クラト株式会社

「パーソナルデータや顧客データの利活用を促進し、人々や企業の成長や可能性を拡大させ、一人一人が活用できる社会づくり」に向けて、クラウドサービスの提供をはじめ、ITコンサルティング、システム開発、Web制作を手掛けているクラト株式会社。高い技術力とビジネス構築力を兼ね備えたIT企業として順調に成長を続けている注目のスタートアップだ。

エンジニアとしても活躍する代表の一條美和子氏は、大学院修了後、1998年に大手SIerに入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。その後、Webアプリケーションの構築・運用経験を重ねる。2007年にメディア系IT企業に入社し、ディレクター兼フロントエンドエンジニアとして、自社メディアサービスやECサイトの構築・サポート、インフラ構築・分析等に従事した後、2017年4月に同社を設立した。設立の経緯について一條氏は次のように語る。

「メディア系IT企業に勤務している時に、Googleアナリティクスを利用してデータを分析し、新サービスの立ち上げに数多く携わりました。それを通じて、個人データは非常に重要であり、それを上手く活用すれば個人に役立つ画期的なサービスができるのではないかと考えたのです。そんな時、Webマーケティングの知見が深く、ビッグデータ分析や様々な事業開発の経験が豊富な吉野（現・プロジェクトマネージャー　吉野裕亮氏）と一緒に仕事をする機会がありました。話し合いを進めるうちに一緒に次世代サービスを開発しようということで立ち上げたのが当社です」

現在同社は、クラウドビジネス事業とITソリューション事業を二軸に事業を展開している。クラウドビジネス事業では、LINE APIを活用を実現する『lilistクラウドサービス』をはじめ、CDPなど、データビジネスを軸に、接客業をはじめ、医療・ヘルスケア、スポーツをITで支援するサービスの提供を行っている。

「ビジネスをITで支援するサービスとしては、LINE公式アカウント拡張支援サービス『lilist』を提供しています。これはLINE公式アカウント内で、予約やアンケートなど、接客に必要な機能が30以上も用意された、まさに顧客DXをを実現するサービスです。医療・ヘルスケアをITで支援するサービスとしては、社員の健康チェックサービス『Vital-Check』を提供しています。（一條氏）。

一方、ITソリューション事業では、IT新規事業の立ち上げの支援から、IT外部顧問としてアドバイザーの実施、システム開発においては、LINE APIを活用したサービスや、マッチングサービス、ECサービス等を手掛けている。

「言われたものをただつくるだけではなく、クライアントのビジネスをつくる段階からサポートできるのが特徴です。『こういうことがしたい』というクライアントからの相談からスタートし、ビジネスプランも一緒に考えていきます。コンサルティングから開発、運用支援まで、全てを自社内で完結しており、様々な業務に携わることができるのが当社の強みです」

実績は豊富で、医療系システム、人事系業務サービス、流通系サービス等、様々な業界・業種のシステム開発を手掛けている。

現在、クラトは代表、プロジェクトマネージャーに加え、エンジニア、デザイナー等従業員4名、外部顧問2名という体制。受託開発の場合は、2～5名で開発を行っており、プロジェクト期間は4カ月から12カ月程度。自社サービス開発の場合は、2名程度で一つのサービスの開発に取り組んでおり、開発期間は4カ月程度。開発環境はケースバイケースだが、LAMP環境が多い。

「開発は全て自社内の作業で、客先常駐は一切ありません。少数精鋭でやっていることもあり、一人ひとりが様々な役割を担っています。あるプロジェクトではエンジニアとして社内のデザイナーと打ち合わせを重ねながらプログラミングに携わり、他のプロジェクトではクライアントと折衝するプランニングから携わり、インフラ構築まで手掛けるといった感じです」（一條氏）。

