株式会社らかんスタジオ

フォトスタジオ運営を中心に“感動”を販売する事業を展開している、株式会社らかんスタジオ。2021年に創業100周年を迎えた老舗だ。同社では、システム部で活躍する社内SEを求めている。

同社では現在、新生児や七五三、成人式、卒業・入学、ウェディング等の記念写真や、履歴書用や受験用等の証明写真を撮影する一般向けのフォトスタジオを、関東および東北地区に17店舗を展開。売上規模では業界トップ10に入る中堅であり、トップ10の中では最古の歴史を誇る。
街には数々の写真館／フォトスタジオがある中、同社ならではの付加価値は「100年経っても色褪せない」クラシカルで気品のある写真撮影に力を入れていること。スタジオ内の造作、ライティング、衣装、ヘアメイク等を、理想とする「100年経っても色褪せない」写真撮影に最適化しているのだ。

そんな高度な技術の象徴が、2019年に特許を取得した、絵画のような重厚感を生み出す『帯見せ写真』。
「記念写真の撮影技法で特許を取得したケースは極めて稀であると思います」と取締役の山﨑達郎氏は胸を張る。

同社のフォトスタジオは、“家族が大切な時間を過ごすプライベートスペース”として運営。様々なシーンに対応できるインドアロケーション、プロフェッショナルのヘアメイクや着付師による希望のスタイリングの実現、専属バイヤーが買い付けを行う豊富な衣装ラインナップ、画像修整から商品発送までを自社スタッフが徹底した品質管理の下で行う体制、写真を引き立たせるデザインや一冊一冊を手作業で制作するアルバムづくり等、「100年経っても色褪せない」商品づくりの質の高さが、同社が100年を超えてもなお成長を続けている要因と言える。

現在のユーザー数は、記念写真の撮影だけで年間約3万5,000組。履歴書用等の証明写真も加えると、約4万組に及ぶ。

今後は、さらなる店舗拡大に力を入れる。
「毎年2～3店舗ずつ増やし、5年後には30店舗ほどまで展開させる計画を進めています。また、当社発祥の地であるニューヨーク等、海外にも再出店していきたいですね」（山﨑氏）。

同社の始まりは、1920（大正9）年。創業者の鈴木清作氏は、芸術としての写真を究めようと、横浜港を発って当時芸術写真が盛んであったニューヨークに向かう。当地では生活の糧を得るため、一般大衆を相手にポートレート写真を撮影するスタジオも開業。これが評判を呼び、翌1921年に本格化すべくニューヨーク5番街で「らかんスタジオ」を創業した。
順調に営業を続けていたが、1929年にアメリカを震源地として世界恐慌が発生。これを案じた実母が清作氏に手紙を送り、従った清作氏は帰国して、1930年10月に東京・阿佐ヶ谷で「らかんスタジオ」を開業する。1935年に現在の本拠地である東京・吉祥寺に移転した。

その後、街の写真館として定着。1965（昭和40）年には法人化と共に2代目の鈴木育夫氏が代表取締役に就任し、多店舗展開をスタート。90年代にデジカメが広まり始めると、フォトスタジオとしていち早く取り入れた。2005年に現・代表取締役の鈴木観氏が3代目に就任し、その後も順調に店舗展開を続け、2013年頃に他のフォトスタジオと差異化すべく「100年経っても色褪せない」とのコンセプトを打ち出し、現在に至っている。

そんな同社事業の今後のビジョンについて、山﨑氏は次のように説明する。
「記念写真事業を中心に、ITを活用したサービスを拡大していくことで、新たな需要の開拓と収益性の向上を図りたいと考えています」
ITを活用したサービスとしては、既に『LAQUANオンライン』をリリース。スタジオで撮影した写真を自宅等でゆっくり見られるほか、データのダウンロードができる。また、選んだ写真でハードカバーの写真集はじめ、プレゼント用の台紙やフレームに収めてのオーダーが可能。さらに、遠方の祖父母や親戚等にメールで写真を送ったり、SNSにアップしシェアすることも可能だ。
「今後は、スタジオの予約をはじめ、予約から撮影までの準備期間の活用、さらには数年後の次の撮影機会までの間のサービス等、新たなサービス機能を拡充させていきたいと考えています」（山﨑氏）。

このサービス開発を担っていくのは、主にシステム部となる。同部は現在、基幹システムのSalesforceへのリプレイスという別の大きなミッションに取り組んでいるところだ。その狙いについて、山﨑氏は次のように説明する。
「Salesforceのログ管理やアカウント管理機能による内部統制強化、従来3クリック要していた作業を2クリックにしたり、画面を開く時間を5～10秒から1秒に短縮する等の業務効率化、そして『LAQUANオンライン』ユーザーのお客様の使い勝手の向上による接点強化といった狙いがあります」
同社システム部は、こうした業務を担う社内SEを求めている。

2022年2月現在、社員数は335名。店舗スタッフが多くを占め、20代が48%、30代は28%、40代は18%、50代以上は6%という、歴史がある一方で若さのある風土だ。

その企業風土をつくり上げる基軸として、次の「10の約束」を掲げている。

1.たくさんの心遣いで「感動」を届けよう
2.仲間への思いやりと感謝を大切にしよう
3.チームの一員として自分がすべきことを考えよう
4.もっといい方法がないかと常に考えながら仕事をしよう
5.ミスを怖れず挑戦しよう
6.部署を超えた井戸端会議を通じてお互いを理解しよう
7.技術を磨きクリエイティブな人になろう
8.自分がやると決めたことをやり続けよう
9.楽しい職場にするために面白いことを企画しよう
10.謙虚でいよう

これは、2016年に全社員に向けた「私達が大切にしていることは何か？」というアンケート調査の結果をまとめたボトムアップによるもの。つまり、社員の間に既にある共通認識、カルチャーと言える。さらに浸透・推進策として、社員手帳に記載して折に触れて再確認できるようにしているほか、各店舗や職場での朝礼で各項目についてのディスカッションも行われている。また、人事考課は360度評価で行われているが、「10の約束」は評価者における判断基準ともなっている。

社員間の親睦を深める機会としては、各店舗や職場単位で適宜行われているほか、全社ではコロナ禍前までBBQや運動会等のイベントが行われてきた。「コロナ禍が終息したら再開したい」と山﨑氏は話す。

そんな同社には、サービス業として人とのコミュニケーションにポジティブな人材が集っている。求める人材像としては、「10の約束」に賛同すると共に、思いやりを大切にして沢山の心遣いができ、チームのために頑張れる人。
「スタッフがやりがいと働きやすさを感じる職場環境づくりに積極的に取り組んでいます。一緒に成長し、みんなで幸せを生み出していく、常に変化を楽しみながら進化し続けている会社です。是非アクセスしてください！」と山﨑氏は呼び掛ける。