多彩なコンテンツを自社開発・提供することで、小さなブルーオーシャンを切り拓く
UHS株式会社は、数多くの自社コンテンツを開発・配信している会社である。そのコンテンツ数は30~40種類にも及び、ジャンルも多岐にわたっている。たとえば、プロが監修している本格レシピサイト『献立レシピ99円』やストレッチ、ヨガ、ダンスなど多様なフィットネス動画を楽しめる動画サイト『ケンコーフィットネス』、クーポンが毎月もらえる携帯補償サービス「とくとくプラス」といった情報配信サービスも行っている。
これらラインナップだけを見ると、良くいえば多彩、悪く考えると一貫性がないように感じるかもしれない。しかし、そこにはUHS独自の戦略があるのだと代表取締役社長・大越周一氏は語る。
「他社の真似をするのではなく、独自に考えた路線で小さなブルーオーシャンを切り拓くというのが、当社の基本戦略です。料理やフィットネス、占いといった一定のユーザーが見込める定番のジャンルで、特色のある自社コンテンツを開発して、着実にユーザーを獲得してきました。
「サービスには10年以上継続しているものもあります。あえて流行りものには流されず、実直に安定したジャンルを開拓し続けたことが成長の原動力になっています」(大越氏)。
同社の戦略は、他社の真似をするのではなく、独自路線で小さなブルーオーシャンを切り拓いていくというものだ。
世の中にないサービスを生み出すため、社員の積極性と意欲に期待
UHS株式会社は、“事業創造をミッションとし、まだ世の中にないサービスを生み出すこと”を目標にしている。ここでいう“事業”に具体的な制約をあまり設けていないため、自由な発想で新しいサービスやコンテンツ開発に挑戦できる環境があるのだと大越氏は言う。
「占いなどの既存コンテンツは今後も拡充していく予定ですが、様々なプロジェクトが進行中ですし、ネット広告の効果測定ができるツールも自社開発しました。」
このように常に事業創造に向けた新しい取り組みを進めているUHSだけに、社員には“積極性”や“意欲”を求めていると大越氏は続ける。
「社員およそ12名という少数精鋭の組織で動いているので、社員1人ひとりが自らに求められている役割を理解し、自発的に行動していくことが必要です。積極性とは、そういった自主性を兼ね備えた前向きさを指しています。もう一つ、新しいものを生み出すためには、新しい技術や今の自分にはないスキルなどを吸収していこうという意欲が欠かせません。技術知識だけでなく、幅広いジャンルの情報や流行といった世の中の動きにも敏感でないと新しい発想は生まれてこないでしょう。こういった視野を広げようという意欲も持っていてもらいたいですね」
社員のアイデアが採用されて、新規事業として立ち上がった実績もある。その一つが『Tsukuyomi』というブランドで展開している恋愛ゲームだ。企画から開発、配信、バージョンアップなど、すべて自社で行っているため、サービスの立ち上げから一気通貫で担当することもできる。また、デザイナーとして企画の中心メンバーになったり、プロジェクトリーダーを務めたりも可能。本人のやる気次第で、担当領域を広げていくことができ、幅広い経験を持つマルチな人材を目指すことだってできるというわけだ。
残業ゼロ、有給100%消化のホワイト企業
社員に求める資質として、大越氏はもう一つ挙げている。それが、“自分が行っている作業に意味があるのか、疑問を感じて確認しようとする姿勢”だ。
「どれほど集中して作業にあたっていても、その作業自体があまり意味のないものでは、時間を浪費するだけになってしまいます。仕事に慣れてくると、いちいち立ち止まって考えなくてもできるようになっていくもので、そのこと自体は効率化につながるので大切なのですが、状況によっては他にやるべきことがでてきたりするもの。そのとき、すぐに切り替えられるかどうかが時間を価値あるものにできるかどうかに関わってくると思うのです」
大越氏がこのような資質を求めるのは、UHSが非常にホワイトな企業だからだ。同社の社員はほぼ残業をせず定時に退社しているし、有給消化率も100%だという。自社コンテンツを手掛けている分、スケジュール調整がしやすいという面もあるが、このような状況が実現できているのは、やはり社員1人ひとりが効率を意識して自発的に仕事に取り組めているからにほかならない。
「UHSの起業前に働いていた会社では、私も社長が帰るまで会社に残っているような人間でした。でも、長時間働いたからといって成果物の出来はそれほど変わりません。そもそも人間は、長時間集中力を持続できないものです。それなら、短い時間、グッと集中してやるべきことを行い、プライベートを充実させたほうが、仕事に対する前向きさを保ちやすいと思うようになりました。だから、今は私自身、仕事を終えたらさっさと帰るようにしています。当社は中途入社ばかりですが、入社直後はよく驚かれます。こんなにホワイトな会社は知らない、と」
この環境で成果を出していくには、社員自身が意味ある仕事を見極め、集中できなければならないというわけだ。そして、こういったUHSの風土に期待感を持てる人と一緒に、さらなる発展を目指していきたいと大越氏は結ぶ。
「社会のニーズに応える、よりインパクトのあるサービスを生み出していきたい。そのためには創造性や世の中にないものを生み出したいという意欲、既存のものに疑問の目を向ける視点が必要です。そして、そういった思考を持つ人が力を発揮しやすい環境も欠かせません。UHSは完璧といわないまでも、社員の自主性を尊重する風土や意見を発信しやすい雰囲気、仕事を任せる文化があります。だから、もし今いる環境で自分の力を出し切れていないと感じているなら、一度話を聞きに来てください」