株式会社SYNC

株式会社SYNCは、2006年に設立されたシステム開発会社。Webシステム開発のエキスパート集団として、大手通信キャリアの開発案件をメインに手掛けている。メインの開発言語はJavaでしたが、昨今はJavaだけではくWebシステムに必要な効率的かつモダンな言語であったり、フレームワーク、機械学習、クラウド環境など様々な技術を導入しトータルでシステムをコーディネートしている。

要件定義から設計、開発、テストまでワンストップで請け負い、プライム案件を基本としており、受託開発が案件全体の7割を占める。SESではないが、クライアント都合に合わせて客先常駐して働くこともある。

「当社のクライアントの約9割は、大手通信キャリア。エンドユーザーとの直取引で、上流工程から参画しています。昔は2次請け・3次請けをしていましたが、8年前に現在のクライアントとの仕事で1次請けの会社が抜けて以来、商流の深い案件は手掛けていません。商流が深くなると、エンドユーザーと話ができず、クライアントのニーズに応えられないもどかしさを感じます。中間マージンで利益効率が悪くなるので、社員の待遇も良くできません。色んな面でエンジニアに負担がいってしまい、彼らがフラストレーションを溜めることは、エンジニアを大切にする当社のスタイルに合いません」（代表取締役・伊藤慎一郎氏）。

Webシステム開発の中でも、同社が得意とするのが「検索」。オープンソースの検索エンジン「ElasticSearch（エラスティックサーチ）」「Solr（ソーラー）」を組み込んだ「ドキュメント検索システム」「住所判定システム」「分散データ横串検索システム」等を開発した実績がある。

「大手企業は色んなサービスを並行して展開し、多くのユーザーを抱えています。ある企業に提案するための資料を作るのに参考になる同じような資料があったり、申込者の住所から同姓同名の人物が既に登録済みか調べたりするのに『検索』をします。自社内にある情報を効率良く探し出すWebシステムの導入で、全社で数千時間の業務短縮が期待でき、クライアントは無駄なコストをかけなくて済みます」（伊藤氏）。

大手企業から信頼され、プライム案件の上流工程から手掛ける株式会社SYNC。売上も着実に伸ばしており、安定した経営を続けている。ただ、エンジニア不足が否めず、せっかくの大手企業からの依頼を全て受けられない状態にある。開発体制を強化すれば、クライアントはどんどん仕事を振ってくれるため、信頼に応えるためにもエンジニアの増員が必須だ。

2022年12月時点で、同社のメンバーは19名。平均年齢35歳と、若い。それも今後の課題だと把握している。

「30代のメンバーが3名で、20代のメンバーは7名。未経験も含めて経験の浅い若手の人材を採用して育成してきましたが、中間層のエンジニアが手薄な組織になりました。若いメンバーはまだ現場で開発の経験値を積んでもらいたいこともあり、他社で経験を積んだ中堅のエンジニアを迎えて若手を牽引する存在になって欲しいと考えています」（伊藤氏）。

同社は「エンジニアの成長＝会社の成長」と考える会社。自社の雰囲気にマッチした人材を育成するために、若手の採用を積極的に進めてきた。エンジニア教育は手厚く、彼らの成長が会社に跳ね返ってくると信じて、エンジニアの成長を見守ってきた。
効率的に働くためのテレワークの活用、書籍購入や資格手当等、成長のためのバックアップとエンジニアが働きやすい環境の整備も進めている。

「フレックスは制度を明確に定めてはいませんが、それぞれのエンジニアが自分のペースで働けるように配慮しています。勤務時間に細かい規定は設けず、柔軟に対応しています。月平均14時間と残業も多くはありません。アウトプットを重視する会社なので、働く時間よりも成果で評価します。評価制度も細かく定めていませんが、1on1の話し合いの中で目標を設定して、その達成度合いで評価しています」（伊藤氏）。

エンジニアのキャリアを大切にし、彼らの成長を会社の成長と位置付ける同社には、新しい技術を積極的に取り入れるカルチャーもある。社員が興味を持った技術で、面白そうなのがあれば、サービスを自社で開発するスタイルだ。

「これまでにいくつも自社サービスを開発して提供していきました。今はどれもサービス提供を中止したり、事業を縮小したりしていますが、どれも当時の最新技術にチャレンジするための取り組みでした。今後も、新しい技術は積極的に取り組んでいきます」（伊藤氏）。

過去に同社で開発したサービスを簡単に紹介しよう。例えば、セミオーダー可能なショッピングカート『iShop』。Easy-Start（簡易性）・Good-Price（価格優位性）・Good-System（機能性）・Smart-Design（デザイン性）の四つの特徴を兼ね備えたショッピングカートで、WordPressとECサイト機能を実装するプラグイン「Welcart(ウェルカート)」を活用して作ったため、導入企業は予算をかけずに本格的なECサイトを展開できた。

パノラマビューワー『360Web』は、撮影した写真を繋ぎ合わせて全方位パノラマ写真を生成し、上下左右360°全ての角度から見渡せるようにする。全方位パノラマ写真とフロアーマップを連携させ、自由に移動ができる仕組みを提供したサービスだ。

「今後もテクノロジードリブンでサービスを開発したいと考えています。新しい技術でサービスを作り経験値を得れば、それをクライアントワークに生かすことができます。そうして技術力を蓄えることが、信頼に繋がり受託開発の受注になります。今後入社するメンバーには、新サービスの開発に着手できるように開発体制を整備してほしいです」（伊藤氏）。

同社では、メンバーのチャレンジも歓迎している。新しい技術、サービス、組織形態等、メンバー主導で会社を作り上げてくれる人材を求めている。

「外の風が入るのは歓迎。今の会社で実現できないことを、当社で成し遂げてほしいと思っています。人数の少ない会社だけに、意見が通りやすいです。自発的に動く人材には、どんどん動いて社内の空気を変えてほしいです。新入社員だからといって会社に合わせるのではなく、自分のスタイルに会社を染めるぐらいの気概も大歓迎です！」（伊藤氏）。

自身の開発経験を活かしつつ、スキルアップもできる。新しい事業・サービスを立ち上げられ、自分が望んでいた組織を作り上げるチャンス。自分のキャリアに行き詰まりを感じているエンジニアには、是非一度同社の門を叩いてほしい。望んでいた環境がそこにあるかもしれない。