若手を中心に明るく仕事に取組んでいるという同社の社員達。中途入社の社員も多いが、団結力が強い。今後の拡大にあたっては小規模組織の風通しよさや協力体制、コミュニケーション、機動力といった良いところを残しつつ、組織の専門性をより深化させ、全体のシナジーを高めていきたいと麻沼氏は語る。<br /><br />「社員によく伝えるのは、『常に上を見て仕事をせよ』という事です。例えば仮に当社の商品が家だったら、買う人の一生に大きな影響を与えますが、化粧品はあくまで嗜好品であり、手に届きやすいものです。しかしそのことに決して甘えるようなことがあってはならず、常に厳しい目で商品を開発し、高めていかなければ、海外を舞台にした競争に参入するのも難しいと言うことなのです。」（麻沼氏）<br /><br />生み出す製品にプライドと責任を持ち、化粧品OEMのリーディングカンパニーとして会社を成長させていくことが、クライアントである化粧品メーカーの利益を支え、その先のユーザを幸せにする。<br /><br />60年の歴史のある会社だが、それにあぐらをかくことはなく、組織も柔軟な進化を続けている。<br /><br />一年前に輸入雑貨の商社から転職し、現在は海外担当営業として活躍中の沖浦氏（30歳）は次のように語っている。<br />「何でもやらせてくれる会社であるところが魅力です。私が担当する職務はお客様と当社の研究所や工場、調達部門などとの間で調整・交渉を多く行うのですが、慣れない私を各部署の皆が助けてくれました。横のつながりも強い会社なのです。<br /><br />また、大手のお客様と接していると非常に刺激的で、学ぶところもあります。良いところはどんどん取り入れていくべく、社内の関係部署に伝えていくことを心がけています。将来ですか？海外営業ですし、当社はこれから海外展開をしていきますので語学をしっかりと身につけ、知識やノウハウをもっと向上させ、化粧品を使う女性に喜んでいただけるような商品作りに関わっていきたいです。」<br /><br />今後、大きな成長を目指すアサヌマコーポレーションの原動力となる人材が求められている。<br /><br />「明るく、殻に閉じこもらずに、やる気のある方、是非一緒に、私達と次代のアサヌマコーポレーションを作ってください。」麻沼氏はこうメッセージを送ってくれた。