「スマホ x 動画」の現場向け教育システムを提供
“現場の教育を、動画で変革する” というビジョンを掲げている、ピナクルズ株式会社。サービス業/製造業/コールセンター/飲食業など、幅広い業界に向けて、クラウド動画教育システム『tebiki』を提供している。
同社が注目したのは、長い間変わることのなかった「現場の教育」という領域だ。紙の教育マニュアルがあっても現場で管理できてる会社はごく少数で、多くは1度作ったあとは放置してしまう。いわゆる「背中を見て学べ」がいまも現場の教育の中心だ。
これまではそれで良かったかもしれないが、労働人口が減少する中、企業はますます採用難に苦しんでいる。これまで蓄積してきた技能を伝承していくためにも、教育の効率化は急務の課題。さらに、官民をあげて取り組んでいる外国人労働者拡大が、新人教育をさらに難しくしている。言葉がうまく伝わらない中、どうやって正しいやり方を新人スタッフに教えるのか、各企業は頭を悩ませている。
『tebiki』は、この領域に最先端の動画技術で挑戦するサービスだ。現場で教えるところを撮影した動画をアップロードするだけで、自動認識された音声が自動で字幕になり、世界100ヶ国語以上の言語に自動翻訳される。さらに、図形挿入や音声吹き込み、シーンの削除も可能だ。作り込まれた動画をカリキュラムにして教育に使うことができ、誰がどこまで習熟したかが可視化される。まさに最先端の動画技術を取り入れた、現場教育クラウドシステムとなっている。
しかし、『tebiki』の本当の凄みは、実はそこではないと代表取締役の貴山氏はいう。「一番大切なことは、現場の人が自分でかんたんに教育動画を制作/運用できること。うちは動画コンテンツの制作は請け負いません。あくまで作るのは現場の人です。本当に役立つものは現場のノウハウを体現している人にしか作れない、という強い信念があるからこそ、パソコンを普段つかわない人でも直感的に扱えるシステムにこだわっています。」(貴山氏)
まだ創業まもない同社だが、知名度がまだ低い中でも次々と大企業と契約できている同社の強みはこのあたりにありそうだ。「営業していて顧客から一番言われるのが『tebikiなら現場が使いこなせます』という言葉です。最新技術を活用しながらも、直感的で誰でも使いこなせることが何より重要だと感じます。」と同社カスタマーサクセスマネージャーの松﨑氏は補足する。
「工場長のときに欲しかった」がサービスの原点
貴山氏は、10年間在籍した三菱商事で事業投資を担当し、自らがM&Aを行った食品メーカーの工場長を経験。その後、旅行C2Cサービスで起業&売却の後、同社を起業というユニークなキャリアを歩んできた。
「工場長だった頃、毎朝工場のラインを見回って、生産された製品の検品から1日が始まりました。新工場の立ち上げから物流オペレーション、品質管理までとにかくなんでもやりました。スタッフは当時70名。大半は私が採用したひとたちです。本当にいろいろなことを経験させてもらう中で、とくに社員が成長していく教育の仕組みをつくることが好きでした。」と貴山氏は語る。現場への思いを抱き続けてきた貴山氏にとって、現場教育の長年の課題を解決するソリューションは、「自分の残りの人生を賭ける価値がある事業になる」という確信があったそうだ。
さらに、サービス立ち上げを後押ししたのは、スマートフォンやタブレットの普及、Wi-Fi環境の充実など、インフラ面の進化だ。「紙マニュアルとOJTしか教育手段がなかった貴山が工場長だった頃の体験をベースにしつつ、今のネットワーク/デバイス環境にあわせて、どんなデバイスでも、その人のITリテラシーの高い低いに関係なく使いこなせるUIデザインを実現するのが私の仕事です。最適解は時代とともに変わります。ボタンひとつ、単語ひとつとっても、『現場の人にとってかんたん』という点に徹底的にこだわっています。」とデザイナーの鮫島氏は力説する。
これまで『tebiki』が導入された現場は、物流センター、小売店、食品工場、美容室など多岐にわたる。たとえば、ペットショップのトリマー教育では、さまざまな犬種に対応するために新人研修や業務の“予習と復習”に活用されているという。また、精肉加工の社員教育では、肉の希少部位や高級品を扱う技術教育、とくに歩留まり改善を目的に使われている。tebikiの導入前と後で、研修期間が半分以下に短縮するといい、この大きな導入効果も「現場の人にとってかんたん」が鍵となってそうだ。
完全フラットな超自律型の自由なチーム
同社の企業カルチャーの一番の特徴は、「自分で考え自分で動く」ということ。全員に大きな裁量があるとともに、自由に動けるようにあえて細かなルールを定めていない。同社を起業するまで、貴山氏は三菱商事や食品メーカーなど、厳しい社内ルールがある組織で働いてきており、自らも経営陣として規則を作ってきた側だが、同社が自律型の組織になっている理由をこう語る。「これまでの自分のキャリアでたくさんの会社ルールを作ってきましたが、多くの規則は組織のダイナミズムを失速させるだけ、という問題意識がありました。信頼され、裁量と権限を持った時にメンバーは真の力を発揮すると信じているので、当社では、ほとんどの情報を社内公開するとともに、びっくりするぐらいルールがありません。出退勤/オフィス/経費/有給などなど、とにかく自由です。」
一方で、細かなルールがなくてもチームが有機的に動けるように、全員が同じ価値観を共有していることが大切だ。同社では、そのために「ユーザーの行動が全て」「シンプルに解決する」「自分で考え自分で動く」「決めたらやり切る」という4つの『バリュー』を定めている。
システム開発/マーケティング/UIデザイン/採用など、すべての施策が、このバリューを土台にしている。「毎日10時半の全体ミーティングで、各自の状況を共有しながら、戦略や施策を議論しています。肩書やキャリア、年齢は関係ありません。全員が大きな裁量をもっているから、同じ目線と一体感ですごいスピードで事業開発しています。」と貴山氏は語る。
メンバー全員が自律的に動くからこそ、同社の開発スピードはかなり早く、毎週大きな新機能をリリースしている。これまで変わることのなかった大きな領域に最新技術で挑戦しているピナクルズ社。現場で働くひとたちをサポートする喜びを感じながら、事業とともに急成長したい人は、まずは同社にアクセスしてみてほしい。
ピナクルズ 株式会社の社員の声

30代後半
2018年03月入社
仮説から導き出...続きを読む

30代前半
2019年06月入社

30代後半
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