iine.jp株式会社

イイネジェーピー株式会社は、大阪に事業拠点を置き、WEBシステムを中心とした受託開発事業を展開するシステム開発会社だ。設立は、2023年4月。現在は、オープニングスタッフの採用をはじめ事業体制の確立に注力している。

メインクライアントは、東/東南アジアに事業拠点を置き、化粧品やサプリメントなどの製品を、日本国内の消費者に販売する日系のEC企業だ。日本国内の市場では、10年以上の事業実績を持つ。東南アジアや東アジアに複数の配送拠点を設け、日本の消費者に商品を直送する物流体制を構築し、中間コストを削減。低価格での提供を実現することで、根強いリピーターを獲得しながら成長を遂げている。販売は自社開発によるECプラットフォームを通じて行っており、SE、デザイナーなど、多数の開発チームがシステムの開発・運用にあたっている。だが、今後のさらなるビジネス成長を見据えれば、開発リソースの拡充が課題となってくる。開発ニーズの受け皿として設立されたのが同社だ。

創業者の代表取締役・宇野義嗣氏は、業界歴25年のシステムエンジニアだ。15年前に東南アジアに移住し、日本人が経営するシステム開発会社に籍を置き、エンジニアとして働いてきた。

「自由に仕事がしたいと思って、学生時代にバックパッカーをしていた時に訪れた東南アジアに移住しました。東南アジアに住んでいると、現地に住む日本人と様々な繋がりができます。その中で出合ったのが、現在のメインクライアントです。実装したい機能はたくさんあるのに、それらを実現するためのリソースが圧倒的に不足している。それを手伝ってほしいというご相談がきっかけとなり会社設立に至りました」（宇野氏）。


最大の課題は、ECプラットフォームのフルリニューアルだ。現在、運用中のプラットフォームは10年以上前に構築したものであり、これまで機能追加を繰り返して規模を拡張してきた。しかしシステム自体の技術が古くなっていることから、新しい技術を使わなければ実現できない機能もある。現在は、現行プラットフォームの運用と並行して、スクラッチでリニューアルを進めているが、リソースが追いついていない状況だ。

こういった課題を解決するために、中長期的には現地の開発チームと同規模の開発体制を構築していく計画だ。地下鉄なんば駅直結という交通アクセス至便なビルに、約20名が勤務できるオフィススペースを用意している。

「受託といっても、現地の開発チームと一緒に開発を進めていく関係性です。仕事量も確保できています。体制を固めながら少しずつ採用し、年内には最低でも10名は採用したいと考えています」（宇野氏）。

“イイネジェーピー”という社名は、iine.jpというドメインに由来している。iine.jpというドメインは、同社設立に関わった関係者が、SNSに「いいね！ボタン」が実装される以前、2002年に取得していたものだ。今回の会社設立にあたって使用の許可を得たことが社名の由来となった。

その社名から、“「いいね」ファースト”という企業理念も定めた。

「“「いいね」ファースト”は、iine.jpというドメインが由来となっていますが、私自身の思いとも重なっています。クライアントに最高の品質とサービスを提供するとともに、社員に対しては、働きやすい環境とやりがいを提供し、成長と幸福感を促進したいですし、社会貢献にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。クライアントからも、社員からも、社会からも“いいね！”と言っていただける会社にしたい。それを目指すことで、常に前進し、成長し続けることを目指す。それが会社設立に込めた思いです」（宇野氏）。

メインクライアントからのリクエストに応えるべく、現在、体制構築に取り組む同社だが、将来的には、特定クライアントの案件に囚われずに事業を発展させたい考えだ。デザイナー、フロントエンジニア、システムエンジニアをバランス良く揃え、開発体制を確立した上で、2年目以降は積極的な営業活動を展開していくという。

「既に1本の柱はありますので、そこで当社としてのノウハウを蓄積していって、収入の柱を増やし、より安定した事業基盤を確立したいと考えています」（宇野氏）。

宇野氏自身、エンジニアとしては、COBOLからスタートし、JAVAやPHPなどのオープンソースへ移行し、タイではWEBベースの開発で実績を積んできた。同社でも、これまでの経験を活かして、ECサイトやWEBサービス、スマホアプリ等のWEBベースのサービス開発を中心とした受託事業を展開する意向である。

「ITの世界は日進月歩。エンジニアは何年先の未来を見るかによってやることが変わります。3年先の未来から逆算してシステムを考える想像力が重要です。ビジネス面は私が担っていきますので、エンジニアとして、クリエイターとして、思い切り力を発揮していただければうれしいです」（宇野氏）。

立ち上げメンバーの募集と言っても、ゼロから事業を立ち上げるわけではない。すでにクライアントとの太いパイプがあり、安定した経営基盤の上で事業を発展させていける環境がある。安定した経営基盤が同社の大きな魅力である。

「例えばパーソナライズ機能は、桁違いのSEを揃える大手EC事業者だからこそ実現できる機能です。そういった機能も積極的に実装していきたいというのがクライアントの意向です。小規模ながら、そういった難しい開発にチャレンジできるところは一つの醍醐味。様々なチャレンジを通して、会社の成長と共に、スタッフ自身が成長できる環境を提供したいと考えています。また、若い会社なので、従業員の意見が通りやすい環境も魅力の一つです」（宇野氏）。

宇野氏が目指しているのは多様性のある組織だ。その背景には、長年東南アジアで仕事をしてきた経験がある。人種はもちろんのこと、仕事に対する価値観、働き方も一律ではない環境に身を置き、チームマネジメントにも携わってきた。その経験を、同社のマネジメントでも活かしていきたい考えだ。

特に宇野氏が大切にしていることは、メンバー一人ひとりとの対話だ。

「どのような組織にも、プライベートを大切にしたい人、キャリアアップを重視し技術にこだわる人、技術力は低くても仕事には一生懸命に取り組む人といった、様々なタイプのメンバーが在籍しています。持っているスキルや、やりたいことも一人ひとり異なるため、個別に面談して可能な限り各々にジャストフィットするようなアサインの仕方をしてきました。当社でもそれぞれの長所を伸ばし、個性を発揮させるとともに、お互いを尊重しあえるチームワークの良い組織作りを目指したいと考えています」（宇野氏）。

働き方の面でも、個人のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる制度設計をしていくつもりだ。立ち上げ段階は別として、事業体制を確立した後は、フレックス制度、リモートワークを積極的に導入する。また、休みの日も夏季休暇、ゴールデンウィークなど、一斉休暇ではなく、個人のライフサイクルに合わせて自由に休めるようにする方針だ。その他、従業員の意見を取り入れながら、働きやすい環境作りを積極的に進める考えだ。

宇野氏が立ち上げメンバーに求めているのは、2年以上の実務経験に加え、協調性と前向きな姿勢である。社員同士が互いに良い影響を与え合える関係性を築けるような人物像だ。

「スタッフと一緒に成長できる会社にしていきたいと考えています。結婚や出産などで現場から離れていた方、外国人の方も大歓迎です。落ち着いて仕事ができる安定した環境ですので、弊社の理念に共感してくれる、協調性のある方はぜひご応募ください」（宇野氏）。