御社設立の経緯を教えてください。
はじめから起業しようと思って働いていた訳ではありませんでした。 具体的な目標を持っていたわけではなく、その時その時に興味が持てる仕事に就くサラリーマンでした。 そんな私が会社を設立するに至った大きなきっかけは、東日本大震災です。 私の実家は、被災地(岩手県釜石市)で電気工事業を営んでおり、津波にのまれた街の復旧作業にあたっていました。 その時、復旧作業に勤しむ父親の背中を介して「生活インフラを支える建設業の尊さ」に触れ、この”なくてはならない産業”に自分の持てる力を注ぎたいという感情が沸き立ちました。 実家を次ぐという選択肢もありましたが、建設業1社に身を置くよりも、それまでの経験を生かして建設業全体に貢献できる仕事が自分には合っている。 そう思って、2011年に当社を設立し、私一人で電気設備業界専門の求人サイト『工事士.com』をスタートさせました。
事業において、御社が果たすミッションはどのようなものだとお考えですか?
私達が取り組もうとしているのは、“建設業のためになること”ではなく、「日本の生活インフラを守るため」にできることです。 国内のインフラ設備は老朽化が進み、その対応が急務となっていますが、現在は深刻な人材不足の状況にあります。業界に寄り添い、企業と人材の両面を深く理解した上でニーズに応えている求人・転職情報サイトは、業界の課題を解決し、生活インフラを守ることに繋がっていると思っています。 また、建設業のデジタル化を進め、採用力を上げるために展開している『BT-web』(建設業界向けCMSサービス)、人材育成や環境づくりを目指した情報サイト・コミュニティサイトの運用も、人材不足の課題解決に繋がる取り組みだと思っています。現在は、人材の採用、育成、定着という一連の流れをサービスとして展開し、クライアント企業の経営効率化を図ることで業界を支え、日本の生活インフラを守ることが、当社のミッションだと考えています。
社長ご自身が、仕事をする上で大切にしていることはどんなことですか?
「人生に無駄なことは何一つ無い」 そう思って生きていますし、仕事においてもとても重要な考えだと思っています。 生産性や効率性が重要視され、短略的な合理性が歓迎される結果、「無駄=排除対象」とする風潮を強く感じます。 しかし、無駄なことというのは、無駄だった経験をして初めて持てる判断軸です。 何が無駄で、何が無駄でないかは、その時その時の経験値で変わってきます。 さらに、経験した「無駄」は、その後の判断・行動に大いにプラスの影響を与え、過去に経験した「無駄」は結果として「必要だったこと」に変わります。 なので、無駄だと決めつけずに色々と経験してみることが重要だと思います。 ですが、最近は「試行錯誤」という言葉の「試行」を「思考」に置き換えている人が多いように感じます。 まだ起こらない事柄に気を揉んでも仕方なく、とにかく動いてみるべきだと思います。 人生は“なるようにしかならない”と考えている私は、とにかく止まらずに行動する、「思考」し過ぎることなく「試行」する。 私は、とにかく動くということを大切にしています。
社員の方々と接する上で、心掛けていることはありますか?
まずは、「誠実であること」を意識しています。 例えば、 ・私が不快に思うことは、社員にはしない ・きちんと説明できないことは押し付けない、ルールにしない など。 お互いの信頼関係を築く上で、最も重要なことだと思っています。 もう一つ心掛けているのは、社員達と対等の立場で接すること。 社長と社員は50:50だと思っています。 社長は社員が辞めないように全力を尽くし、社員は辞めてほしくないと思われるように全力で働く。 そんな健全な関係を築きながら、社内一丸となって同じ目標に向かって一緒に努力していきたいというのが、私のスタンスです。
今後、御社ではどのような企業の姿を目指していきますか?
建設業界の課題解決を介して、日本の生活インフラを守る。それが、当社の果たすべき役割だと考えています。 日本の生活インフラを守るためには、それを担う建設業を支えなければいけない。 そのために、建設業界で「必要とされる存在、なくてはならない存在」になる。 当社が提供するサービスによって、 「助かったよ」 「ありがたいね」 「便利になったよ」 「儲かったわ」 「この業界も悪くないな」 など、そうした声を出来るだけ多く生み出したいと思っています。 目指す未来に向けて、ハードルが低くないのはわかっています。 人も時間もお金もたくさん必要になります。 ですので、我々の役割を全うするために必要な手段として、4年後を目途に株式上場も見据えています。