ナショナルクライアントに「強いAI」を実装する本格派データサイエンスカンパニー
株式会社グラフの事業は、ビジネス向けのAI実装。最近ではビッグデータを解析、AIを提供している会社は数多くある。グラフが一般的なそれらの会社と違うのは「数理データサイエンスAI受託開発」を真ん中において付随的に「自社サービス」を展開している点だ。独りよがりのAIプロダクトではなく、クライアントが持つビッグデータを整理し、AIを活用してコンサルテーションし、事業インパクトのある新たな価値を生み出す。それがグラフのビジネスなのだ。
クライアントには、日本を代表するナショナルクライアントばかりが名を連ねている。どの産業でもトップクラスの会社の依頼、しかもプライム案件(一次請け)のみの取引をポリシーにしている。子請け孫請けじゃないので巨大クライアントの戦略レイヤーまで深く関与できて、案件の難易度は高いが、社会的なインパクトのある仕事ができる。
「企業にとってデータベースは金庫よりも大切なものです。当社は企業が持つ宝物といっても過言ではないデータを自在に使って、新しい価値を生む仕事に携わっています。自社製品の押し売りをせず世界中のAIライブラリを活用して、クライアントの課題を解決するAIソリューションを開発して提供します」(代表取締役・原田博植)
大手企業の創業者は、他人には真似できないアイデアが閃いたり、ユーザーのニーズを的確につかむ直観力を働かせたりと、類まれな才能を持った「カリスマ経営者」が少なくない。同社があるクライアントのために開発した ”創業者AI®️” は、企業に蓄積したデータを解析することで、AIの力で創業者の比類のない能力をビジネスに活かす試みである。
「自動車会社を例にとれば、車種開発において、どんなスペックの自動車を作るか、あるいはどんな機能や部品を使うかなど、多くの判断が必要です。排ガス規制の関連法律、マーケットでの売れ筋の商品、社会構造など、多次元の要素を考慮しますが、AIなら人間よりも多くの要素を取り入れた判断ができます。チャットボット形式の ”創業者AI®️” に相談すれば、あたかも創業者のような的確な判断をしてアドバイスしてくれます」(原田氏)
企業版の「AI美空ひばり」とも呼べるとてもユニークな開発実績だ。AI開発の世界には「強いAIと弱いAI」という言葉があるという。弱いAIは人間にとって便利な道具でしかないが、強いAIは人間の直感に迫る。グラフが開発するAIこそ、まさに「強いAI」といえるだろう。
【ビジョン】
Have a nice data!
AI(人工知能)は電気・水道・ガス等と同じように、生活基盤に据えた社会形成が進みます。
データで満たされた世界が不幸なものにならないように、私たちは正しく牽引していきたい。
グラフは、データを操るプロフェッショナルとして、社会が有するデータの価値を拡張し、クライアントに、社会に、そして一人ひとりに、丁寧に、注意深く、これまでに無かった明日をつくりたいと考えます。
【ビジョン】
生命を更新する
グラフは必ず来る有機(自然生命・人工生命・合成生物)と無機(情報・外部記憶・ネットワーク・ロボット)の無境界化に先鞭をつけます。
社会応用性の高いアルゴリズム開発を、延伸し、拡張し、生活を変え、価値観を変え、人生を再定義し、境界を執拗に横断し、生命を更新していきます。
【バリュー】
・Perseverance 共闘をやりきる不屈のオーナーシップ
・Persistence 不快な変化を継続する粘り強さ
・Obsession 今ないものを獲り続ける執念
・Tolerance 無慈悲な自己批判に依拠した他者への寛容
自社データサイエンティストを育成できる2つのサービス「CYPHER」と「LAD」
データサイエンスを事業にしているグラフの仕事は、AI実装だけではない。ビッグデータを活用するためのDWH(データウェアハウス)の構築やデータドリブンな予測型サプライチェーンの設計、データ解析を通じたマーケティングや最適なレコメンデーション、分析ツールの導入支援&分析コンサルティングサービスなど、データサイエンスを駆使したソリューションを提供している。
「データサイエンスをするための土台作りからサポートします。企業が持つデータは、ほとんどが未整理な状態で、そのままでは使えません。分析に最適化したDWHを構築することで、ビッグデータが活用できるようになります」(原田氏)
さらに、同社はクライアント企業が自前でデータサイエンスできるよう、プロダクト分析ワークベンチ「CYPHER(サイファ)」を自社で開発した。