同社の魅力は、単にシステムを開発するだけでなく、新しいサービスづくりの企画から携われることだ。プロジェクトマネージャーの吉野氏は次のように語る。

「今の日本のエンジニアはシステムを作るだけの人がほとんどです。それに対して海外のMicrosoftやGoogle、Appleといった企業には、新しい事業やサービスをつくっているエンジニアが沢山います。当社の魅力は新規事業やサービスを作る経験が積めることです。例えばサービスを開始するに当たって課金システムを組み込むとなると、様々な法律も絡んでくるのでその知識が必要になります。それを自分でどんどん調べていきながら、世の中になかったサービスを自らの手で作り出してくことができるのです。しかも当社では今後自社サービスをさらに拡大していく計画なので、新サービス開発に携わるチャンスが豊富です」

新サービス開発を通じて、ビジネスを構築する力が身に付くので、ゆくゆくは起業し事業を立ち上げたい方には魅力的な環境だ。また、様々な開発に取り組めるので、エンジニアとして幅広いスキルを身に付けたい方にもお勧めだ。

そんな同社が求めるのは、指示を待つのではなく、自ら考え、動き、創り出すことができる人材だ。そして、自分の役割に制限を付けず、何役もこなせる人物を歓迎する。一條氏は次のように続ける。

「いくら優れた人でも、一人でできることには限界があります。だから私達はこの会社を立ち上げました。会社に所属して仕事をするからには、もちろん自らの成長も大事ですが、しっかりと利益を上げることが重要です。いくらテクニカル的にいいものを作っても、会社の利益に繋がらないものだったら意味がありません。そのため、会社の成長にコミットできる方に来ていただきたいですね」

現在、クラト株式会社は東京都新宿区に本社を構え、各線「新宿駅」から徒歩5分と、駅から近くアクセスのいいロケーション。社長、役員も含めたメンバーの平均年齢は40代で、男女比はほぼ半々。同社の企業カルチャーについて、一條氏は次のように語る。

「現在の主力メンバーは30代後半から40代のいわゆる日本のIT第1世代が中心ですが、20代の若手等、年齢・性別を問わず活躍できる環境です。一人ひとりが自由に発言できる環境を大切にしており、フラットな環境の中、みんなでディスカッションしながら仕事を進めています。みんな大人でベタベタした関係ではありませんが、例えば親の介護で通常の勤務が難しい等、ライフイベントの変化に伴う問題が起きた時は忌憚なく相談できて、メンバー同士が助け合える体制です」

ワークスタイルは一人ひとりの事情や会社の状況に応じて、フレキシブルに対応している。

「コロナ前の創業当時からリモートワークも取り入れており、現在在籍しているエンジニアは全員が基本リモートワークです。コミュニケーションツールや電話でコミュニケーションを取りながら仕事を進めております。ただし、今後入っていただくメンバーは、最初からフルリモートではなく、スキルに応じてワークスタイルを決めたいと考えています」（吉野氏）。

完全週休2日制（土・日、祝日休み）で、年間休日120日以上。残業をさせないよう仕事をコントロールしており、オンとオフのメリハリを付けて仕事に取り組むことができる。

「スキルアップについては、働いていると自然とスキルアップするような取り組みを実施しています。パートナーさん等、業界でも著名なエンジニアとの繋がりがありますから、そういった方のセミナーに参加して、最新技術のキャッチアップが可能です。また、すぐ身近にフロントエンドからバックエンドまでフルスタックのスキルを備えた代表の一條がいますから、積極的に技術を吸収しようとする方なら、幅広いスキルを身に付けることができるはずです。更に、エンジニアスキル以外にも経営やサービス企画、営業、コンサルティング、デザインなど様々な分野で講師を務めてきたメンバーが揃っておりますので、IT業界における様々な分野のスキルアップが可能です。」（吉野氏）。

今後のビジョンとしては、様々な自社サービスを開発し、創業時からの目標である、パーソナルデータを活用するサービスの市場を作っていきたい考えだ。

「今のところ日本には、パーソナルデータを個人が活用するサービスの市場がありません。今後も新サービスを開発して市場をつくり、それを通じて社会全体に貢献していきたいですね。当社は世間ではまだまだ知名度が低い会社です。しかし、数あるIT企業の中でも、新たな市場をつくろうとしている企業はあまりありません。そんなチャレンジングなことに一緒に挑戦する方をお待ちしています」（一條氏）。