資本金10億1000万円、年間売上高80億3100万円。アジア・米国に7つの支社を持つ電子機器用部品メーカーのジャルコ。ところが、同社の開発技術部長・中川寛氏は、いきなり「当社の知名度は低いです」と切り出した。<br /><br />「当社を知っているのは、同業者か機械関係の開発に携わっている人、あるいは電子機器の研究をしている大学生や工業高校生、それに趣味で電子機器に触れている人たちぐらいのものでしょう。結局、私たちの仕事は地味な裏方なんです」と、中川氏は笑う。<br /><br />いまや世界中を席巻している携帯電話やデジタル機器は、こうした電子機器部品なくしては成り立たない。各種のデジタルインターフェースコネクタやメモリーカードコネクタ、ピンジャック、ソケット、スピーカー端子といった機構製品のほか、RFスイッチ、RFモジュレータ、ダイプレクサといった回路製品を含め、伝送系パーツ製造に関する高い専門技術を持つ専門メーカーも、確かに一般の人間にはあまり馴染みがないのも事実だ。<br /><br />しかし、現代の生活に、BSや携帯電話、PCを含めた電子機器はもはや欠かすことができない「生活用品」だ。飛躍的な成長を遂げるAV市場、PC市場、情報通信機器市場を含めた電子機器の市場規模は、これからますます大きく成長するであろう。そして、それにともなうジャルコの未来は、この中川氏の笑顔のように明るいはずだ。「TVを見ていても、ついつい、その裏側の電子機器用部品の事を考えてしまう」と言う中川氏。そんな中川氏が期待するジャルコの未来を支える人材とは一体どういう人だろうか。