1977年創業。通信の高度利用を追求して40年強。数々のユニークな製品を開発
株式会社ダイナックスは、一貫して「通信の高度利用」を目的とし、1977年の創業以来、様々な自社製品・サービスを開発・運用してきた会社だ。現在、展開中のプロダクトは、企業の保養所予約に特化した『保養所予約システム』、テレワークを支援する『通禁オフィス』(一般企業向け)・『事務局テレワークサービス』(公益社団法人や一般社団法人等の団体や会員組織向け)、ビルメンテナンス特化型の業務支援システム『ビルメン女子』等で、いずれも自社開発のSaaSだ。
このうち特に『保養所予約システム』は、企業の保養所というニッチな市場にピタリとはまり、数々の大手健康保険組合をクライアントに持つ。ホテル予約とも施設管理とも異なり、抽選機能や会員資格確認・区分別対応(本人、三親等以内の親族、OB等)等の保養所独特の特殊な運用に対応したサービスを提供している。これらを安定収益基盤に持ちつつ、今後、本格的な普及を目指して注力していくのが『通禁オフィス』だ。中堅・中小企業向けの情報一元化・テレワーク支援のクラウドサービスだ。
40年以上にわたるダイナックスの歴史を紐解くと、同社は個性的な自社製品・サービスを次々に開発してきた。創業者で代表取締役会長の佐藤正人氏は、日本のコンピューターの黎明期から第一線でソフトウェアの開発に取り組んできたベテランエンジニアだ。高度専門職派遣として複数の電機メーカーで開発に従事した後、ダイナックスを創業した。「コンピューターのゼロかイチの世界が合っているんですね」と語る佐藤氏は、根っからの開発好き。「開発すると満足して、売る方が疎かになっちゃって」と苦笑する。
古くはリモートアクセスソフトを世に先駆けて自社開発し、多くのソフトウェア会社から通信部品として利用された。インターネットが普及するとASPサービスの開発に乗り出し、ホームページ作成ツール、ECサイト、Webアルバムサービス等を次々と展開。その後、現在に繋がる保養所予約やオフィス業務支援のサービスの開発が始まり、テクノロジーの進化と共に、既存のサービスも含めてASPからクラウド上のSaaSへと形態を変え、現在に至る。
「売る方が疎か」と言いつつ、事業が回っていなければ、これだけの開発ができるわけがない。堅実に成長し、バブル崩壊もリーマンショックも東日本大震災後の景気低迷も乗り切ってきた。