株式会社ラソルテ

株式会社ラソルテは、IT関連の各種技術提供サービス会社として2018年9月に設立し、現在2期目を迎えている。

代表取締役を務める米窪智氏は、まもなく50代を迎えるが、今もなお現役のエンジニアとして活躍している。会社設立以前は同業他社にて4年程、取締役兼エンジニア（会計系ITコンサルタント）として勤務していたが、自分達が理想とする環境をつくるために同社を設立したという。

「経験や年齢等に関係なく、新しい企画が通るカルチャーを育てたい。エンジニアのスキルアップ・成長が収入に跳ね返る評価体系をつくりたい。社員同士が密に交流・コミュニケーションができる場をつくりたい。これが会社設立時の思いでした。全てはエンジニアファーストの会社づくりです」（米窪氏）

社名のラソルテ（Lazorte）は、スペイン語のLazo（絆）とSorte（運命）の二つの言葉を繋げた造語だ。仲間・お客様・ベンダー等、あらゆる人の繋がりを大切にし、出会った人と絆を深め、一緒に未来に歩んでいきたいという気持ちが込められているという。

米窪氏を含む3名の役員（エンジニア）を中心とするメンバーでスタートした同社。現在はERP・SAPパッケージの導入支援及びWeb系アプリケーション開発を手掛けるSES事業が同社の業績拡大の原動力になっている。Web系アプリケーション開発に関してはプライムベンダーに常駐し、AI・機械学習等の最新技術を取り込んだ開発も行っているとのこと。この他一部、鉄鋼商社の販売管理システムのスクラッチ開発を請け負っている。

「おかげさまで、現在手掛けている仕事のほとんどはプライム直下なので、エンジニアとしては、ありがたい仕事環境をキープできています。設立当初から顧客がいたこともあり、初年度から黒字決算で終えることができました。業務拡張に伴って人員体制も拡張し、現在は正社員が9人、パートナーが15人の組織に成長しています」（米窪氏）

順調にスタートを切った同社は、設立2期目を迎え、まさに次の成長ステージに向かおうとしているところである。

今後同社はどのような展望を描いているのか。米窪氏は大きく三つのポイントを挙げている。

一つ目は“人材のボトムアップ”だ。現状は役員が中心となって現場をリードしているが、今後は拡大する業務に合わせ、チームの先頭に立つリーダーの育成が不可欠だという。

二つ目は“顧客との信頼関係の構築”。SES事業を成長させる近道は、常駐先（顧客）からの指名である。様々な現場で活躍しているメンバーそれぞれが、顧客から「〇〇さんに是非お願いしたい」と声をかけられる。そんな人脈・ネットワークづくりをさらに社内に啓蒙していきたいとのこと。

三つ目は“請負事業の横展開”だ。現在スクラッチ開発を請け負っている鉄鋼商社の販売管理システムを自社パッケージ化し、同業他社に販売・導入する事業をスタートさせる構想を描いている。

これら三つの展望を実現するにあたり、着手しなければならない課題もある。同社曰く、新しい風の注入と、ビジネス意識の向上だ。

「私達は、前職の同僚が集まって会社ができて、その後も知り合いの紹介だけで組織がつくられてきました。少数人規模の組織ならそれもいいかもしれませんが、今後数十人・数百人の組織をつくるとなれば、気心知れた仲間同士だけでは乗り越えられない壁が必ずあるはず。仲が良いのは素晴らしいことですが、それが足かせとなって馴れ合いになるのはいけません。今後会社が次のステップにいく近道は、公募の中途採用＝新しい風だと考えました。様々な価値観・考え方・バックグラウンドを持つ人を組織に迎え入れ、みんなで刺激し合い、自社の事業を育てる意識を育てたいですね」（米窪氏）

こうした課題をふまえ、同社が求める人物像を取締役の新井健太郎氏に伺った。

「自分の世界に閉じこもってしまうエンジニアではなく、まわりに気遣い、自分がどう動くべきか察知し、自ら行動に移せるタイプの人。技術をマニアックに追求するのもいいですが、その技術をどのように仕事に結びつけるか考えようとする人。技術のプロでありながらも、同時にビジネスを意識できるタイプだと望ましいですね。一緒にスタートアップ事業を育てようとする人が来てくれたら嬉しいです」（新井氏）

新しく仲間になるエンジニアは、会社としても全力でバックアップし、覚えたい技術・取得したい資格があれば積極的に投資するという。

また、自分がやりたいと思った仕事を任せたいというのが同社の基本的な考え方で、会社都合で一方的に担当案件を決めることはないと断言する。さらには、面白いアイデアや制度面に関する意見・アイデアがあれば、どんどん発信してほしいそうだ。年齢・社歴に関係なく、みんなが良いと思ったものなら、すぐに取り入れる会社である。

エンジニアとしてモチベーションを保つ仕組みの一つに、報酬を決める評価体系が挙げられる。同社では、エンジニアの成長や貢献度等を正当かつスピーディに評価するため、半期年俸制により年2回のペースで報酬の見直しを行っている。

・顧客との契約が3ヶ月から1年に延びた。
・顧客との契約単価がアップした。
・常駐先で新しいチームをつくった。
・習得した技術が新しい仕事の依頼に繋がった。
こうした具体的な貢献は、ダイレクトに年俸に反映されるとのこと。頑張り損は絶対にさせないのが、評価体系に対する同社のこだわりである。

社内の雰囲気については、とてもアットホームだ。メンバー同士は非常に仲が良く、コミュニケーションが取りやすいという。

「私もメンバーのみんなを下の名前で呼んでいますし、人と人の距離はとても近い職場です。親しみやすい人間ばかりなので、すぐに打ち解けることができますよ。とにかくみんなで何かを楽しむのが好きで、忘年会や新年会等はもちろん、昨年にはシンガポールに社員旅行に行きました。今年は社員の希望もあって、フィリピンに行く予定です」（米窪氏）

最後に求職者へのメッセージを米窪氏に語っていただいた。

「今の自分に満足していない人や、もっと自分はやれると思っている人は、是非私達と一緒に会社を成長させていきましょう！」