株式会社イクシアス

新宿駅南口より甲州街道を進み、株式会社イクシアスの本社ビルへ。そのフリースペースを訪れると、20代～30代のメンバーが集まり、最近の個人的なトピックについてスピーチする元気な声が聞こえてきた。時折全員が爆笑する様子に、「その話題の続きが気になるな」と嬉しそうに話し掛けているのは、代表取締役の衣笠嘉展氏である。

彼がイクシアスを設立したのは2021年5月であり、同社はインターネットを通したシステム開発、システムコンサルティング、自社サービスを展開する企業である。衣笠氏はこれまで新規事業・サービスの立ち上げやマネジメント、開発組織の組成等の多彩な経験を持つことから、スタートアップ企業としては珍しくエンジニア経験の少ない若手を採用して育成してきた。今回、Greenを通じて採用するのは彼らを統率するプロジェクトマネージャークラスを想定している。

同社について知るためには、まずCEOである衣笠氏の経歴を知っていただくことが先決だろう。新卒入社したYahoo Japanでは、Yahooメールを日本版にローカライズするプロジェクトを担当し、シリコンバレーのYahoo本社へ。この環境で、少人数でありながら勢いあるベンチャー企業の経営者からの影響を受け「大企業で働くのか、数名の力のあるエンジニアで、有望なプロダクトを作るのが良いのか」と考え、後者のベンチャー企業を選択。2006年にSNSやゲーム事業を手掛けるGREEに転職し、人気ソーシャルゲーム等、新規事業のエンジニアとして新規事業の立ち上げ・開発等に携わった。

2015年には、保育士専門の求人・転職支援サイト等を手掛けるネクストビートのCTOに就任。ビジネスフレームワーク構築、ベトナムのオフショア開拓、未経験エンジニアの育成に注力。主にKIDSNAブランドの事業立ち上げに貢献、2021年イクシアスを創業、代表取締役と並行し、ベトナムのオフショア開発を手掛ける東証上場会社のハイブリッドテクノロジーズの社外取締役としても活躍している。

黎明期のメンバーは、企業の経営者、役員を行っている方が多く、今も定期的に交流してビジネス情報を交換しつつ、これからの世の中に何が必要となるのか、未来像を研究しているそうだ。

イクシアスの起業の理由を衣笠氏に聞いてみた。
「グリーに入社した当初は、20～30人規模だったところ、ヒット作を輩出して売上に貢献、９年従事した事で、日本だけではなく世界でビジネス展開できる大企業の成長に関わる事ができ、未熟だった思考の質を大きく変えてくれる環境だっと思います。その新規事情に多く関わってこれた経験より、ネクストビートでは執行役員CTOとして、開発・企画等の組織を作り、新規プロダクトも1年に一つずつのペース立ち上げ、拠点も13カ所ほどに拡大しました。このような経験を経て、今度は自分がエンジニアがビジネスリードする環境を、自らの手で作ろうと考えたわけです」

このような設立の背景のため、同社の最大の強みとは「現場主体であること、クリエイティブ主体であること」にあるという。経営コンサルタントがいかに「今後の流行予測」をしたところで、実際に製品をつくることはできない。自分で企画して、プロジェクトを立ち上げて創造し、世の中へと発信していくのは、クリエイターである。だからこそ、イクシアスは“モノを創る人がコアとなる会社”に育てていきたいという。

衣笠氏自身がプログラマーとしてクリエイティブに創作を行いつつ、予算管理、コーポレートガバナンスをこなしてきた。新たなプロダクトを世の中に送り出すために関わる領域全てを経験してきたからこそ、クリエイター目線で、社会への影響力を鑑みつつ、より良いプロダクトを提供して育てていくことが可能だ。

イクシアスでは、フルスタック開発で高度かつ幅広い技術力はもちろんのこと、ビジネスコンサルティングから企画、開発、品質管理、ビジネス資産の再利用までカバーしている。イクシアスでは、大規模な受託開発案件を手掛けて経営のベースとしながら、若手の教育と共に中堅クラスの採用を強化して、今後は自社のプロダクトで世の中に“仕掛けていく“のだとか。それは一体どのようなプロダクトだろうか。

「ISO30414という『社内外への人事・組織に関する情報開示のガイドライン』という2018年に生まれた国際標準規格があります。これは労働力の持続可能性を促すための規格であり、今後の国を挙げての重要課題となっています。この規格は、例えば個々の社員や役職者のパフォーマンスを評価、企業の後継者育成などが含まれます。リモートワークや業務委託が世の中のトレンドと進む中で個々のパフォーマンス評価する手段も変わってきています。そのような環境に合わせプロダクトに関わる社内外の人全員の評価ができるサービスを企画しています。組織強化やモチベーションアップに繋げていくことができるわけです」（衣笠氏）。
このサービスを必要とするのは、まず大手企業が中心となることが考えられるため、事業化のメリットは大きい。組織づくりに興味がある方や、チームを編成したことがある方にも、親和性が高いプロダクトになるかもしれない。

今回採用する方に期待していることは、下を向いて黙々と作業していくのではなく、「チームを牽引しながら、自分でも手を動かしつつ、プロダクトを成功に導くことへコミットする人材」だという。刺激的なメンバーに囲まれつつ、技術的な探求心を持ち続けて、一つのプロダクトを大きく育てることは、自信に繋がるだろう。もしも、今まであなたがモノづくりへの実感を味わったことがなかったなら、イクシアスの環境で働くことは、プロダクトを立ち上げて成功に導くという経験を積むための、近道となるはずだ。

働き方についていえば、受託開発・内製プロタクトいずれであっても、リモートワークや出社のバランス等、エンジニアが最大にパフォーマンスを発揮できる環境づくりを行っている。例えば、子供がいる方や、将来的に子供が生まれた際に活用できる「ベビーシッター制度」がある。国が監修している仕組みで、ベビーシッター利用時に割引券が利用できるというものだ。実際に衣笠氏をはじめ活用している社員もいる。

「衣笠さんは仕事のことはもちろん、気さくに何でも話を聞いてくれる。すごい経歴の方なのにと最初は驚きました」と若手社員が語っているように、誰もが知る人気企業の飛躍を牽引した人材が直接相談に乗ってくれる会社、それがイクシアスだ。興味をもったらまずはコンタクトしてみてはいかがだろうか。