「無料で使えるオープンソースの分析ツールやBIツール、AIライブラリ、データベースを組み込んだ、Webブラウザで使えるサービスです。セレクトショップの要領で、データサイエンスに必要なツールを集めています。これがあれば、企業の担当者が自社のデータを有効活用することができます。開発したばかりのツールでまだ外販していないのですが、自社の人材育成やビジネス向けAI開発カリキュラム『LAD』で使っています」(原田氏)
ビジネス向けAI開発カリキュラム「LAD」は、グラフが作ったデータサイエンスを習得するためのプログラム。全10回のワークショップ型講義を通じ、自社の事業を把握するところからはじめ、クライアントの実際のデータを分析して、その結果を受けてAIを活用したツールを開発するところまでを体験することで、データサイエンスの基礎が形成できる。
「LADで社内データサイエンティストを育成すれば、データサイエンスの知見を社内に蓄積することができます。データサイエンスの価値をクライアントに知ってもらいたい一心で作ったカリキュラムなので、低価格で提供しています。そのため、お取引は既存クライアントからの紹介があるケースに限っています。今後は代理店との協働を模索し、広く門戸を開きたいと思っています」(原田氏)
受託ビジネスのクライアントが「LAD」を受けて「CYPHER」を使う。「LAD」を受講した企業が自社でのデータサイエンスだけでなく、より高度な分析や開発をグラフに依頼して取引がはじまり、受託ビジネスが伸びる。「数理データサイエンスAI受託ビジネス」と「CYPHER」と「LAD」の3つが、うまく連携してシナジー効果を生み出している。
データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した著名な創業者
グラフの創業者である原田氏は、2015年に日本経済新聞の「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、業界で著名なデータサイエンティスト。リクルート初のチーフ・データサイエンティストを務め、データサイエンス業界団体「丸の内アナリティクス」を立上げ主宰。そのほか、『データサイエンティスト養成読本(技術評論社)』というベストセラー著書まであり、テレビのニュース番組などにもたびたび出演している。
「データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーを頂いた時に、つぎは個人ではなく組織で「数理データサイエンスAI開発」を極めたいと感じ、グラフを設立しました。これまでに築き上げた経験で大手企業から依頼を受け、若い世代がデータサイエンティストとして育つ環境を作りたいと考えました。フィールドは用意します。次の社会を創るデータサイエンティストに、この稀有なフィールドで存分に活躍してもらいたいと願っています」(原田氏)
グラフにジョインすれば、大手企業のデータサイエンスに携われるチャンスがあり、しかも業種・業界にとらわれず、いろんなビジネスを知ることができる。グラフのクライアントには、メーカーもあれば、テレビ局もメガバンクもある。
「技術への意欲と謙虚さと行動量があれば未経験でもデータサイエンティストを目指せます。LADとCYPHERがあるので、自社データサイエンティストの育成ラダーも改善中です。マーケターやアナリスト、データベースエンジニア、AIエンジニアなど、隣接する職種はもちろん、それ以外の職種からジョブチェンジしたメンバーも在籍しています。当社ではデータアナリストの上席がデータサイエンティスト。未経験の場合は、見習いの意味も込めてノンタイトルからはじめてもらいます」(原田氏)
データサイエンスやデータサイエンティストといった単語は、独り歩きしている感もあり、どんな職業なのか明確に知らない人も多いのではないだろうか。最後に、原田氏にデータサイエンティストとはどんな仕事か尋ねた。
「データサイエンティストは、ビジネスサイドとITテクノロジーサイドを接続する役割を担っています。現代の企業は、どこもデータを持っていますが、それを取り出して、分析し、その結果を生かしてITテクノロジーで確かな新しい価値を創造する、これがデータサイエンティストの仕事です。大手企業IT化は規模の経済で進んではいますが、ビジネスの効率化がメインで、テクノロジーで新しい価値を生み出せている企業は数えるほどです。そこに数理データサイエンスAI開発ビジネスを提供する、私たちのフィールドがあるのです。グラフは黎明期であり初期メンバーの可能性は無限です。ともに戦える仲間をお待ちしています。」(原田氏)